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【古川さん帰還】地上の100年分の被曝量 東電作業員上限線量の半分超
http://sankei.jp.msn.com/science/news/111122/scn11112214260007-n1.htm
2011.11.22 14:25 産経新聞
強い放射線が飛び交う宇宙は人間にとって過酷な環境だ。国際宇宙ステーション(ISS)は飛行士が浴びる放射線を最小限に抑えるように管理されているが、約5カ月半滞在した古川聡さんの被曝(ひばく)量は、日本の地上生活のおよそ100年分に達したとみられる。
太陽や銀河などから飛んでくる強い宇宙放射線は、ISSの壁を簡単に突き抜けるため、飛行士は滞在中に1日約0・5〜1ミリシーベルトの放射線を浴びる。
宇宙に167日間滞在した古川さんの放射線量は累積で推定100〜150ミリシーベルト程度。日本で自然に浴びる放射線量は年間約1・5ミリシーベルトなので、最大で約100年分に相当する。東京電力福島第1原発で働く作業員の上限線量(250ミリシーベルト)の半分以上だ。
古川さんは滞在中、高精度で小型の国産線量計を常に身に付けた。太陽活動の活発化で関係者に緊張が走った時期もあったが、線量は許容範囲内に収まったという。
多量の宇宙放射線を浴びると造血組織が影響を受けたり、がんや白内障の発生率が高まったりするとされる。飛行士の宇宙滞在期間は放射線量によって制限されており、その低減は将来の火星旅行などの実現に向けた重要課題にもなっている。
放射線医学総合研究所の保田浩志・放射線防護研究センターチームリーダーは「放射線だけをみても、今のままではISSなどで一般人が普通に暮らすのは難しい。何らかの対策が必要になる」と話している。
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