http://www.asyura2.com/11/genpatu18/msg/574.html
Tweet |
論理不整合002・・・規制値と電気代
http://takedanet.com/2011/11/post_8178.html
平成23年11月20日 武田邦彦(中部大学)
事故が起こる直前までの被爆の規制値は、1)人(一般、子供、原子力作業者、医師)が1年1ミリ、2)原子力発電所境界が1年0.05ミリ、3)「これなら捨てられる=クリアランスレベル」が1年0.01ミリ、だった。そして、この値を基準にしてすべての設計、施工、運転、管理、測定などが行われていた。
特に注目すべきは、原子力作業者で1年20ミリの許可を得ている人についても1年1ミリの自主規制をして、そのために3万人の従業員を8万人に増やして、その人件費も電気代に入れていた。
つまり規制値が1年1ミリと1年100ミリでは、設備から人数まですべてまったく違う取り扱いになる。私の経験も考えると、もし1年100ミリなら電気代は2分の1(半分)になっただろう。すべての設計が緩くなり、安全設計が軽くなり、管理が弱くなり、人数が減り、測定器が激減するからだ。
1) 3月11日まですべての規制を1年1ミリでやってきた。最後の法律規則の改正は、2ヶ月前の2011年1月(電離放射線障害防止規則)である。
2) その結果、厳重な設計、管理が行われ、人件費も含めて世界でもトップクラスの高い電気代を払っていた。
3) 3月12日に事故が起こると、1年100ミリを主張する人が多く出てきた。その人は「これまで過剰な設備と管理で、高い電気代を払っていたのは不当だった」と言わなければならない。
4) 1年1ミリとか、土壌の汚染(1平方メートル4万ベクレル)などを違反すると法律に基づいて罰せられていた。
「規制値と電気代」はこれまで論理の整合性があったが、1年100ミリとなると、突然、論理不整合が起きる。
・・・・・・・・・
福島事故が起こってから、子供たちを被曝させるのに懸命な人が多く出現した。ほとんどが法律違反をしているのだが、今のところ逮捕されていない。野菜を売りたいから法律を違反して汚染されたものを売り、子供たちを被曝させても罰せられないというのは実に奇妙だが、今の検察や裁判所なら仕方が無いだろう。
しかし、電気代が高かったというのはそれとは別の「社会正義」の問題だが、電力会社の収益が「コストに比例する」というのを利用して、1年1ミリという「過剰な規制」を作り、「自主規制」を行い、コストを高くして、収益を増やしていた疑いもある。
どちらでも(1年1ミリ違反でも1年100ミリでも)、法律遵守、あるいは粉飾決算なみの正義に反する行為として、電力会社とそれを応援する人が「善良な国民」に復帰するのを望む。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素18掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。