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南相馬・小中学生の体内放射線量測定 機器に性能差、不安呼ぶ
http://www.kahoku.co.jp/news/2011/11/20111112t65013.htm
2011年11月12日 河北新報
福島県南相馬市で実施された小中学生の内部被ばく量の検査結果に、保護者や学校関係者の戸惑いが広がっている。全身の体内放射線量を測るホールボディーカウンター(WBC)3台で行われたが、機種によって結果にばらつきが出たためだ。市は「緊急に治療が必要な子どもはいない」と強調するが、保護者からは「結果をそのまま信じていいのかどうか分からない」と不安を訴える声が出ている。
検査は8〜10月、南相馬市立総合病院で実施され、南相馬市の小中学生2884人が受診した。セシウム137が検出されたのは274人で、このうち9人が比較的高いとされる「体重1キロ当たり20ベクレル」を超えた。
検査は当初、鳥取県などから借りた日本製のWBC2台を使っていたが、スピードアップのために市は独自に米国製のWBC1台を購入、9月から稼働させた。すると、稼働前は6件だったセシウム137の検出件数が274件に急増した。
南相馬市立総合病院で診療を手伝う東京大医科学研究所の坪倉正治医師(血液腫瘍内科)は「米国製WBCは検出限界値が低く、日本製では検出できない値まで測定できる」と説明。「米国製WBC導入後でも数値は0〜20ベクレルに集中しており、問題はない」と話す。
ただ、体内からセシウムが検出されたこと自体に不安を覚える住民も数多い。
南相馬市小中学校PTA連絡協議会の西道典会長は「WBCの機器ごとに性能差があるとは知らなかった。可能なら、子どもたちを米国製WBCで再検査してほしい」と要望する。
南相馬市の検査結果は周辺自治体にも波紋を広げた。北隣の相馬市10月下旬から小中学生の保護者を対象に説明会を開き、南相馬市の結果を説明したが、参加者からは「子どもに何を食べさせたらいいか分からない」「WBCで調べられない乳幼児はどうするのか」など、不安を訴える声が寄せられた。
坪倉医師は「これから必要なことは、今まで以上の内部被ばくを防ぐこと。子どもに与える食材への配慮など、家庭でできる対策を呼び掛けていく」と話している。
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