18. 2011年10月13日 21:45:13: iugi9VZb0A
ストロンチウム90は身体の骨に沈着するので、実行半減期が15年と長いのです。しかも、骨髄被曝の原因にもなるので、危険度も高いのです。ただし、日本には1964年以来、中国の核実験で環境中に大量に放出されたストロンチウムが大量に降り注いでいるにもかかわらず、幸いなことにそれによって劇的にガン患者が増えたということもありません。これによる日本人の内部被曝線量は、レベルD(2〜10ミリシーベルト)でした。 福島県でのストロンチウムの環境汚染は、セシウムの10分の1以下と想像しますので、線量はより少ないと考えられますが、今後の確実な調査が求められます。 プルトニウム239は骨格、肝臓に沈着した場合の実行半減期はそれぞれ100年と40年です。 すなわち、いったん吸収されると、生涯にわたり体内にとどまるので、高線量の内部被曝は危険なのです。 とくにプルトニウムから発せられるアルファ線は本来、非常に透過性が低い放射線で、紙1枚で遮蔽することができ、また飛んでもせいぜい数センチ程にしか影響を与えない性質なのですが、これを体内に取り込んでしまうと、取り込んだ細胞周辺だけが集中的にアルファ線照射を受け続けることになってしまうため、非常に厄介なのです。 しかし、今回の福島原発事故では、遠くフェンスの外にまで大量のプルトニウムが飛散している訳ではありませんし、これから状況がどう悪化したとしても、これ以上プルトニウムが放出されることはありません。 ウランが核分裂した結果生じる生成物はおよそ200種ほどもありますが、半減期が秒単位、分単位と短いものが多く、その多くは水素爆発以前に消滅しています。また、他の物質と反応せず、体内に蓄積されない核種もあります。実は核種の特定という作業はとても時間がかかるもので、測定器のスイッチを入れれば即時に判定できるというものではありません。ですから、あまり詳細な測定をすることは現実的とはいえないのです。 そこで、ヨウ素131、セシウム134、セシウム137を主要3核種と呼んで、こういう場合の検査の目安としています。ヨウ素やセシウムは軽く飛び散りやすい上に、水溶性であるために人間の体内に摂取されやすいので、この3つの核種の飛散した量が危険な水準でなければ、他の放射性物質についてはほとんど心配する必要がないのです。 一部の報道などでは放射性プルトニウムの危険性が強調されていますが、プルトニウムは極めて重い物質であるため、遠くに飛散することはありません。 福島第一原発でも、発電所の敷地内や破壊された建屋の中であればプルトニウムも検出されるかもしれませんが、私が2011年の4月10日に福島第一原発を調査に行った時点では、フェンスのすぐ外側で測定しても、プルトニウムが放射する強いアルファ線は検出されませんでした。 また、未曾有の核災害は中国、シルクロード楼蘭遺跡周辺の東トルキスタンにこそあります。これは中国政府による楼蘭核爆発災害です。 しかもこの悲劇は、世界の目から長年覆い隠されてきました。世界中を調査してきた私の研究でも、これ以上の悲劇はありません。 被害者である現地の住民たちには、世界中からの支援が全く届いていないのですから。 毛沢東ら中国共産党政府は、昭和39年(1964年)の10月、東京五輪の真っ最中に、楼蘭遺跡の近くで最初の核実験を行いました。 プルトニウムの塊が核分裂し、直径180メートルの大火球が砂漠を覆ったのでした。それ以降も、メガトン級の大型核弾頭を含む多数の核が、シルクロードで炸裂しました。しかも、周囲に暮らす先住民族のウイグル人たちに対して何ら安全策を講じることなく、核爆発を隠蔽しながらの強行でした。 私は2000年に東トルキスタン(新疆ウイグル自治区)と接する隣国カザフスタン政府からの要請で、国境の町における中国の核実験からの核の灰の降下による健康被害を調査しました。それ以来ずっと、ウイグル人の被害を秘密裏に研究しています。