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《プロメテウスの罠》研究者の辞表(9)暴力団からスカウト(朝日新聞)高汚染地域に住民放置は文科省の判断
http://www.asyura2.com/11/genpatu17/msg/802.html
投稿者 ジャック・どんどん 日時 2011 年 10 月 27 日 08:17:07: V/iHBd5bUIubc
 


研究者の辞表(9)暴力団からスカウト
現在、放射線量を測るモニタリングの定点は文部科学省が決め、日本原子力研究開発機構の研究者らが計測に当たっている。

 「研究者が単なる作業員になってるんですよね」。日本原子力研究開発機構労組(原研労組)の委員長、岩井孝(54)がいう。

 「定点で測るのもそれはそれで意味はありますが、それ以外に、線量の高い場所などを探して歩くことが絶対に必要なんです。そういう意味では研究者は歯がゆい思いをしていると思います」

 その歯がゆさを、辞職という手段で飛び越えたのが木村真三(44)だった。勤めていた労働安全衛生総合研究所に辞表を出し、縦横に動いて放射線を測定した。時には住民にデータを示して危険を説明した。

 やっと得た職を辞してまで現場に行く。木村が思い切った行動を取った背景には、おそらく木村の反骨心と独特の経歴が影響している。

 木村は愛媛県西南部、四万十川の支流に広がる広見町(現鬼北町)で生まれた。父は傷痍(しょうい)軍人の町職員で、厳格だった。母は保育園長。小学校から高校まで地元で過ごす。

 実は相当な不良だった。

 「小学3、4年のとき、いじめられている女の子をかばったら今度は僕が徹底的にいじめられたんです。中学に入ったときに思いました。こいつらよりもっとワルになったらこいつらをたたきつぶせる」

 授業に出ず、体育館の屋根裏でたばこを吸った。けんかもした。北宇和高校に進んでも同じだった。けんかに勝つため体を鍛えに鍛えた。177センチの身長にがっしり筋肉がついた。一時はプロレス入りも考えた。

 卒業間際には暴力団にスカウトされた。

 「お前やったら頭も切れるけん、うちに来い。舎弟分の事務所が松山にあるから、そこで1カ月修業して、それからうちに来い、と。就職の誘いは暴力団だけでした」

 父親は「お国のために死んでこい」といった。自衛隊に入れ、という命令だった。そのとき、木村は人生でし忘れていることはないかと考えた。そういえば勉強をやったことがなかった。大学に行きたいな。

 もともと天文学者になる夢を持っていて、ぐれてからも天体観測を続けていた。物理学を学びたい、と思っていた。父親は「お前みたいなやつに勉強する資格はない」と怒ったが、母親が「私がお金を出します」といってくれた。(依光隆明)

*2011.10.25朝日新聞朝刊
 
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研究者の辞表(10)伝える、それが救う道
異色の研究者、木村真三(44)の過去を続ける。

 大学行きは決めたが、学力はない。愛媛の山あいから出た先は高知市だった。市郊外にある予備校の寮に入り、自転車で予備校に通った。

 「一念発起して勉強しました。英語の偏差値は29から60まで上がりました。長文解釈が得意でした」

 友人が「山口県に東京理科大の短大ができる。そこなら理科大に進める」と教えてくれた。助言に従ったものの、当初は素行不良だった。

 「1年の夏休み明けに面接があって、進学したいって言うと、行けるところはないと言われたんです。そこでまた一念発起して。助教授に『生活改め表』を書けと言われて書いて、必死に勉強した。自分より成績の低い仲間が東京理科大への編入を決めていくのに反発し、国立に行く、九州工大を受ける、と」

 推薦をくれた教授が「お前は二部(夜間)で働く人の大変さを味わってこい」といった。合格し、九州工大の二部に3年から編入する。働きながら熱心に学ぶ人たちの姿は目からうろこの驚きだった。

 「これはほんとに勉強せんといけんなあと思いました」

 専攻は金属材料で、物理と化学の両方を学んだ。学内で技術補佐員の仕事を見つけ、昼は分子構造の解析プログラムをつくったりした。

 卒業が迫り、工業高校の教師を目指すか大学院への進学を考えていた。と、推薦状をくれた山口の教授から電話が入る。「お前、来週からうちの大学の助手だから。もう教授会で決まった」

 いや応なく山口に戻り、助手を務めた。1年後、大学院への思いが募り、石川県の北陸先端科学技術大学院大に。体内の薬物伝達を研究し、2年で修士課程を修了。博士課程は北海道大に進み、パーキンソン病のメカニズム研究で博士号を取る。

