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「ジャーナリスト同盟」2011年10月02日 本澤二郎の「日本の風景」(844)から下記を転載投稿します。
=転載開始=
【東電3号機の原子炉メーカー・東芝の重大責任】
原子炉メーカーの東芝について、未だ世論の反応は鈍い。莫大なマスコミ向け広告費の成果だろう。しかし、筆者は東電と原発官僚と一体で安全神話をまき散らしてきた原子炉メーカーの責任は、いかにも重いと判断している。いずれ表面化するだろう。なぜなら安全神話の元凶だからである。とりわけ東電福島原発3号機の原子炉メーカーの東芝燃料は、別格なのである。
筆者もそうだったが、3号機の原子炉が特別な恐怖の原子炉であることを最近まで知らなかった。1,2号機と同じウラン燃料の原発と理解していた。実は、そうではなかった。プルトニウム加工燃料(MOX燃料)使用の原子炉だったのだ。プルサーマル原発だ。
この3号機が炉心溶融・メルトダウンしたのだから、これだけでもチェルノブイリを軽く超えてしまっている大惨事ということなのである。猛毒・プルトニウムが大気中に大量に放出、地下水や海水をも汚染している。除染云々のレベルの話ではない。
被曝した住民から沢山のガン患者が出ることになろう。警戒区域解除どころでもない。原発周辺は半永久的に住めなくなるだろう。その詳細なデータを政府や自治体から入手することが出来ないところに、非常事態であることを物語っている。依然として嘘と隠ぺいが列島を覆っている。
【プルトニウム発覚】
この3号機から放出されたプルトニウムの存在を、3・11から7か月近く経って、政府はようやく発表した。事実を渋々公表したのである。10月1日の共同通信によると、文部科学省は9月30日に記者会見、福島県双葉町・浪江町・飯館村の6カ所の土壌からプルトニウムを検出した、と発表した。
原発敷地内では既に明らかになっていたのだが、敷地外での検出は初めてだと、当局はうそぶいたのである。3・11から真剣に検査をしていなかったことが、改めて判明したことになる。この方が、より重大であろう。この間に被曝した住民が哀れでならない。国からも自治体からも見捨てられていたことになろう。
当局は国民の生命・財産を守ろうとしなかったのである。ソ連軍侵攻でいち早く敵前逃亡した関東軍と同じレベルだろう。
政府発表では、検出されたプルトニウムは半減期2万4000年の239ではなく、同88年のプルトニウム238だという。本当だろうか?飯館村は原発から45キロ地点である。
猛毒プルトニウムの拡散を認知したことによって、人々は発ガンの恐怖を抱えて生活を強いられることになってしまった。無辜の民にとって、これほどの苦痛はないだろう。
【製造物責任】
プルトニウム検出をここまで引きずってきた悪質さに驚くばかりだが、詳細は民間の善良な科学者の奉仕活動による徹底調査でないと、真相を掴むことは困難だろう。3・11事件は、人々に政治家・官僚・東電全ての関係者を信用できないという事実を突きつけた、という点である。日本という国家への不信である。国民から見放された国家などあろうはずがない。
日本には製造物責任法が存在する。製造物の欠陥により、人の生命、身体または財産に被害を生じさせた場合、製造業者等に損害賠償の責任が生じるという法律である。LP法ともいう。
設計上、製造上、指示・警告上の欠陥について製造業者等は責任を負わねばならない。こうした規定がなくても福島原発事故・事件の場合は、原子炉のメーカー責任が浮上する。東電と連帯して、被害者の損害をすべきだろう。
この点についての指摘は、現在までのところ、筆者だけだが、冷静に見て当たり前、常識的な判断であろう。
【被害者は損害賠償を】
東芝原子炉の東電3号機は、プルトニウム加工燃料であるMOXを使用したプルサーマル原発である。いまだ不完全な代物である。そもそも安全な原発など、この世に存在しない。
それでいて東芝は「安全データ」を東電に渡し、東電はそっくりそのデータを経済産業省の原子力安全・保安院に提出して稼働の認可を受けている。この3者は皆同じ仲間・狢なのである。
にもかかわらず、その損害の多くを国民の懐に手を突っ込んでやり過ごすというのである。こんな不条理も前代未聞であろう。国民を愚民扱いしているのだ。東電は全ての資産を売り払っても賠償資金は足りない。東芝もまたその責めを負わねばなるまい。双方に歴然とした因果関係が存在するからである。
プルトニウム被害者は、東芝にも損害を求めるべきだろう。
【反省・謝罪もしない】
3・11直後の東芝社長会見の報道記事は、実にひどい内容だった。鬼のような東芝コメントに驚愕した。引き続き原子炉製造が東芝の中核ビジネスとうそぶいたのだ。プルトニウムの大量放出を承知していながらの、この傲慢な東芝路線に愕然としたものである。当時は、3号機の東芝原子炉のことを知らなかったのだが、それでもこんな経営者の存在に一人の日本人として愕然としたものである。
