http://www.asyura2.com/11/genpatu17/msg/606.html
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総合資源エネルギー調査会に関するブログで、非常によく書かれているものを見つけましたので、そのご紹介です。動画が幾つか張り付けられていて、結構貴重な資料です。できればリンク元の記事をお読みください。
http://blog.livedoor.jp/hardthink/archives/51885410.html
2011年10月19日
総合資源エネルギー調査会とコスト等検証委員会の本質 — 国の委員会での決定に任せたままで良いのか?
1ヶ月前に話題となった鉢呂前経産相の辞任劇の原因は、この総合資源エネルギー調査会の委員会のメンバーが原因であったと一部では明らかにされています。
「放射能をつけちゃうぞ(報道機関によって表現は異なる)」という発言が鉢呂氏の辞任の原因であったと思われている人は、真偽は別として下記をご覧頂ければと考えております。
(参考)ニュースの深層: 当事者が初めて語った「放射能失言」の裏側!鉢呂経産大臣は原発村を揺るがす「原発エネルギー政策見直し人事」の発表寸前だった
ポイントは、総合資源エネルギー調査会 基本問題委員会の経産省が選出したメンバー構成が、原子力推進派が15人中12人もおり、原発反対派は3人しかおりませんでした。
この委員会は法律に基づいて設置された委員会で、民主党政権が倒れた後も有効になるため、官僚にとて最重要な会議であると位置づけられているようです。
鉢呂氏は、このメンバー構成ではあまりにも偏り過ぎであると指摘し、官僚に対してせめて半分半分にするべきで、メンバーの見直し(具体的なメンバー構成)を経産官僚に指示し、発表直前であったそうです。
鉢呂氏の辞任後、私はこの総合資源エネルギー調査会 基本問題委員会のメンバーがどうなるかを注目しておりましたが、結果とし、枝野経産相は5人の原発反対派を追加したに留め、22人中8名が原発反対派で、残り14人もが原発推進派と極めてバランスの悪いメンバー構成となってしまいました。
(参考ニュース)ビデオニュース: 総合資源エネルギー調査会に反原発派ら5委員を新たに任命
この委員会のメンバーは以下の通りです。
(基本問題委員会委員)
三村委員長、阿南委員、飯田委員、植田委員、槍田委員、枝廣委員、逢見委員、大島委員、柏木委員、橘川委員、河野委員、榊原委員、崎田委員、高橋委員、辰巳委員、田中委員、寺島委員、豊田委員、中上委員、八田委員、伴委員、松村委員
何よりも驚きなのは、委員長となった三村明夫氏は、これまでも同委員会の委員長を歴任しておりました。この三村明夫氏こそがこれまでのエネルギー政策の会議の委員長であり、ある意味では原発事故を引き起こした一つの要因であるとも言うことができます。
会議の模様は全て公開となっており、ニコニコ動画で全2時間がアーカイブされており、興味のある方はご覧になってみて下さい。
(参考動画)ニコニコ生放送: 総合資源エネルギー調査会〜基本問題委員会〜
(2時間かけて視聴するよりはこの後の動画を参照下さい。)
私が最も違和感を感じたのは、およそ2時間の会議で、22名が話す時間を与えられたのは僅か3分。何かを決めるような会議にもなり得ませんし、議論すらできない環境でした。
事務局である経産省官僚が冒頭で述べた事は「時間厳守」であり、中身の議論をするよりも時間通りに会議を終わらすことでした。
国民側の視点で重視するのは、「時間厳守」よりもプロセスのある議論であり、その議論から導き出された結論です。
鉢呂氏は、半分半分にしろと経産官僚に命令し、大臣の辞任劇によってうやむやにされ、変わって就任した枝野氏は、単純に少し原発反対派を少し追加したに過ぎません。人数を増やしたこと、そして原発推進派の人数が倍近いことからも、経産省が議論させないようにコントロールしたとも考えることができます。
飯田哲也氏は、与えられた3分の中で、議論をする以前に三村氏の委員長起用について、「国民の目線からみて、痛くもない腹を探られる」と切り込み、この委員会での決定事項が本当に正しい結果が得られたとするには無理がある、と牽制しました。
枝野経産相はこの飯田哲也氏の発言を受けて「経験や年齢も考えて、三村さんが良いと判断した」とこの委員長の就任に対する理由はあいまいなままでありながらも経産相の判断であることを明言しました。
結論だけ先に言うと、経産省は絶対に「原発推進」への手を緩めておりません。鉢呂氏の辞任劇も、この委員会のメンバー構成も、会議の進め方も、すべて原発の維持/推進が目的であると言う事ができます。
この委員会の議事録を見ると、相変わらず、誰が何を言ったのかが全く残っていない、無価値で無意味な議事録がWebで公開されております。
(参考)経産省: 総合資源エネルギー調査会基本問題委員会(第1回会合)‐議事要旨
官僚が都合の良いように会議を進め、官僚に取って都合の良いように議事録を書かれてしまってはどうしようもありません。
(参考)官僚の権力を検証〜あまりにも報道と違う内閣府の議事録
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一つお勧めの動画があります。
国家戦略を決めるためのエネルギー・環境会議の下にコスト等検証委員会というのがあります。この会議においても官僚は意地でも原発コストが一番高いことを何としてでも隠そうと、大島血祭り委員会と呼ばれているとこの動画の中で言及されております。
原子力発電所を推進する上での合理的な理由はそもそも3つあり、安全、安価、環境に良い、この中で、安価以外の理由については、今回の福島第一原発の事故によって全て吹っ飛びました。
