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核燃料の状態は本当に分からないのか
福島第一原発事故は未だに収束しない。その原因のひとつは核燃料の状態が分からないことだ。圧力容器に留まっているのか、それとも格納容器へ漏れ出ているのか、または格納容器の外へ出てしまっているのか、それが分からないのだ。
しかし本当に分からないのだろうか。原子炉建屋に入れなくても次に述べるような幾つかの方法で解明が出来るのではないだろうか。
1.原子炉内の音を聞く。海が側にあるからそこからのノイズを取り除く必要がある。沸騰がどこで起こっているかを確認することで核燃料の位置の推測ができる。
2.原子炉建屋上空でエアロゾルを収集し、核種分析をする。これは実際にやられている様子だ。しかし、核種分析をすることで、核燃料の状態が推認できるはず。放射性の鉄やカルシウムがエアロゾルで出ていたら確実に格納容器が破られているということになるのではないだろうか。それとも、酸化鉄や酸化カルシウムなどは検出できないのだろうか、よく分からない。
3.原子炉建屋の横に20m程の鉄管を打ち込んで、地中の放射能汚染を調べる。既に原発の土台にまで核燃料が溶け落ちているという話もある。もし、土台を突破しているなら周囲の土壌に核物質が拡散しているはずだからこれで確認ができる。外径が10cm程度の鉄管なら数日で杭打ちができるはずだ。
4.顔料を混ぜた水を注入して、それが海へ漏れていないか確認する。核燃料そのものの確認とは関係ないが原子炉の水漏れの状況が確認できる。
その他にもいろいろやりようはあると思う。水の蒸発量から発熱量が推測でき、核燃料の状態がある程度は分かるはずだと思う。
いずれにしろ今の状態は全てがあいまいだ。あいまいなままなんとなく大丈夫という雰囲気が作られつつあり、日本全国の原発の停止どころか運転再開へ向かってしまう可能性が強い。そして、福島第一原発事故の収束が10年も20年もかかり、東電や原子力村の人たちの責任があいまいなままにされ、次の原発事故が起こって日本全体が壊滅してしまうというシナリオだ。原発推進側の責任追及はされないが日本全体が滅びることになる。まあ、地球規模で核燃料の処分場が出来たと喜ぶ連中はいるだろうが。
考えて欲しい。福島第一原発事故は150km以上離れた場所での地震で少なくとも1号基は原子炉が壊れたのだ。今後日本各地にある原発の直下でマグニチュード6を超える地震が起き、それがたとえ福島程度の事故でとどまっても、風向きの関係でほぼ日本全国が居住不可能になる可能性は高いのだ。九州にある玄海原発や川内原発、四国の伊方原発が壊れれば、その影響は関西、関東の都市圏を壊滅させる。
原発を廃止して自然エネルギーへ転換するべきだ。それも太陽光や風力ではなく地熱発電しかない。太陽光や風力は安定的な発電をするのはほぼ無理でまとまった出力を得るのも難しい。
今のあいまいな状況を脱するための第一歩が核燃料の状態の把握だ。今のあいまいさは対策を遅らせ、危機を招いているだけだと思う。
*6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<759>>
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