2008年に「中国の核実験」として報告し、翌年、英語とウイグル語による翻訳版を出版し、世界がこの問題を知ることとなりました。 中国政府は平成8年(1996年)までに、楼蘭遺跡周辺で、延べ46回、総爆発威力およそ22メガトン(1メガトン=100万トン)の核爆発を行っています。この総威力は広島への核攻撃の実に1375発分にも相当します。これにより、作家井上靖らが描いた歴史ロマンの地は核の砂漠と化してしまいました。環境に放出された放射能の総量は実に4000万エクサベクレルであり、これはチェルノブイリ原子炉災害の約2000万倍の数値です。 その結果、私の核爆発理論から推定した急性死亡者の数は、3発のメガトン級地表核爆発で19万人にも達しています。しかしその推定などは控えめなくらいで、漏えいした機密情報によれば75万人が死亡したとされているのです。 その死者の中には、核実験で敵役の部隊を演じた人民解放軍の兵士たちの被害も含まれています。いわゆる‘ニュークリア・ソルジャー’ですね。戦時下でもないのに、核弾頭を炸裂させて味方のはずの軍人や民間人を大勢、虐殺していたのです。 日本のNHKは楼蘭周辺での核実験を知りながら、1980年代に大型企画番組シルクロードの現地取材を行い放送を続け、さらにビデオの販売を続けました。そのため、番組に誘導された日本人、推定27万人が、まだ核爆発が繰り返されていた期間に、現地を観光しています。 当時、実際に現地で核爆発を目撃した青年もいます。中国西域の観光から帰国した後に「白血病」、「肺がん」、「悪性リンパ腫」を発症したという方やそのご家族から情報が寄せられ始めています。 1964年から1980年にかけて放射能を帯びた核の黄砂が4000km離れた日本列島の全土に降り、環境中にある放射線が顕著に高まりました。米や野菜などの農作物の他、牛乳が放射能汚染し、食物連鎖により長年の間に日本人の体内中に取り込まれたのです。 日本人の死体解剖の骨格に含まれる、放射性ストロンチウムの放射能は放射線医学総合研究所で分析され、胎児、幼児、成人から顕著に検出されています。 文部科学省の研究費を得て私は国民の体内の放射性ストロンチウムの線量評価に関連して平成21年から3年間、研究を続けています。中国から飛来した核の黄砂による内部被曝は、多くの国民で数ミリシーベルトとなりました。この線量値は、2011年の福島20km圏内の住民6万人の放射性ヨウ素による甲状腺線量と同じレベルです。 核の黄砂により内部被曝した日本人が仮に1億人とすれば、その影響の大きさは、福島のおよそ1700倍も大きいのです。 私たち日本国民全員は、隣国からの核の黄砂で、昭和の時代から長年にわたり迷惑を被ってきました。平成の今、同レベルの線量であるのにもかかわらずマスコミで福島の恐怖を煽っている人たちは、何ゆえか昭和時代の核汚染には目をつぶり、中国の核実験に沈黙しているのは政治的意図があるものと受け取られても当然でしょう。 私としては放射線衛生上、世界のどの核災害も客観的科学的に調査をし、線量の絶対値を計測するとともに、それぞれを比較し、相対的な影響の度合いを調べています。 昭和の列島全体と平成の福島原発周辺の内部被曝は同レベルで、どちらも健康への影響は無視できるレベルです。その放射能のせいで、だれも禿げないし、白血病にもならない、ガンにもならない、寿命は短縮しない、遺伝影響もないのです。 平成23年の民主党政権の大臣の多くの骨格は、他の日本人と同じように中国産のストロンチウムで汚染されています。政権の寿命は短いと誰もが予測するでしょうが、人としての寿命は必ずしも短くはないと私は科学的に判断しています。おそらくどなたも、天寿を全うされることでしょう。 ただし、シルクロードの現地の人々と、核爆発期間中に現地を観光した日本人たちは、致死リスクを含む影響があることを知らなくてはなりません。 放射線防護学研究者談 |