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自主避難にも「賠償を」/院内集会で住民の苦悩次々/審査会は明示せず/「国の指針、判断のよりどころ」
東京新聞 2011.10.04 朝刊 「こちら特報部」
福島原発事故をめぐる賠償問題で、避難区域外の住民たちへの賠償の議論が進んでいないの。区域外には、福島市や福島県郡山市など放射線量が高い地域も含まれる。自主避難している人々は三日、国の原子力損害賠償紛争審査会に対し、区域外の住民も賠償対象にするよう求める意見書を提出、実情を理解するよう訴えた。 (中山洋子)
「家族を守るには自主避難しかなかった」
八月中旬に郡山市から静岡県富士宮市に避難した長谷川克己さん(44)は声を絞った。事故後、五歳の長男と妊娠中の妻(35)とともに「どこに住めばいいのか」と不安な日々を過ごしていた。
子どもの寝室の放射線量は毎時0.4マイクロシーベルト前後に達していた。「千葉県のホットスポットの公園の放射線量と同じだと知って避難を決めた」
間もなく二人目の子どもが生まれるが、四十歳を過ぎてからの再就職は困難を極め、現在はデイサービスの起業を模索しているという。
この日、「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」など五団体が開いた参院議員会館での集会では、区域外から避難した住民の苦悩が次々に報告された。
審査会が八月に示した中間指針では、区域外の住民への賠償は明示されなかった。議論の余地は残されているが、九月中旬に一カ月半ぶりに再開された審査会でも議論は進展していない。
むしろ、住民らを不安にする視点や意見が漏れ聞こえている。特に反発を集めているのが、審査会で提示された「除染などが行われる中で、自主避難することをどう考えるか」という観点だ。
集会では「除染するから避難しなくてもいいだろう、という含みを感じる。除染活動はまだ始まったばかりで、成功していない。それと自主避難がなぜ絡めて論じられるのか」といった批判の声が上がった。
審査会では「(計画的避難区域が指定された)四月二十二日」を境に、自主避難者を区別して考える見方も浮上した。国の指定以前は「十分な情報がない」ので自主避難も認めるが、その後の避難は勝手にした行動という考え方だ。
これに対しても、住民らは「住民の不安を線引きはできない。避難をしたくても家族の同意が得られなかったり、経済的な不安から逃げられない人がいる。本末転倒な議論だ」と繰り返す。
公聴会の開催
参加者ら要望
集会の参加者らは、風評被害をめぐる議論では業界団体の公聴会が開かれたのに、住民については意見を聞く場がないことを指摘。区域外を賠償対象にすることと合わせて、議論の前提となる公聴会の開催を求めた。
これに対し、審査会事務局の田口康・文部科学省原子力損害賠償対策室次長は「公聴会を開くペきだとは思っていない」と発言。ただ、要望については審査会に伝えるとした。
中間指針は、自主避難など、明記されていない損害賠償についても「留意」を促している。とはいえ、住民らの間ではこのまま、うやむやにされるのではないか、という不安が募っている。
「福島の子どもたちを守る法様家ネットワーク」の福田健治弁護士は「紛争解決センターや裁判で個別の問題が争われる場合も、結局は国の指針が判断のよりどころになる。被害者に不利な指針にならないよう注視していかねばならない」と話している。
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