25. 2011年10月10日 18:13:16: 03bw0jfJsI
24>さま これ詳しいですよ。 北海道サンマは確か20bq位とどこかで見ましたが。暗黒夜考〜崩壊しつつある日本を考える〜アメリカの思いのままに愚民と化し、むしり取られ、だまされ続ける日本国民への警鐘を綴る水産物の放射能汚染から身を守るために、消費者が知っておくべきこと 2011年06月06日 | Weblog川崎市が今月3日、川崎港に生息する魚介類4種類を対象に行った放射能濃度の検査結果を発表した。 同発表によると、アイナメとアサリから微量の放射性セシウムを検出されたとのことである。※川崎港で採取された魚介類の放射能濃度について http://www.city.kawasaki.jp/press/info20110603_8/item8865.pdf 同報告では「食べても健康に影響を与えるものではない」という”いつもの決り文句”が謳われているが、果たして本当であろうか? 以前のエントリーにて「食物連鎖」と「生物濃縮」についてコメントしたが、水産物の放射能汚染に関するマスゴミ報道については、この観点からの考察が”意図的”に排除されているように思えてならない。 国内の水産物が放射能汚染されていることが見つかると、語られるコメントはいつも”直接的””近視眼的”な数値の評価ばかりである。 実際には、「食物連鎖」を通じて蓄積性の放射性物質の「生物濃縮」が進むと、食物連鎖の高次に位置する生物でより高濃度(自然状態の数千倍から数万倍)に濃縮され、その生物に影響を及ぼすのである。 即ち、「食物連鎖」において捕食する側の、高次に位置する魚介類で、放射性物質がより高濃度に凝縮されるのである。 ※参考「「食物連鎖」と「生物濃縮」の話をしよう」 一番の問題は、この「生物凝縮」された末の魚介類を我々人間が食材として口にすることである。 では、具体的にどのような魚介類でどの程度の期間、我々は注意しなければならないのであろうか? その答えについて、三重大学生物資源学部の勝川俊雄准教授が非常に素晴らしい分析をされているので以下に転載する。
(転載開始) ◆水産物の放射能汚染から身を守るために、消費者が知っておくべきこと 2011-05-14 (土) 4:29 「勝川俊雄 公式サイト」(http://katukawa.com/?page_id=4304) 〜前略〜
○放射性物質の核種について 放射性物質には、ヨウ素やセシウムなど、様々な種類があります。それぞれ、挙動が違います。 《ヨウ素131》 ヨウ素は原発事故では大量に発生します。今回の事故でも、ヨウ素が大量に放出されました。ヨウ素は半減期が8日と短いのが特徴です。8日ごとに半分になっていくので、3ヶ月で2000分の1に減少します。新たな流出が収まれば、比較的早期に収まります。 人の体内での挙動 甲状腺に溜まりやすく、小児甲状腺癌の原因になります。事故後、3ヶ月程度は、特に小さい子供に対しては、ヨウ素に注意が必要です。詳しくはリンク先を読んでください。http://tnakagawa.exblog.jp/15214535/ 《セシウム137》 福島原発2号機から、高濃度のセシウムを含む汚染水が流出しており、今後の影響が懸念されます。放射性のセシウムは、半減期が30年と長く、環境汚染が長期化する傾向が見られます。1980年代に、イギリスのセラフィールドの核兵器再生工場から、大量の放射性セシウムが海に廃棄されました。90年代以降、新たな廃棄がほとんど無いにもかかわらず、現在も周辺の魚から、セシウムが検出されています。海底が汚染されたことが原因と考えられています。 人の体内での挙動 セシウムは特定の部位には蓄積されずに、筋肉にまんべんなく分布するようです。詳しくはリンク先を読んでください。http://tnakagawa.exblog.jp/15214540/ 《ストロンチウム90》 ヨウ素やセシウムよりも検査が難しいために、海洋での分布状況は全くの未知数です。