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警戒区域:低線量地域を復旧拠点に…児玉教授が調査
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20111106k0000m040079000c.html
毎日新聞 2011年11月5日 21時24分(最終更新 11月5日 23時53分)
東京電力福島第1原発から20キロ圏内の警戒区域の復旧に取り組む東京大アイソトープ総合センター長、児玉龍彦教授が5日、地元自治体の許可を得て同区域内で放射線量計測調査を実施し、記者も同行した。
区域内には、国が除染のめどとする年1ミリシーベルト(毎時0.23マイクロシーベルト)を下回る場所もあり、児玉教授は「線量の低い地域を拠点に除染やインフラ整備を進めていくべきだ」と指摘する。
この日は、防護服にマスク、ビニール手袋を身につけ、放射線測定器を取り付けた乗用車で、福島県南部の広野町から国道6号を北上して20キロ圏に入った。
道路は各地で陥没したり、ひび割れて段差ができたりしていた。
住宅地では家や壁が崩れたままになっていた。人の姿は見えず、原発の作業員や一時立ち入りの住民のものと思われる乗用車がわずかに走っているだけだ。
放射線の空間線量は、区域内入りした時点で毎時0.45マイクロシーベルトだったが、大熊町と双葉町にまたがる福島第1原発に近づくと毎時10マイクロシーベルトを超え、同原発から約2キロと最も接近した場所では22マイクロシーベルトに達した。
北上を続けて南相馬市に入った時は毎時0.36マイクロシーベルトで、警戒区域を抜けるころには0.1マイクロシーベルトに下がった。また、国道6号を外れて立ち寄った、津波に破壊された浪江町の漁港は、原発から約6キロと近いが、地上から約1メートルの高さで空間線量は毎時0.08マイクロシーベルト程度だった。
児玉教授は「一律に距離で線引きをするのではなく、国は放射線量を詳細に調査し、除染や工事のためには人を警戒区域内に入れる判断をしなくてはならない」と話す。【藤野基文】
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