 妻の実家が会津の出ということもあり、木村は3月から福島に半ば入りっぱなしで内部被曝(ひばく)調査や汚染地図づくりに取り組んでいる。

 木村の信念は「研究成果は住民のもの」だ。仮に深刻な値であっても住民に知らせ、意味を説明することが人々を救う道だと信じている。

 だが、木村の考え方は多数派ではない。たとえば3月18日、日本気象学会は会員に研究成果の公表自粛を呼びかけた。「防災対策の基本は、信頼できる単一の情報に基づいて行動すること」が自粛の理由だった。(依光隆明)

*2011.10.26朝日新聞朝刊

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研究者の辞表(11)ピンポイントの指示
放射線衛生学の研究者、木村真三(44)らが福島に入った3月15日は、朝6時すぎに福島第一原発の2号機が破損、大量の放射性物質が放出されていた。

 原発から5キロの場所には11日夜に国の現地対策本部ができていた。しかし14日夜には2号機の状態を懸念して撤退方針を決める。同日夜から撤退を始め、15日午後には原発から60キロ離れた福島県庁に退いた。

 撤退組の一人、渡辺眞樹男(57)は福島県庁に移った後の15日夜に指示を受けた。「大変な事態になっている。測定に行ってくれ」

 渡辺は文部科学省茨城原子力安全管理事務所から応援に来ていた。指示された場所は浪江町山間部の3カ所。ピンポイントだった。神奈川北原子力事務所の車で現地に行き、午後9時ごろ放射線量を測る。数値を見て驚いた。3カ所とも高く、特に赤宇木(あこうぎ)は毎時330マイクロシーベルト。

 「いやもう、信じられなかった」と渡辺は振り返る。すぐ報告しようとしたが、携帯はつながらない。雨模様だったので衛星携帯も使えなかった。急いで川俣町の山木屋まで戻り、公衆電話から報告をした。戻る途中、点々と人家の明かりが見えた。まだ大勢の人が残っていた。

 「とにかく住民の方々に被曝(ひばく)をしてほしくなかった。線量が高いと報告し、早くこの線量を発表してください、とお願いをしました」

 実はこのとき渡辺は防護服を着ていなかった。県庁への撤退が慌ただしかったため、防護服の類は現地本部に放棄していたからだ。

 「不思議と自分のことは考えていないですよね。こんな時だからこそやらなきゃいけない、と」

 必死の思いで渡辺が伝えた数値は、しかし住民避難に使われはしなかった。文科省は16日にその数値を発表したが、地区名は伏せたまま。浪江町に知らせることもなかった。町は危険を認識せず、一帯に残る住民に伝えることもなかった。なにより官房長官は「直ちに人体に影響を与えるような数値ではない」と会見で述べていた。

 それにしても、なぜ対策本部は高線量の場所をピンポイントで知っていたのか。渡辺は言う。「ポイントをどなたが決めて指示されたのか、私もいまだに分かりません」

 元をたどると、指示は文科の本省だった。根拠に使われたのはSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測システム)。同省は汚染の概要をつかんでいた。(依光隆明)

*2011.10.27朝日新聞朝刊
 

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コメント
 
01. ジャック・どんどん 2011年10月27日 08:19:46: V/iHBd5bUIubc : A4GQ7o9O02
引用元を書き忘れてました。申し訳ありません。
《プロメテウスの罠》研究者の辞表(9)暴力団からスカウト〜(11)ピンポイントの指示(朝日新聞)
http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/c7b840d494d055d3ae6ffa11c68d5da2

02. 2011年10月27日 08:23:22: A4GQ7o9O02
〈プロメテウスの罠〉研究者の辞表(1)〜(7)(朝日新聞)
http://www.asyura2.com/11/genpatu17/index.html

03. BRIAN ENO 2011年10月27日 08:45:04: tZW9Ar4r/Y2EU : 2aMGYmhAyE
>指示は文科の本省だった。根拠に使われたのはSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測システム)。同省は汚染の概要をつかんでいた。

木村さんの知られざる一面を知ることができました。
人間らしい人間・・
本来の人間のあるべき姿を具現して行動されている方です。

いうまでもなく当たり前だが、
推進派御用学者とは、人間としての器が違います。
(もっとも、私は彼らを人間では、ないと思っている、人間の容貌をした何か別の生き物と思っているが・・)


