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これからの生活の設計のために(2) 宮城県と山形県
http://takedanet.com/2011/10/post_055d.html
平成23年10月17日 武田邦彦(中部大学)
宮城県に比較すると山形県のこれからは設計がしやすい。山形は奥羽山脈が自然の要害となって放射性物質の流れを止めた。
奥羽山脈は東北の中心を南北に伸びる山脈だが、福島と山形を分けるところには吾妻山系と蔵王がある。吾妻山系は地元にも親しまれているなかなか大きな山だ。その後、山形県の北部の山形市には宮城を迂回した流れがあり、現在では弱い汚染が見られるが、山形県の大半は汚染されずにすんだ。
このことは山形の人はもとより、福島の人にも朗報である。福島から逃れるときに山形という目と鼻の先に汚染されない大地が拡がっているのだから、山を越えれば汚染されていない大地が待っている。その意味で、今後も山形を汚染しないことが福島、宮城の人にとってもとても大切だ。山形にはぜったいに汚染物質(瓦礫など)を運び込まないようにすることだ。
福島の人の被曝を減らすためには福島の森林の枝を切り落として焼却することだが、山形の場合は、雪解け水が田んぼに入らないまえに危険な山林は枝を伐採して焼却しておく必要がある。来年の春からの水で山形の大地が汚染されないためだ。
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それに比べて宮城は難しい。福島ほどには汚染されていないし、そうかといって0.125(法律の限界は外部だけで0.11)以上ある場所が宮城の中央部をグルッと囲んでいる。どこからでも中央部に進出する構えである。なかなか大規模に放射性物質の進入を防ぐことも難しい。従って、宮城県はいそいで細かいマップを作り、ホットスポットの位置を覚えて、生活の中でできるだけ近づかないような工夫が必要となるだろう。
以上をまとめると、1)山形は必死で汚染を食い止める、2)宮城は県庁が頑張って細かく対策を練る、ということに尽きるだろう。宮城の場合はもっとも汚染されているところで0.25だから2ミリ程度になり、まずは我慢できる(法律は1年1ミリだが、5年間で回復ができるから)範囲に収まるだろう。
仙台で生活している人は、1)できるだけ北の方で生活をすること、2)食材、特に魚を食べないこと、3)新米を警戒すること、4)幼児、妊婦も含めて移動は必須ではないこと(急に移動しなくても良いこと)、5)ときどき汚染されていない山形のどこかで遊ぶこと、などが大切と思う。
農家や漁業の方は、日本の子供の健康が万が一にも損なうことがないように、1年1ミリ(食材は1キログラム40ベクレル以下)を守ってください。この根拠は、宮城の場合、外部線量で0.4ミリは行きますから、水で0.1、粉じんで0.1とすると、残りの0.4を食材にあてるので、ほぼ40ベクレルが限度になります。
政府は500ベクレルなどを基準にしていますが、理由は「食材が無くなるといけない」ということですが、この際、そんな理由に従わず、法律を守って同じ日本人として東北の子供を大切にしたい。
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