http://www.asyura2.com/11/genpatu18/msg/400.html
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まず、このような調査が、政府の管理下ではなく東北大学の“自主調査”でしか行われなかったことは、政府の放射能汚染に対する取り組みのデタラメさを物語っている。
政府が、明確な目的を定め、確かな陣容で、きちんとした予算措置をほどこし、結果をわかりやすい資料のかたちで公表し、人々の今後の健康管理に役立てなければならないからである。
セシウム汚染藁で汚染した牛肉が見つかったときに、それらの牛を管理飼育し、その後の経過や内部被曝を調査すべきという内容の投稿も行った。
放射能汚染や津波被害で多くの日本人が棄民の憂き目にあっているなか、内部被曝問題を煽る気はないし、調査対象の牛が警戒地域ということでとりわけ高濃度に汚染しているともいえるが、食材・大気・水・土壌など体内に入り込む可能性があるものに対する“自主的”な注意は怠らないほうがいい。
セシウムの内部被曝の部位別状況については記事をお読みいただくとして、気になるデータも公表されている。
26頭中5頭にごく微量だが、「放射性テルル129m」が腎臓にたまっていたのが検出されていたという。
3.11事故発生の翌朝にテルル132(半減期やく3日)が敷地外の浪江町で検出されていたことが6月初めに公表された。
これは、政府・東電が遅くとも3月12日朝の時点ではメルトダウンを認知していたことを意味し、深刻な過酷事故であることを知りながら、住民避難やヨウ素剤投与(β崩壊でヨウ素132に)などで的確な対応をしなかったことを証左するデータである。
今回検出された「テルル129m」は半減期が約34日で、β崩壊でヨウ素129になる。ヨウ素129の半減期は約1600万年(有名なヨウ素131は約8日・ヨウ素132は2.3時間)である。
調査での検出が9月末として、6ヶ月以上経過しているから、F1でメルトダウン以降再臨界などで新たに生成されていないのなら、「テルル129m」は当初の1/64ほどになっている。検出限界値はわからないが、6ヶ月後でも微量とはいえ検出されていることは要注意だ。(ヨウ素129が検出されていない?のは疑問)
「テルル129m」については、6月初めに、1号機の取水口付近で採取した海水から検出されたと東電から発表されている。
それを報じた読売新聞は、「事故後3か月を過ぎて新しい核種が検出されたため、高濃度汚染水の流出などが疑われるが、東電は「採水の際に、なんらかの原因で混入したのではないか。ほかの放射性物質の検出値に変動はないので、汚染水が漏れるなどの異常事態が起きているとは考えられない」としている」と書いていた。
週刊現代は、テルル129m検出情報をもとに、欧州放射線リスク委員会の科学委員長クリス・バズビー博士から次のような説明を引き出し掲載した。
「テルルが検出されたというのは、とても興味深いデータですね。なぜならこれは、核分裂によって生じる物質なのですが、半減期が33日ととても短いからです。半減期が短いものが、原発事故より3ヵ月がたった6月に採取したフィルターから検出されたということは、核分裂が今も続いている可能性---つまりは再臨界を起こしている可能性を示唆しています。最初に放出された量がわからないので、これが確かなことかどうかは断言できませんが、再臨界が起きていたのかどうか、政府や東電は調査し、その結果を公表すべきです」
原発事故とそれに伴う放射能汚染は、政府・東電・メディアが関連情報の露出を徐々に絞ってきたこともあり、ある割合の国民はときに思い出すという感じで風化しているようにも思える。
政府は、口先で大丈夫といったり、健康調査と称した“人体実験デーや”収集に励むのではなく、牛など動物には申し訳ないが、不幸にして巻き込んだ動物の管理飼育を通じて貴重なデータを入手し、それを公表するとともに、ほんとうの意味での健康管理に役立てるための研究に傾注しなければならない。
※ 関連投稿
「政府が震災後これまで見せなかったほどの速さで汚染肉牛買い上げを政策化するワケ」
http://www.asyura2.com/11/genpatu14/msg/692.html
「参議院質疑:あまりにひどすぎるチャランポラン・デタラメの保安院・枝野氏:テルル132問題:福島さんも「予定調和」」
http://www.asyura2.com/11/genpatu12/msg/716.html
「[国会テルル132検出問題:お詫びと訂正]ですが、原子力安全・保安院はよりずっとアクラツで度し難い「犯罪組織」だった!!」
http://www.asyura2.com/11/genpatu12/msg/797.html
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セシウム牛の筋肉に蓄積 福島の警戒区域 血液の20〜30倍 東北大調査分析、人に応用も
東北大学加齢医学研究所の福本学教授らのグループは、福島第1原子力発電所の事故に伴い警戒区域に指定された地域で野生化した牛の内部被曝(ひばく)状況を調査した。放射性セシウムが筋肉に多く蓄積しており、濃度は血液中の20〜30倍だった。セシウムの濃度は親牛に比べて胎児では臓器にかかわらず、ほぼ1.3倍高いことも分かった。
別の2種類の放射性物質も腎臓や肝臓に集積していた。研究成果は13日に仙台市で開く国立大学協会防災・日本再生シンポジウム「放射性物質の拡散と大学人の役割」で発表する。
研究グループは8月下旬から9月半ばにかけて警戒区域内で、屋内で飼っている牛や野生化した牛計26頭を捕獲し、その胎児4頭を含め内臓や筋肉、血液中の放射線の被曝線量を測定した。
放射性セシウムは筋肉にたまりやすいといわれてきたが、今回の調査で改めて裏付けられた。血液中の濃度が1キログラム当たり60ベクレルの場合、ももの筋肉の濃度は同1800ベクレルだった。舌や肝臓などの濃度は筋肉よりも低く、血中濃度の10倍程度。甲状腺には放射性セシウムはほとんど沈着していなかった。
ほかに「放射性テルル129m」が腎臓、「放射性銀110m」が肝臓にたまっていた。放射性テルルは26頭中5頭でごく微量検出。放射性銀は26頭すべての肝臓に蓄積していた。被曝線量はほとんどが1キロラム当たり100ベクレル以下だったが、最大同500ベクレル蓄積している牛もいた。肝臓にたまった放射性銀の濃度は血中濃度の25倍だった。放射性のテルルと銀の内部被曝状況が分かったのは初めてという。
内部被曝線量は屋内飼育より、野生化した牛のほうが高かった。放射性物質に汚染された草を食べたり水を飲んだりしたとみられる。
研究グループは調査を続け、ぼうこうなどの内部被曝の実態を詳しく分析する計画。福本教授は「放射性テルルは血中では検出されなかった。放射性セシウムや放射性銀については血中濃度を測れば、筋肉や肝臓にどの程度沈着しているか予測できることが分かり、人にも応用できる可能性がある」と話している。
[日経新聞11月12日夕刊P.8]
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