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小出氏:文科省のテルル、林野庁の汚染されたスギ花粉について@たねまき【ヨウ素129Mの半減期は1600万年・・・】
http://bochibochi-ikoka.doorblog.jp/archives/3124722.html
2011年11月02日01:02 ぼちぼちいこか。。。
今日もたねまきジャーナルを聞くことができました。
1600万年・・・・。
どうぞ。
20111101 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章
http://www.youtube.com/watch?v=HK1JmbItDxM&feature=channel_video_title
【以下、お時間のない方のために内容を起こしています。ご参考まで】
まず、リスナーからメールをいただきました。
『文科省が、放射性物質のテルルというものが土壌をどれだけ汚染したかという地図を発表したようですね。』
というふうにおっしゃっております。
テルルという物質は、確か6月に検出されて、この種まきジャーナルでも、「どういうものか?」と小出先生に伺った記憶があるんですが。
(小出氏)そうでしたね。
テルルってどんなものでしたっけ?
(小出氏)原子炉が動くと、ウランが核分裂するわけですが、核分裂生成物というさまざまな放射性物質が生み出されます。
およそ200種類くらいが問題になるのですけれども、そのうちの一つに、テルルという元素がありまして、そのテルルの中にもいろいろな番号のテルルがあります。
6月頃に私に聞いていただいたのは、132番という番号のついたテルルのことでしたし、今回文科省が公表したのは、129Mという名前のついているテルルです。
129というのは質量数と私たちが呼ぶ、その数を表していますし、Mというのは、『メタステーブル』という英語の頭文字でして、準安定状態というような、私たちが特殊な呼び方で呼んでいるものなのですね。
そのテルル129Mというのは、半分に減るまでに34日、つまりひと月くらいかかるという、比較的寿命の長いほうに属する核分裂生成物で、事故から既に7か月、8か月くらい経ってますけれども、まだ検出できるくらいに環境中に残っているという、そういう放射性物質の一つです。
いや、これ、今伺うまでなんのこっちゃ、発表を見ても何も判らなかったんですよ。とにかく文科省が言ってるのは、
「セシウムと比べたら、微量である。何の問題もない」
というニュアンスに読み取れるんですけどね。
(小出氏)「何の問題もない」というのは、もちろんありません。
放射性物質であるかぎり危険はありますので、注意をしなければいけません。
ただし、セシウムに比べれば、影響が少ないという意味でいえば、私もそうだと思いますし、この問題にあまり皆さんの目が奪われることは、私は好ましくないと思います。
ただし、一言付け加えておきたいのですが、このテルル129Mという放射性物質が、ベータ線を出しながら崩壊するのですが、崩壊した後にできるものは、ヨウ素の129というものができます。
ヨウ素ができる?
(小出氏)そのヨウ素129というのも、また放射性物質でして、ヨウ素の129は半分に減るまでに1600万年かかるという、半ば無くならないという放射性物質になります。
ヨウ素って8日で無くなるんじゃないんですか?
(小出氏)ヨウ素の131番という番号が付いたヨウ素は8日でなくなります。129番という番号のついたヨウ素は1600万年経たないと半分にならないと無くなりません。
1600万年!!??
(小出氏)ですから、ちょっと特殊な放射性物質ですし、私たちのような専門の場所の人間から見ると、学問的には興味深いという、そういう性質を持っています。
なんか、私らは商品番号2番違うと、えらい違いみたいな感じですけど、8日と1600万年違うというくらいに、放射性物質というのは多様なんですね。
(小出氏)そうです。いろいろなものがありますので、どういう点に注目るか?ということで、様々な問題が出るのですが、普通の皆さんにとって問題なのは、要するにトータルの被曝という問題だと思いますので、その意味ではテルル129Mにあまり皆さんの注意が奪われないようにしてほしいと私は願います。
逆に言うと、テルルの問題が小さく見えるくらいにセシウムの問題が大きいということですね?
(小出氏)そうです。おっしゃるとおりです。
ただ、テルルだけに注目してしまうと、なんか問題ないのか?とそこの帰結の仕方が間違えてしまうと、現実を取り違えてしまう。怖いですよね。いかにして読み解くかということですが、じゃあ、もう一つ、この数字ってどうなんでしょうか?
林野庁はですね、セシウムに汚染された杉林から放出される花粉を人が吸い込むことで受ける放射線量はどうなのか?という試算をしたんですね。
これは、問い合わせが相次いだからだそうですけど、結局どういうふうに言ってるかといいますと、最も影響が大きいとみられるような前提条件で考えても、人体には影響が出ないという結論のようなんですよ。
これ、どう受け止めたらいいですか?
