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東日本大震災:放射性セシウム、県北の蓄積に警鐘−−小出裕章さん /群馬
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20111101ddlk10040215000c.html
毎日新聞 2011年11月1日 地方版
◇「子どもを守ろう」
一貫して反原発の立場を取り、東京電力福島第1原発の事故後は事態の深刻さを訴え続る京都大学原子炉実験所助教、小出裕章さんが、県北部などで測定された放射性セシウムの蓄積量の高さに警鐘を鳴らしている。小出さんは講演に訪れた高崎市内で、医療現場などで管理の徹底が求められる「放射線管理区域」にあたる地域が県内にもあると指摘し、「放射線への感受性が高い子どもに汚染の低いものを優先して食べさせるべきだ」などと語った。【増田勝彦】
■「汚染の真実」
高崎市総合福祉センターで10月29日夜に開かれた講演会「原発のウソ 汚染の真実−3・11後の社会を生きる」(生活クラブ群馬主催)。小出さんは会場を埋めた300人を前に「どうやってこれから生きていけばいいか、私の考えていることをみなさんにお伝えしたい」と切り出した。
小出さんによると、「1平方メートル当たり4万ベクレルを超えて放射能で汚染されたものは管理区域外に持ち出してはならない」という法律がある。小出さんは研究のため管理区域内に入ることが多いが「この区域内では水を飲むことができず、食べ物を食べてもいけない。寝たり、子どもを連れ込むこともできない。そういう場所が放射線管理区域」という。
■県内の汚染度
小出さんによると、福島県の東半分▽宮城、茨城県のそれぞれ北部と南部▽栃木、群馬県の北部▽新潟、埼玉、千葉県と東京都の一部−−に「放射線管理区域」にあたる所があるという。
9月公表の汚染マップでは、みどり、桐生、沼田市や川場村など県東部と北部の山間部を中心に、地表の放射性セシウムの蓄積量が1平方メートル当たり10万ベクレル超〜30万ベクレル以下の範囲で検出されており、小出さんの指摘する「1平方メートル当たり4万ベクレル」を大幅に上回っている。
■食べ物の汚染
小出さんは「子どもを被ばくから守り、次に第1次産業を守るべきだ」と提言する。子どもは放射線の感受性が高く、0歳児は全年齢平均の4倍に高まり、大人は年を取るごとに感受性が低くなるという。講演では「子どもに汚染の少ない物を与え、残りのものを大人が引き受ける。これしか、やりようがないと思う」と述べた。
また「食べ物について政府は暫定基準値を決め、上をはね、下は大丈夫と言うだけで、汚染の真実を伝えていない。だから、国民はどうしていいかわからない。食べ物の汚染度をきっちり調べて、知らせることが必要。放射性物質を放出した東京電力が責任をもって汚染度調査をすべきだ」と強調した。
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