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ヤブロコフ『チェルノブイリ』5.9「消化器系・内臓疾患」に書いてあることをまとめてみよう。
以下を読むと、汚染された食物を食べることで、吸収されたセシウムが消化器系の臓器に溜まり、消化器を傷つけている。また、原発の事故処理に携わった掃除人では、集団全体と比べて胃腸の病気になってしまう傾向がより一層強い―内部被爆の程度が甚だしく、より一層内臓がダメージを受けたと考えられる。そして、被爆した親および避難した親から生まれた子供の胃腸は病気になっている。本節ではストロンチウム90の害についても明言している。ストロンチウム90が骨芽細胞の前身となるものにベータ線を被爆させ、歯・骨の形成異常を起こすことに加えて、被爆によるホルモンの分泌異常によって歯・骨の成長に悪影響を及ぼしている(骨芽細胞と破骨細胞とのバランスが崩れ、破骨細胞の勢いが常に骨を作る骨芽細胞の勢いを凌駕してしまっており、これから体が成長してゆかねばならない乳幼児にとっては深刻な事態といえる)。胎内で被爆すると、ストロンチウムは胎児の歯と骨に取り込まれ、最悪、骨のないクラゲの奇形児(Jellyfish-Children)が生まれてしまう。そして、ストロンチウム90はベータ崩壊してイットリウム90となり、それが膵臓に蓄積することで糖尿病や膵臓癌の原因となっている(注1)―5年生存率が最も低い癌である膵臓癌は怖れるべきであり、また、米国人の国民病となっている糖尿病の原因として、原発大国アメリカの土壌にイットリウム90が存在し、乳製品を通じて微量に摂取し続けている可能性がある(肥満のせいだけではない。米国人の肥満は「原因」ではなくイットリウム90で膵臓が壊れた「結果」である可能性が高い。)。かくして、ストロンチウムが検出されたようなエリアに住むのは極めて危険だ。ストロンチウムが検出された神奈川県は放棄・閉鎖するしかない。
(注1)スターングラス博士「放射線と健康」 ttp://fujiwaratoshikazu.com/2011disaster/
5.9 Digestive System and Visceral Organ Diseases
消化器系の疾患は、汚染エリアにおける病気の主要な原因の一つである。(しかし)他の病気と比べて、放射能が起源であるがゆえに、これらの病気を確固として分類するのはより一層難しい。とはいえ、汚染エリアから収集されたデータはそういった結論のための確固たる基盤を指摘している。
5.9.1 Belarus
(1)汚染エリアで生まれた新生児では、消化器系臓器の奇形が増えた。
(2)1991年と比較して1996年には、Brest州における慢性胃炎は2倍に増えた。より少なく汚染されているエリアと比べて、ひどく汚染されたエリアでは、子供の慢性胃炎は3倍にまで増えた。
(3)Bragin市とBrest州のStolinsk区域のひどく汚染されたエリアから来た少年避難民135人の内、40%が胃腸の病気だった。
(4)1996年に検査された2535人の内、消化器系の疾患は、ティーンネイジャーの避難民における疾病率の第一原因であった。
(5) 消化器系の疾患は、1986年の4.6%から1994年の83.%へと増大し、Brest州のLuninetsk区域では疾病率の第二原因であった。
(6)1991-1993年にひどく汚染されたエリアの1033人の子供を検査したところ、有意に高い虫歯の疾病率と、歯のエナメル質の耐酸性の減退があった。
(8)胃腸の病理は、Cs-137の汚染レベルが1-15Ci/km2の所にいる子供の甲状腺の形態学的そして機能的な変化と結びついていた。
(9)大人および掃除人における消化器疾患は、汚染エリアでより一層見られた。1991-1996年で、集団全体の胃潰瘍は、9.6%に増えたが、掃除人の間では46.7%増えた。
(11)破局後10年にわたって、集団全体と比べての掃除人の消化器疾患は4倍に増えた。
