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2011年10月19日(水) 茨城新聞
http://ibarakinews.jp/news/news.php?f_jun=13189494243075
小宮山洋子厚生労働相は18日、北茨城市内の子育て支援施設を視察に訪れ、東京電力福島第1原発事故に伴う子どもの健康調査について、「県境を越えてどういう形でしっかりできるか、市や県と相談してできるよう努力したい」と述べ、本県での実施を検討する意向を明らかにした。しかし、県はこれまでに「本県の空間放射線量は福島県に比べ非常に低いレベル。現時点では健康調査を実施する必要ない」との考えを示し、健康相談の充実・強化などを通して「県民の健康に対する不安を少しでも解消できるよう努めたい」としている。
小宮山氏の視察は同市中郷町の「中郷こどもの家」で、被ばくの不安を抱える被災地住民との対話を目的に実施。約70人の母親たちが参加した。
母親からは「子どもに健康診断をしてほしい」「甲状腺の検査をやってもらいたい」などの健康調査実施の要望が相次ぎ、小宮山氏は「(原発から)75キロメートルということで、県境を越えても健康診断を行い安心して子育てしてもらいたい」と説明した。
視察後、小宮山氏は記者団に、健康診断の範囲や時期については今後、専門家の協力を得て検討する考えを示し、「福島では子どもの健康の基金を積んで全体に健康診断をする計画がある。(茨城でも)健診をしてほしいという声があったので不安を払拭(ふっしょく)したい」と強調した。
早期復興支援を要請した豊田稔同市長も健康調査について「市民の不安を取り除くためであれば国でぜひやってほしい」と話し、同市関本町の母親(28)は「健康調査を検討するのではなく、やりますと言ってほしい」と訴えた。
だが、県は現時点では「必要ない」という姿勢だ。空間線量が高い福島県で実施された3千人余りの検査結果でも極めて少ない被ばく線量だったことや、複数の放射線被ばくの専門家からの「健康調査は必要ない」との意見を踏まえ、実施する考えがないことを示している。
その上で、県は「強い不安を持っている方が多いことは認識している」とし、保健所などでの健康相談の充実・強化、環境モニタリング結果や国からのきめ細かな情報の提供、正しい理解を得てもらうための講演会を開催することで「県民の健康に対する不安の軽減策に努めたい」としている。
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