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給食の牛乳からセシウム、説明を怠る明治と町田市
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11/11/01 | 12:18 週刊東洋経済
東京・町田市の学校給食で出されていた牛乳に、放射性物質セシウムが混入していることが判明した。小中学生の子どもの保護者や市民に衝撃が広がっている。
セシウムが検出されたのは9月6日。保護者からの強い要望を受けて、町田市の吉田つとむ市議(市議会副議長、志政クラブ所属)が専門検査機関の放射能汚染食品測定室に学校給食で提供された牛乳の検査を委託。すると、セシウム134と同137合計で6ベクレル/キログラムが検出された。
セシウムは体内に取り込まれると全身の臓器に蓄積される。子どもは大人と比べて、甲状腺や心筋、脳、腎臓、小腸などに蓄積される量が多いことがチェルノブイリ原発事故の高濃度汚染地域で死亡した住民に関する調査で明らかになっている。
事態を深刻に受け止めた吉田市議は、牛乳を製造していた明治(旧明治乳業)に質問状を送付。検出された原因や含有量ゼロを目指す考えの有無などを問いただした。しかし、同社から送られてきた回答書では、「(集荷地域にある)各自治体等の調査結果において、放射性物質は暫定規制値を大きく下回り安定しております。したがいまして、生乳の安全性は確保できているものと判断しております」との記述にとどまり、セシウム混入の原因や今後の対応策についてはまったく説明がなかった。
沈黙を続ける明治 町田市はひとごと
吉田市議は語る。「明治は質問にきちんと答えていない。理解しがたいのは、自主的に放射性物質の検査を開始したと回答文に書いている一方で、『この検査は任意に行っているものであり、具体的な検査結果については公表をいたしておりません』と述べていることだ。これでは安全かどうか確かめようもない」。
一方の町田市も対応が鈍い。「学校給食の放射能測定実施については、市民の請願に関連して6月の健康福祉常任委員会で付帯決議がなされたうえ、10月4日には市議会本会議でも全会一致で決議されている。にもかかわらず市は着手の姿勢すら見せていない」(吉田市議)。
これに対して、町田市教育委員会の高橋良彰・保健給食課長は「議会の決議はたいへん重たい」と語る。が、「(測定実施には)市長部局からゴーサインが出ていない」と及び腰だ。本誌は石阪丈一市長にも測定に関する考えを尋ねたが、これまでのところ回答は得られていない。
吉田市議宛の明治による回答書には注目に値する記述もある。問題の牛乳を製造していたのが、明治の神奈川工場(茅ヶ崎市、写真)であり、「主な集乳地域」が「神奈川県、静岡県、千葉県、北海道、青森県、岩手県、宮城県、山形県」であると記されていた点だ。本誌の取材に対し、明治は多くの産地の原乳を混ぜて牛乳を製造していると認めている。
放射能汚染問題に詳しい、高木学校の崎山比早子氏(元放射線医学総合研究所主任研究官)は語る。「混乳されたうえで6ベクレル/キログラムが検出されたということが事実だとすれば、混ぜる前の牛乳はかなり汚染されていた可能性が高い。産地を特定して、汚染源を断ち切るための対策を直ちに講じるべきだ」。
しかし、明治は本誌や吉田市議のみならず、町田市に対しても汚染原因についていっさい説明をしておらず、町田市も問題を放置している。
では、問題の牛乳は明治が言うように「安全」といえるのか。崎山氏は、「原発事故後、数日間で取り決めた国の暫定規制値は前提とする被曝線量限度自体が高すぎる。それゆえに規制値を下回っていれば安全ということにはならない」とする。そのうえで、「学校給食の牛乳は子どもが毎日飲むもの。子どもは放射能への感受性が高いだけに、メーカーはゼロに近づける努力とともに検査データを公表すべきだ」と話す。
放射能の体内被曝問題に詳しい岐阜環境医学研究所の松井英介所長は、「牛乳にセシウムが含まれていること自体あってはならないが、懸念されるのは、はるかに毒性が高く、骨髄細胞を傷害するストロンチウムも含まれている可能性が否定できないということだ」と指摘する。同氏は「国の責任で食品に含まれるストロンチウムについてもきちんと測定することが必要だ」と強調する。
東京都教育庁によれば、明治の神奈川工場で製造された牛乳を学校給食で用いている自治体は都内で7区市(目黒区、世田谷区、三鷹市、調布市、狛江市、八王子市、町田市)に及ぶ。16万人近い子どもが同工場の牛乳を飲んでいるとみられ、衝撃はさらに広がる可能性がある。
横浜でも放射能検出 安全性確保の努力を
町田市が学校給食の放射能検査に二の足を踏む一方で、すでに検査を実施している自治体もある。横浜市は10月11日から小学校給食で牛乳を含む1日分の食材について放射性物質の測定を開始。翌12日に干ししいたけから、350ベクレル/キログラムのセシウムが検出された。横浜市では、「国の暫定規制値(500ベクレル/キログラム)を下回るものの当面、念のために学校給食で干ししいたけの使用を控えることにした」(健康教育課)。
横浜市がこうした動きを起こしたのは伏線があったからだ。福島第一原発事故直後から、小学校児童の保護者が市に対して給食の放射能検査実施や原発周辺地域の農産物の使用中止を求めてきたにもかかわらず、市は消極的な姿勢に終始。その後、8月に放射性物質に汚染されていた稲わらを与えていた可能性のある牛肉を、学校給食で4月19日から7月1日までに延べ16日にもわたって使用していた事実が判明した。食べた小学生の数は8万人以上に上り、市役所には保護者からの抗議が相次いだ。そうした経緯があるだけに、市に対する保護者の視線は依然厳しいが、何もやらないよりましだろう。
パルシステム生活協同組合連合会や生活クラブ生協、会員制宅配企業のらでぃっしゅぼーやなどの機関はすでに放射能測定を自主的に実施、結果も公表している。また、生産者とともに安全性を確保するための取り組みも続けている。国内乳業最大手の明治や町田市に、そうした取り組みができないはずはない。
(岡田広行、張 子渓 撮影:鈴木紳平 =週刊東洋経済2011年10月29日号)
※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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