(13)大人とティーンネイジャー2653人を検査したところ、急性B型肝炎・慢性C型肝炎・肝硬変の発症率は、より少なく汚染されたVitebsk州よりもゴメリ州の高汚染エリアで有意に高かった。1996年までにこれらの病気の発症率は、有意に増加した―掃除人の慢性肝炎は、1988-1995年と比べて1.6倍増えた。
5.9.2 Ukraine
(3)子供のときに被爆した母親から生まれた少女達において、早すぎる歯の萌出(歯が生えてくること)が観察された。
(4)汚染エリアでは、1歳児の虫歯がよくみられた。
(7)対照群と比べて、5-15kBq/m2のレベルで汚染されたエリアに住む子供達の間では、胃の粘膜の萎縮が5倍多く発生し、腸の異形成が2倍多く見られた。
(8)1987-1988年に、消化器官の機能上の病気が、避難民の子供において広がっていた。そして1989-1990年には、アレルギー・消化不良・胆汁の問題が流行していた。
(11)1993-1994年にはひどく汚染されたエリアで肝臓・胆嚢・膵臓の病気が有意に上昇した。
(14)1989-1990年に検査された掃除人の内、正常な胃と十二指腸の粘膜組織を持つものはたった9%だった。
(16)1990年に潰瘍と胃の糜瀾(びらん)が掃除人の60.9%で見られた。
(17)破局後、掃除人の膵臓の異常がエコー診断で見られた(表5.53)−膵臓の肥大・高エコー[慢性膵炎・前糖尿病状態としての膵脂肪沈着]・外形変化・膵胞性の変化・膵菅膨張等々。
(18)破局後7-8年に、掃除人の60%までが慢性的な消化器の病理を示していた。・・・最初の2.5-3年は、炎症が最もよく見られる症候群であり、次に無痛で糜爛性の出血潰瘍が続いた。
5.9.3 Russia
(1)汚染エリアに住んでいる子供とティーンネイジャーは、虫歯が有意に多かった。
(2)Voronez州で1986年以降に生まれた子供達の間では、歯牙腫が増加した。腫瘍は、女の子でよりしばしば発見され、複雑な形態が常であった。
(3)汚染エリアの子供には歯周病がよく見られ、破局後に生まれた子供でよく発生していた。
(4)汚染エリアにおいて胎内で被爆した子供達は、歯の異常になりがちであった。
(5)・・・破局前に生まれた236人の内、正常な歯列をしているのは32.6%であるのに対し、同じエリアで破局後に生まれた308人の内、正常な構造の歯をもっているのはたったの9.1%であった(表5.54)。
(10)消化器組織の非常に微細な構造上の変化が、掃除人に見られた―十二指腸の活動の停滞・十二指腸の未分化上皮細胞・胃の毛細血管における内皮細胞増加症・胃粘膜組織の線維症。
(15)歯のエナメル質の病理学的な侵食が掃除人の間で見られた。
(16)98人の掃除人のうち、98%が慢性歯周病にかかっていた―これは全国平均と比べてとても多い比率であった。
(17)慢性カタル性の歯肉炎が、検査された98人の掃除人の18%にあった。
(18)掃除人の慢性膵炎が、被爆レベルおよび脂質過酸化の程度と相関していた。
5.9.4 結論
チェルノブイリの放射能の結果として、消化器系の病気の発症率が増大したことは疑い得ない。Cs-137が容易に見つけられる汚染エリアでは、ストロンチウム90も付随していた―ストロンチウム90は、子宮内での成長の際に取り込まれ、歯と骨に沈着する。また、Sr-90は、ベータ崩壊してイットリウム90となるが、ベータ線は成長しつつある歯にとって有害である(そして、イットリウム90は、歯の統一的な健全性を弱める)。掃除人の間で消化器系疾患の発生率の迅速な増加があり、汚染エリアで生まれた子供達において消化器系臓器の先天的な奇形数が増加した。低線量被爆が何らかの方法で胃腸組織の上皮に直接作用している―胎内での成長の間だけでなく―という想定は証明されたように思われる。
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