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【被曝対応・日本とベラルーシの落差】
日本人の多くは旧ソ連邦のベラルーシを知らないだろう。現在ウクライナの北側に位置する国である。すなわち、チェルノブイリ大被曝をまともに受けた地域である。86年から悪戦苦闘しながら被曝に立ち向かってきた研究所の専門家が訪日、10月12日午後、日本記者クラブでベラルーシの被曝対応を明かした。実は、筆者はこの会見に出なかった。ところが、偶然、その会見をネットで見ることが出来たのだ。
ネット音痴だから、正に偶然が幸いしたものである。マスコミ報道と全く違う会見だったことに驚いて、今こうして執筆している。日本とベラルーシの落差に愕然とするばかりである。
それは、お上を全く信用しない、自立したベラルーシの民間人の強さを印象付けていた。チェルノブイリは86年だ。この民間の研究所の設立は4年後の90年である。日本も、善良な科学者が決起して福島問題に対応することが求められている。
【お上任せの日本】
どこの国の官僚も同じである。お上は真実を伝えない。嘘と隠ぺいで責任を回避する。旧ソ連のベラルーシも、官僚政治の日本も同様である。炉心溶融を2カ月後に公表した日本政府と東電、プルトニウムなどの飛散は6カ月後である。
炉心溶融した大惨事の実態を政府・東電、そして原子炉メーカーの東芝も蓋をかけたままである。
被曝線量にしても、すべてお上任せの日本である。住民は怯えながら政府・自治体の無責任な指導・指示に全てを委ねている。婦女子の健康問題にしてもそうである。
日本の戦後民主主義の実態が、表面化しているのだが、人間の生命・運命を無責任の塊であるお上に委ねていいわけがない。安全神話を垂れ流してきた科学者の中に覚醒する人物が、一人も現れないという日本に衝撃を受けるばかりである。不甲斐ない被害者・被曝者にもあきれる。
【自立した民間主体のベラルーシ】
25年後も放射性物質と戦うベラルーシの教訓を学ぼうとしない、依然として政府・自治体・東電・東芝の加害者に任せる日本でいいわけがないだろう。情報の開示がなされていない日本でいいのか。
ベラルーシの科学者は、責任を感じて立ち上がった。そして民間の研究所を立ち上げた。ベルラド放射能安全研究所である。ウラジミール・リベンコ副所長が記者会見で解説したことは、日本と日本人への警鐘である。辰巳雅子さんという正直な通訳も幸いした。
副所長は「一番厳しかったことは、当時の政府官僚との戦いだった」と告白した。嘘と隠ぺいで責任逃れをするお上が、最大の壁だったというのである。こうした認識をする市民こそが、自立への生きる道を歩めるのである。
日本の科学者や被曝者への痛烈な警告なのだ。日本との落差である。
「ついで大量の線量計をつくり、沢山の測定をすることだった」のだが、日本ではこれもお上任せだ。不都合なデータは公表しない。ベラルーシの市民は、それを自分たちで乗り越えたのである。正しい汚染地図は、こうして作成された。
筆者は3・11のあと自民党の森英介元法務大臣に会い、政府の対応を尋ねたのだが、彼の怒りは「文科省が全く汚染測定をしていない。ひどすぎる」というものだった。素人目には「当然やっていること」と思っていたのだが、被曝を心配していた工学博士は、測定しない政府に怒っていたのである。
正確な放射能汚染地図はまだ完成していない。大量の線量計もないのだから。それをお上はやらせないのだから。違うだろうか。それに唯々諾々と従う子羊のような日本人である。
「食品の汚染測定を徹底してやっている。内部被曝の元凶だからである。市民が持ち込んでくる食品を無料で」「96年には370カ所のセンターを立ち上げ、住民と連携して汚染実態と汚染食品のチェックをしてきた」というのである。お上任せにしないベラルーシの人々の対応はお見事である。
【子供も自立させる】
「国家はもともと秘密主義だ。情報がなければ問題はないと。我々は食品を測定し、内部被曝を回避するために子供たちの人体測定を優先して継続してきている」
「300カ所のセンターで45万人の児童の測定をした。体内から大きな数値を検出した。彼らにサプリメントを提供する体制も用意した。この結果、ウクライナよりも3分の1の値段で製造することが出来た」
何事も他人任せの日本と違う。困ると「政府の責任」とわめく政党・政冶家と自治体の日本では全くないのだ。
研究所のデータを全て住民に共有させる。放射能教育にも熱心だ。自立させるのである。「食品の調理方法、土壌改良、生活の仕方などを、研究所は巡回して住民に学んでもらっている。そうして汚染地図を自分たちで作成している。子供たちにもキノコや牛乳を持ち込ませて、研究所で測定させる。彼らに内部被曝の怖さを学ばせている。どこのキノコが危険か、どこの牧草を食べている牛乳が安全かを自分で学んでいる」
これはすごい。大人だけでなく、児童にも放射能と立ち向かう能力を学ばせているのである。自立するベラルーシの子供たちなのだ。
【日本の数値は驚き】
時事通信は、このすばらしいベラルーシの教訓を記事にしなかった。日本の食品その他の安全基準が高いことに「驚いた」という部分だけを記事にした。確かに、それもそうである。お上と責任逃れの御用学者が公表する安全基準には、とてもではないが正当な数値とはいえまい。
ベラルーシの民間研究所の責任者の驚きは、日本国民の驚きなのだが、それゆえに日本人は自立するしかないのだ。日本にも湯川秀樹のような良心的科学者はいないのか。
良心的な科学者と一握りの経済的利益を手にした資産家が出てくれば、日本もベラルーシになれるのである。イカサマ情報の垂れ流しするマスコミに翻弄されることもない。
依然として日本人の資質が問われているのである。
2011年10月14日10時05分記
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