過去にこの安価という理由についても、実際には原発には様々なコストがあるため、そもそも一番高いことを指摘しておりました。
(参考)原発のコストは元々一番高かった
10月7日の第1回会議では、何としてもこの原発が安いという理由付けだけは抑えたい、その目的のために、この会議においてもとてつもない発言が出ております。
(参考動画)コスト等検証委員会
@ 原発事故で発生したコストを原発の発電コストに含めるのは感情的である
原発事故などまるで無かったような発言すらが出ております。まるで原発事故はたまたま発生したとでも言うのでしょうか。
A 原発の発電コストは事業者のコストのみにすべきである
原発交付金や核燃料サイクルや核廃棄物のコストなど、多額の税金によって支えられてきたのが原発の発電コストであり、こういったコストは国民が払ってきたもので、これからも、未来もかかってしまうコストであると言えます。こういったコストを入れないことで原発の合理性を担保しようというのではこの会議自体の意味すら無くなってしまうことを自覚すべきと感じます。
B 原発のコストを高く見積もることは全世界の原発を否定することになる
東京工業大学の柏木教授が発言した言葉です。
世界からの視点という単語を使い、圧力をかけています。恫喝に近い発言であると言えます。世界の原発推進国がどうであるかはこの会議では無関係であり、日本でのコストがどのようにかかってきたかを明らかにすることが目的であり、全く必要の無い発言です。
このような発言は、全て民意から外れており、政治家が公の場で同じ発言をすれば間違い無く叩かれるでしょう。何故、メディアがほとんど報じていないのか、疑問を持たざるを得ません。
かねてより原発のコストを電力会社の有価証券報告書から算出し、原発が水力発電よりも高いことを示してきた、立命館大学教授の大島堅一氏は、国民側のコストとして全てを検証すべきであると発言しておりますが、この発言に対してその後の委員からの反論は全てとても許せるような内容ではございません。
(参考動画)国家戦略室:コスト等検証委員会
(参考)国家戦略室: 第1回コスト等検証委員会 議事概要
(※ これまで紹介した議事録の中で最もしっかりと書いてある議事録です。)
特に、山名元氏(京都大学 原子炉実験所 教授)のコメントはこちらにしっかりと残して置きたいと思います。お時間の無い方は、こちらだけもお読み頂ければ十分だと思います。
(保存用)
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○石田内閣府副大臣 山名委員、どうぞ。
○山名委員 私も原子力の専門家の1人として一言申し上げたいんですが、今回の福島の事故というのは、勿論これだけの被害を出して、極めて大きな社会的インパクトを与えている何か問題があったというのはたしかです。その問題には、事業者側の問題、政府の安全規制側の問題、あるいは原子力技術業界自身の問題、さまざまなものが入っているわけです。ただ、これは1つのこれぐらい鮮烈なインパクトを与えているからして、この技術が世界で最低の技術であるから、それに見合うコストを付けろという要求のように見えるんですが、それはちょっと感情的に行き過ぎている。やはり原子力というのは、これからまさに白地の土俵に乗せて、火力や再生可能エネルギー等と並べてどう組んでいくかという議論をするんですから、この原子力を安全サイド、規制サイドを全部直した上できちんとしたものにして、さてこれがどれぐらいお金がかかって、どう国にとってメリットが出るかという議論が今、求められているわけですから、そういう視点でまずコスト評価というのは粛々とやるというのが最も大事だと思います。 ここに書かれている要求の中で粛々とやれるものが幾つか入っていると思いますから、それは原子力委員会で検討していくことになりますが、福島の事象に余りにも感情的に反応して、それをコスト評価の中に入れるような姿勢というのは、この場では適切ではない。それは原子力委員会に粛々と冷静な評価をしてほしいということを要求することが一番大事であると思います。 それから、ここに書かれている要求事項は、原子力ではなくて、すべてに関わることです。火力や再生可能エネルギーにも同じことが求められる。例えば先ほどのリスクの話をしますと、太陽光パネルが東京都に 2,000 万 kW 設置されたとします。東京都に大地震が来て全部壊れたら、そのリスクはカウントするという話は当然出てきますね。津波で火力発電所がやられてもそうだと、そんな話になってしまって、そうすると比較ができないんですよ。だから、ある程度のところできちんと公平な比較ができるような土俵を引くというのがここのスタディのやり方だと思いますので、そこは是非よろしくお願いしたいと思います。
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私の結論は以下の通りです。
@ 様々な委員会は「原発推進」もしくは「原発維持」の結論ありきで進めてられている。
A 多少反原発のメンバーを加えてはいるものの、むしろそれはしっかりと議論したという証拠を作ることだけが目的であり、実際に議論されたかどうかが目的ではない。
B 論理的かつ合理的な議論の上で結論が出される可能性が少ない。
これまで示してきた通り、国(政治家、霞ヶ関行政)の意思は明確に原発推進もしくは原発維持であり、このような大事な決定事項に対して、民意も反映されていなければ、合理的な議論すらなされておりません。
このまま国(政治家、霞ヶ関行政)に任せているだけでは、脱原発だけでなく、日本の国が官僚主導によって悪くなる一方であると言えます。
次回は、それでは国民側がどうすれば良いのか、改めてしっかりとまとめてみたいと思います。
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