ストロンチウムはセシウムと同じく水溶性の物質で、海水中でも同じような挙動をしめします。セシウムが存在する場所には、ストロンチウムも存在するといわれています(link)。 ストロンチウムは魚の体内でも、骨に多く分布します。骨のストロンチウムの密度は、筋肉の50倍にもなるという報告も得られています。ストロンチウムが気になる場合は、骨を除去することである程度の自衛が可能です。詳しくはリンク先を読んでください。http://tnakagawa.exblog.jp/15214540/ 人の体内での挙動 ストロンチウムは、カルシウムと似た性質を持ちます。人体に取り込まれると、大部分はそのまま排泄されるのですが、一部が骨に蓄積されます。ひとたび骨に取り込まれると、なかなか外には排出されません。骨が成長中の成長期の子供は、ストロンチウムを取り込まれやすいので、特に注意が必要です。 《プルトニウム》 プルトニウムがどの程度出たかは全く解っていません。プルトニウムの検出には、微量のα線を計測しなくてはならないので、技術的にも時間的にも困難です。海洋では、プルトニウムの調査は行われていません。 セラフィールド再処理工場でもプルトニウムが大量に排出され、現在も周辺住民の内部被爆の主要因となっています。もし、大量に放出されいたなら、相当やっかいなことになりそうです。海洋汚染の主要なソースである二号機は、プルトニウムを含むMox燃料ではないのが救いではあります。 それぞれの各種がどのような生物に、どの程度取り込まれるのかを詳しく知りたい人は、リンク先の海産生物の濃縮係数一覧表をご覧ください。 http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/09/09010402/05.gif ○生態系における放射性物質の濃縮について 海洋に放出された放射性物質は、プランクトンや魚に取り込まれます。その後、放射性物質は食物連鎖を通じて、海洋生態系を循環します。生物の種類によって、放射性物質の取り込みやすさが異なります。それぞれの生物が、放射性物質を体内に蓄積するかは、濃縮係数というパラメータで表現されます。 『濃縮係数=生物の体内の放射性物質の濃度/環境の海水中の濃度』 IAEAのレポートに、様々な水生生物の濃縮係数の一覧表があります(リンク)。海洋の生態系汚染の主役の放射性セシウムの濃縮係数は以下の通りです。たとえば、植物プランクトンの濃縮係数は20ですから、海水中のセシウムが10Bq/Lなら、植物プランクトンの体内はその20倍の200Bq/Kgに汚染されます。植物プランクトンから、海産ほ乳類まで、食物段階が上がるほど高くなる傾向があります。イカ・タコは、食物段階のわりに、放射性セシウムを蓄積しづらいようです。 イカタコ 9 植物プランクトン 20 動物プランクトン 40 藻類 50 エビカニ 50 貝類 60 魚 100 イルカ 300 海獣(トド) 400 IAEA のレポート http://www-pub.iaea.org/MTCD/publications/PDF/TRS422_web.pdf 食物連鎖を通じた放射性セシウムの移動(捕食者への時間遅れの汚染蓄積) チェルノブイリ事故で汚染されたキエフの貯水湖では、餌となる小型魚(上)のセシウムの値は事故の後すぐに上がったのですが、捕食魚(下)のセシウムの値は翌年になって跳ね上がりました。食物連鎖を通じて、上位捕食者に時間遅れで放射性物質が伝わったのです。Chernobyl’s Legacy: Health, Environmental and Socio-Economic Impacts チェルノブイリの事故後で、日本近海の表層海水の汚染のピークは1月後、スズキの汚染のピークは半年後、マダラの汚染のピークは9ヶ月後でした。(海生研ニュース No.95 p7より引用)。
