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ハッキリしたこと(2) 4500億円と無策・増税
http://news.livedoor.com/article/detail/6001463/
2011年11月06日13時48分 武田邦彦(中部大学)
消費税を5%から10%にするようですが、その理由は「税金が足りない」と言われています。聞いてみれば当然で、税金で生活している政治家や官僚が自分の給料や権益、それに天下り先を増やそうというのですから、政治家やその後ろにいる官僚が増税を唱えるのは「自分だけ得をすればよい」という今の日本ではよく理解できます。
増税の一つの理由として、「赤字国債が多い」からと言うけれど、赤字なのに国債を出したのは政治家と官僚で、税金を増やすと票を失うからいつも「国債」で払っておけば自分たちが浪費できる。そして赤字になったから親(国民)に増税を迫るといううまい方法を考えたものです。
国民にしてみれば「国債を買いましょう」といって買っていたら、その分だけ税金でとられた・・・考えてみれば国債を償還する力があるのは国民だけだった・・・という訳です。(拙著「国債は買ってはいけない」(東洋経済新社))
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3月11日に大震災、12日に福島原発が爆発しましたが、まだ2011年度予算が執行される前で、国会で予算案が通っていない時期でした。もし議員や官僚が普通の人たちだったなら、なにはともあれ震災対策や原発対策に使用する予算を凍結し、人件費ぐらいは出すけれど、あとは政策が決まり次第、執行するのが決断力というものです。
家計を考えたら判ります。3月11日に家族がなにかに巻き込まれ急に100万円を必要とするようになっても、給料をそれまでと同じペースで使っていくなどということはありえません。国家だから時間がかかるということもなく、内閣が閣議を開いて決めればそれですぐにでもできることでした。
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特に原子力予算の使い方がひどいもので、毎年4500億円を使っています。福島原発が爆発した後でも原子力関係者は「心から反省」をしなかったのでしょう。4500億円から除染費用も、福島の人を助けるお金も一切、出さなかったのです。それをマスコミ報道部はだまっていました。
汚染された農作物を全量、買い取るのに700億円。NHKの教育テレビが「2000億円も除染にかかるなら、除染はできません」と言いましたが、この両方を足しても、1年の原子力予算の約半分でした。直接的には福島県がこの予算を要求しなかったのが致命傷になったのですが、福島市は除染して綺麗な県を取り戻すより、汚染されたまま県民に1年20ミリを被曝させる道を選んだのですから、しかたがありません。
福島県は原子力予算を十分に知っているのですから。
それに「焼却してもリサイクル」ということで利権をとっているリサイクルが4300億円、ダイオキシン対策が1800億円、それに温暖化では1兆円とも言われ、合計すると実に2兆円を超え、納税者にとっては1年間2万円に当たります。増税は不要です。
思えば、「事業仕分け」で官僚にうまいことやられました。実際に実施している事業の「細かい無駄使い」をいくら摘発してもせいぜい数1000億円規模であることは最初から判っていました。
でもシナリオは、1)まず事業仕分けを体育館でやって注目を浴びる、2)議員には思いきり過激な発言をしてもらうがシナリオ(何をとりあげるか)は官僚に任せておくので肝心なものはでてこない、3)マスコミ報道部に取り上げて貰う、4)たいした効果をもたらさないで終わる、5)「節約は限度だから増税する」という、6)民主党の公約と全く違うが国民は2年経てば忘れてくれる、というものです。
まんまと引っかかりそうですが、これからでも遅くありません。こんなに不誠実な政治家を選んでいれば子供たちの将来がないのは当然でもあります。
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