(小出氏)人体に影響が出ないというのは、今日本の政府などが言ってるのは、100mSvにならないと影響が出ないというようなことを言ってるわけで、科学的に言えば、全く間違えているんです。もともと。
それが10mSvであっても1mSvであっても、影響はあるのです。
それが今日までの学問的な、疫学的という学問の分野では証明できていないというだけのことであって、どんな微量の被曝であっても影響は必ずあるというのが、現在の学問の到達点なんです。
ですから、花粉で恐らくいろいろな放射性物質がそれに付いた状態で飛ぶと思いますので、注意をしなければいけないし、特に杉林の周辺の人たちは、花粉が飛ぶ頃にはマスクをするとか、それは今まで花粉症の方々がマスクをしていたわけですが、そうではなくて、今度は・・・
花粉症以外の方々もマスクをするという方法をしなければいけないと・・・
(小出氏)そうです。
(近藤氏)先生、これは日本国中に放射性物質が飛散したということを考えれば、決して被災地だけではなくて、関東、西日本もやっぱり注意は必要なんですよね?
(小出氏)そうですよね。ですから、風向きによっては飛んでくるわけですし、例えば黄砂なんていうのは、中国大陸からも飛んできて、ふとんを干しておいたら困るくらいに飛んでくるわけですから。
そうですね。黒い車が真っ黄色に近いような色になるじゃないですか。
(小出氏)花粉だってテレビのカメラで撮っていれば、ダーッと杉林から舞い散るくらいに散るわけですから、その季節にはやはり注意をしなければいけないくなると思います。
(近藤氏)今回はスギとか、特定の木だけ行ってますけど、ヒノキとか松とか、様々な・・・
(小出氏)同じことです。
同じことですか?
(小出氏)同じことですね。
ということは、年がら年中何かから飛ぶこと多いでしょ?
(小出氏)はい。もちろんです。今もうすべての大地は汚れている、木々が汚れているわけですから、それが生態系の中で循環しているので、あらゆるところでいろいろな形で被曝がこれから出ると思いますので、注意をする必要があると思います。
はぁ・・・。
あの、こうした何かの調査が発表されるときに、どう受け止めるか?ということで、ここのところ、政府から出てきているものは、「とにかく大丈夫ですよ」という見方に帰着してるように思うんですが、小出先生、どう思われます?この・・・
(小出氏)初めからですね。
初めからずっとそうだったんですよね。
(小出氏)枝野さんが「ただちには影響出ない」ということを毎回のように言っていましたけれども、ただちには出ないということは、やがて出るということの裏返しを言っているわけで、それが今、だんだん現実を帯びて、私たちが注意をしなければいけない問題になってきているわけです。
その反面ですね、小出先生がいつもおっしゃる海洋汚染。
こちらにたくさん実は飛んでるんでしょ?
そっちの数値がなかなか出てこないんですよ。
(小出氏)そうなんです。見えないんです。
要するに、陸に落ちたものは、見えやすいけれども、海へ一度行ってしまったものは、なかなか見えにくいということで、日本の国や東電はもちろん見たくないわけですし、できることなら、小さく考えたいと彼らは思ってるわけですから、小さく小さく評価してきてしまったわけですね。
普通ね、「水に物事を流す」って言いますけど、放射性物質は消えないですよね。「流れて」も。
(小出氏)消えません。ですから薄まりはしますけれども、薄まるということは、広い範囲にまき散らしたということになるわけですから、危険が無くなったわけではありませんし、これからあちこちで注意をしなければいけなくなる時代が来るわけです。
本当に欲しいデータは出てきません。
(小出氏)はい。
ありがとうございました。
(小出氏)ありがとうございました。
【以上】
【関連記事】
放射性テルル、銀の土壌濃度地図 文科省が公表
2011/10/31 21:37 【共同通信】
文部科学省は31日、東京電力福島第1原発から半径100キロ圏内の土壌を採取して測定した「放射性テルル129m」と「放射性銀110m」の濃度マップを作製し、ホームページで公表した。いずれもガンマ線を出すが土壌汚染の程度は放射性セシウムと比べ小さく「人体への影響は小さい」としている。
テルル129mは半減期は33・6日。銀110mの半減期は約250日。銀110mは、チェルノブイリ事故でも放出に関する明確な報告がなく、土壌への沈着経路の解明が期待される。
文科省によると、土壌は6〜7月に約2200カ所で採取。
http://www.47news.jp/CN/201110/CN2011103101000943.html
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