福島周辺海域では、植物プランクトンを食べるコウナゴがすでに高いレベルで汚染されています。コウナゴは多くの魚の餌になりますから、今後は生態系内での放射性物質の移動に注意する必要があります。現段階で、汚染が検出されなかったとしても、将来の安全は確保できません。 下の図は茨城のヒラメから検出されたセシウム(Bq/kg)です。生態系に取り込まれたセシウムが徐々にヒラメに蓄積されつつあるようです。チェルノブイリの時と同じことがおこるなら、今後も高次捕食者に汚染が蓄積されていき、半年〜1年後にピークになるでしょう。継続的に汚染状況を確認し、汚染がどこまで進むのかを見極める必要があります。 ○汚染からの回復 魚が放射性セシウムで汚染されたからといって、その魚を未来永劫食べられなくなるわけではありません。チェルノブイリの湖でも、被食魚は事故後2年、捕食魚は事故7年後で、日本の暫定基準値(500Bq/Kg)よりも低い値まで汚染が減少しました。海産魚は、淡水魚よりも、放射性物質の減少が早いと考えられています。その理由は、湖は閉鎖系なので、水中の放射性物質の濃度が下がりづらいことと、淡水魚は浸透圧調節のために、カリウムやセシウムなどのイオンを体内に取り込むのに対して、海産魚は体内の浸透圧調節のために、カリウムやセシウムなどのイオンを積極的に排出するからです。チェルノブイリの事故で、日本近海の海産魚の放射性セシウムの濃度が上昇しました。事故以前の濃度レベルに回復するのに要した時間は、スズキで1.7年,マダラでは2.5年でした(海生研ニュース No.95)。 海産魚の場合、水槽実験では、体内の放射性セシウムの濃度が半分に減るのに50日かかることが解っています。たとえば、基準値の倍のレベルまで汚染された場合には、(餌がクリーンであれば)基準値まで下がるには50日程度かかるいうことです。福島のイカナゴからは、14000ベクレルという高濃度のセシウム汚染が観察されています。基準値の28倍ですから、半減期が50日として計算をすると、1年せずに暫定基準値よりも下がることになります。詳しくは、こちらの説明をご覧ください。排泄の速度は魚の種や、代謝コンディション、餌の汚染度合いなど、様々なファクターが聞いてきますから、あくまで目安程度です。 水産庁の公式見解では、「たとえ放射性セシウムが魚の体内に入っても蓄積しません」となっていますが、楽観的過ぎると思います。放射性セシウムは魚を含む生物に蓄積されて、数ヶ月から数年のオーダーで生態系に残ることが、野外調査および水槽実験から知られています。くれぐれもご注意ください。 【ポイント】 ●海水の汚染の流出を食い止めるのが重要→安全性の議論ができるのは、汚染の進行が止まってから ●魚は環境の100倍の濃度にセシウムを濃縮する→海水からセシウムが不検出でも安心できない ●放射性物質は、食物連鎖を通して循環する→食物連鎖を通じた移動に注意 ●海水魚に蓄積されたセシウムが半分になるのに50日かかる→数ヶ月〜数年オーダーで汚染は残る ●汚染の度合いから、浄化に必要な時間の予測は可能
〜後略〜 (転載終了) 福島第1原発については、現時点で事態が収束することなく、高濃度汚染水の海洋投棄という”愚行”が継続されており、未だ「海洋汚染途上」と考えるべきであろう。 よって、勝川俊雄准教授のコメントにあるように、「永久的」ではないものの、少なくともここ数年オーダーの間、水産物には凝縮された放射性物質が残留しているため、我々はこれを口にする際はそのことをよくよく念頭に置くべきであろう。 政府やマスゴミの言う「大丈夫」「問題ない」という説明が如何に無責任なものかは一目瞭然であり、今の政府・マスゴミらの無責任な対応は、必ずや数年後に「水俣病」同様の惨事を再び引き起こすであろう。 決して見過ごすことができない”愚行””蛮行”であると断じざるを得ない。 最後に、今回は文字数の関係で勝川准教授の秀逸なエントリーを全文転載できなかったが、時間をみつけて是非とも全文読まれることをお薦めする。
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