04. 2011年10月27日 09:18:09: 3pqnpVtWMo
長文引用コメント御免。

例えば、九州で生産されたものでも、汚染された肥料飼料(牛糞、魚粉、海草、籾殻、稲わら、米ぬか)を使った場合、汚染される可能性があります。本当に日本では安全な食品はなくなっていく印象です。
アルミ缶汚染の指摘には、ハッとして気づかされます。橋脚、中古車や工場生産された生理用品を考えれば、汚染されていることは間違いようがありません。


Column from one of our correspondents
東京近郊の横浜にあるマンション屋上から ストロンチウムが検出されました。
でもこのニュースは日本国民にとっては悪夢の序章にしかすぎません。

東北の食材を食べて応援しよう、というスローガンを掲げる農林水産省の担当者は、「ストロンチウムは原発から30km以遠は飛ばない」
との仮定のもとに、セシウム300Bq/kgの飼料および400Bq/kgの肥料、そして100Bq/kgの養殖魚飼料を「全国に」解禁してしまいました。

汚染された地域で生産された畜産飼料、肥料が全国に流通し、国土の汚染は政府の号令のもとに、さらに人為的に拡大されます。

つい先日も、日本の最南端の沖縄、今現在私が疎開している沖縄県にすら、セシウム17500Bq/kg以上に汚染された腐葉土が流通し、すでに消費され、いまだに全部回収できていません。

全国で生産される食品は汚染の危機に瀕しています。
驚くべきことに、農林水産省は、牛において3000Bqの飼料を食べさせることを公式に許可しました。その牛は、例えば、九州に移動し12ヶ月以上、300Bqの飼料を食べさせれば出荷が可能になります。そのときの「産地表示」はどうなるのか、
あなたはご存知ですか?

さらに恐ろしいことには、すでに3000頭以上の汚染牛、および汚染疑い牛が市場に流通しており、その多くがすでに国民に消費され、極一部は回収されましたが、それはあくまで「精肉部分」の回収であり、汚染牛の「骨ガラ」が回収されていないのです。
私は直接厚生労働省に確認しましたが、回収どころか業界への通達もしていないとの回答が帰ってきました。

この問題は日本ではタブー視されているのか、どこのメディアも触れていません。
汚染牛の骨ガラは、その後、「肉エキス」「ブイヨン」「骨エキス」「ゼラチン」「牛脂」、多くの加工食品に使用されます。骨炭は砂糖等の精製にも使用されます。
カレーやシチュー、ラーメンや、ソース、フライドポテトの揚げ油やアイスクリーム等、多数の食品に利用されています。
もちろん、医療用にも工業用にも肥料、飼料にもそれらは活用されています。

そこで考えてみてください。
ストロンチウムが一番蓄積される場所はどこと言われていますか?
私たちは骨ガラからできる加工品を、知らないで食べさせられているのです。
そして汚染地域から移動した家畜は「牛」だけではありません。。

沖縄県に避難中の私たち母子は、先日ブラジル産のチキンを購入しようとスーパーに行きました。
味付け の された チキンが そこにありました。
そしてその原料の中には「肉エキス」が含まれていました。
この肉エキスについて、消費者には、汚染牛が混入してるか否かを調べる術はありません。

アルミ缶の汚染も深刻な問題となっており、汚染されたアルミの放射性濃度を下げるために、汚染されていないアルミで薄めるなど、とんでもないことが行われていることを知り、その問題についてメーカーの表示が何もなされていないために、私は輸入ビールしか飲んでいません。

私たちは政府の愚策(もしくは未必の故意)によって、知らない間に内部被ばくさせられています。
環境省は、汚染瓦礫を日本全土に送り、そこで焼却処理させることを決定しています。
私たちは日本のどこにももう逃げるところを見つけることができません。
http://fukushima-diary.com/2011/10/column-of-correspondent/


05. 恵也 2011年10月27日 16:52:07: cdRlA.6W79UEw : Kwb2tfYUBo
>> 文科省は16日にその数値を発表したが、地区名は伏せたまま。浪江町に知らせることもなかった。

この行為は福島県民に対する「傷害罪」「殺人罪」に値する。
文科省内部で地名を伏せた氏名不詳の官僚は、殺人罪で告訴すべき。
こいつは懲戒免職の上、刑務所送りだ。


06. 2011年10月27日 17:48:38: LVGUoYfJIw
05のいう通り、これは重大な犯罪だ。今後とも絶対に追及の手を緩めるべきでない。

07. 2011年10月28日 14:48:46: 03bw0jfJsI
05.06>さんに賛同します。


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