東芝は3号機爆発で大量のプルトニウム(原子力安全・保安院によると、プルトニウム239を32億ベクレル)を大気中に放出して、人間と大地・海を殺してしまった。それでいて、何一つ反省コメントしていない。責任は挙げて東電と政府にあると認識、原子炉メーカーは無関係というのであろうか。
反省も謝罪もしていない。まともな人間の心を持ち合わせていない財閥企業・強欲資本を印象付けている。
【核のゴミをモンゴルへ】
その後にマスコミは、東芝が核のゴミをモンゴルの地中に埋めるという、これまた恐ろしい計画を推進している事実を報道した。日本国民の生命、身体、財産の被害を、今度は外国に持ち込もうというのである。
モンゴルの為政者を買収してしまったらしい。しかし、3・11をモンゴルの民は承知してしまっている。薄々東芝の3号機被害に気付いているはずである。守銭奴のような為政者を買収しても、モンゴル人の多数を買収することは不可能だろう。
かの国のインターネット人口を知らないが、祖国の将来・大地を重視する若者は決して愚かではない。自然と共にのみ生きられる人間存在を知りつくしている点で、容易に欧米化した日本人よりも優れているのではないだろうか。
東芝の悪しき戦略は成功しまい。成功させてはなるまい。
【輸出にかける東芝】
東芝・日立・三菱の原子炉メーカーは、財界と政府を動かしてきた財閥企業である。東芝は小泉内閣をいいように利用した。振り返ると、小泉内閣は東芝の傀儡政権と言っても良かったほどだ。政商財閥・東芝の本領を発揮した場面だから、小泉内閣はせっせと原発推進に拍車をかけて、原発派の元祖・中曽根とナベツネを満足させた。
英米が牛耳るウェスチングハウスを東芝が買収したのも、小泉内閣の時代である。二酸化炭素排出抑制の切り札・クリーンエネルギーの原子力発電所という国際的な大宣伝にも東芝は、一役も二役も買ったのだと見たい。「わが世の春」を夢見ていた東芝である。それを2011・3・11が容赦なく打ち砕いたのだ。天罰ではないだろうか。
東芝の夢は、砂上の楼閣でしかなかった。しかし、この戦略の大失敗を反省しない対米従属派経営陣は、性懲りもなく輸出に生き場を見つけ出そうとしている。原発官僚に操作される菅内閣、ついで松下政経塾の野田内閣を動かして、不完全で危険な原子炉を海外へと輸出して、再びぼろもうけしようというのだ。
財閥の路線は、良心的な人間にとって理解不能である。野田内閣もこれに必死のようなのだ。国連の場で表明したのだから。この1件だけでも同内閣は失格である。
【再び失敗を繰り返す】
反省と謝罪のないところに前途に灯は現れないだろう。過ちを認めない人間も企業も、また同じ間違いをするだろう。嘘と隠ぺいで事態をやり過ごそうというのだから。こうした手法は、東芝経営の東芝病院でも踏襲している。「日本の医療文化の典型だ」と専門家は決めつけている。医療事故死が無くならない原因である。
反省と謝罪のない文化・嘘と隠ぺいの文化をはびこらせると、再び失敗を繰り返すことになる。自然の摂理・因果応報であろう。
ありえないだろうが、東芝だけが運よく原発事故・事件から逃亡することに成功してみても、それを長期間維持することはできない。断言してもいい。
【悪魔のビジネスの前途】
今の東芝のマスコミ向け宣伝は、原子炉メーカー隠しに必死なのだということが、筆者には痛いほどよくわかる。というのも、東芝は自然エネルギー開発メーカーだと大宣伝している。
お笑いだ。悪魔のビジネスを隠すのに真剣なのである。東芝の失敗はズバリいうと、ウェスチングハウス買収にあったと断言したい。悪魔のビジネスに手を出してつまずいてしまったのだ。
堅実なビジネスから手を抜いて、莫大な暴利ビジネスへと舵を切ってしまったことに尽きる。西室とかいう経営者と小泉の利権・腐敗人脈が、東芝の目を曇らせてしまったのである。
もはや欧米でも原発建設はない。東アジアが悪魔ビジネスの標的のようだが、為政者を丸めこんでも多くの市民・人民を巻きこむことは困難である。彼らは、彼らが生み出したインターネットの威力に気付いていない。
【対米自立政権と自然エネルギー時代の到来】
人類は自然エネルギー政策を全面に押し出せば、それで何とか生きられるという現実を知ってしまった。先進国のドイツでも。日本もやれば可能なのだ。そう遠くない時期に日本にも対米自立政権が誕生する。原発を蹴散らせる二本足で立つ政治家が多数を占める時代は、間近に迫っている。
筆者は恐ろしく現在に悲観的だが、それでいて将来に対して大変な楽観論者でもある。
2011年10月2日19時55分記
=転載終了=
(関連投稿)<見えてきた東芝・小泉連合> <米原発会社買収に小泉・ブレア・ブッシュ連合?><小泉は東芝・西室泰三の子分?>本澤二郎
http://www.asyura2.com/11/senkyo119/msg/822.html
(投稿者)エネルギー政策に関しては、自然エネルギーの研究開発はすべきですが現在の情報からだと当面自然エネルギーは現実的と思えないので、なるべくガスあるいはオイルがいいと思います。とはいえ、オイル、ガスの確保も国の外交政策に枠組みを決められてしまいますが。
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