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読売新聞社は、正力松太郎氏に代表されるように原発推進に深く関わってきた。
今回の福島原発事故を受けて、それをどう総括したかは知らないが、「もんじゅ」擁護→「核燃料サイクル」護持(されは同時に「軽水炉原発」存続を意味)の旗を振り続ける姿は異様だ。
「もんじゅ」に限らず、「仕分け」がパフォーマンス的要素が色濃いのは事実だが、それを好機として、「軽水炉原発」維持・「もんじゅ」存続・「核燃料サイクル」推進を煽る読売新聞社の言動は、パフォーマンス以下の愚挙だ。
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「もんじゅ」 政策仕分けにはなじまない(11月22日付・読売社説)
次世代の原子炉を目指す高速増殖炉「もんじゅ」について、政府の行政刷新会議が、計画存続の是非を含め、抜本的に見直すよう提言した。
刷新会議が20日に始めた仕分け作業で、与党議員ら7人の仕分け人が、「これまでに1兆円以上の予算をつぎ込んだが、何の成果もない」などと主張した。
だが、わずか数時間の議論は事業予算の効率的な使い方が焦点となり、技術的な検討も、長期的なエネルギー政策の観点からの検証も、ほとんどなかった。
東京電力福島第一原子力発電所事故後の「脱原発」の風潮を踏まえたパフォーマンスと言われても仕方があるまい。
「もんじゅ」は1994年に運転を開始して以来、「ナトリウム漏れ事故」などで、ほとんど停止している状態だ。維持費だけでも年に200億円程度を要する。
研究開発を担うのは、独立行政法人の日本原子力研究開発機構だが、公的な研究組織ゆえに緊張感を欠いてこなかったか。経費の無駄はなかったか。仕分けで、そう指摘されたのは、もっともだ。
しかし、日本が高速増殖炉を推進してきたのは、ウラン資源の有効活用を目指しているからだ。今の原子炉では燃やせないウランを燃料に変えられる。資源に乏しい日本の将来を見据えている。
中国、インドなども同型の原子炉を開発中で、中国は今夏、実験段階の発電を始めている。国際的な研究開発拠点として、欧米からは、日本の「もんじゅ」の安定運転に関心が寄せられている。
こうした経緯や動向を考慮しないのは問題だ。
原子力政策については、政府のエネルギー・環境会議や原子力委員会などが、来夏を目途に見直している。「もんじゅ」も、その中で位置づけられるはずだ。
長期的観点で原子力を議論してエネルギーの最良の組み合わせを決める必要がある。
だが、枝野経済産業相は、仕分けの場で、原発の全研究費を再生可能エネルギーの研究に投じれば電力はまかない得ると述べた。今の技術水準からは容易なことではない。無責任ではないか。
今回の仕分けは「政策提言型仕分け」と銘打たれている。原子力政策からは、「もんじゅ」のほかに核融合の研究開発なども対象とされた。だが、やはり、予算の効率化に終始した。
重要政策は、多面的な論議を経て決められるべきものだ。仕分けには限界がある。
(2011年11月22日01時16分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20111121-OYT1T01344.htm
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