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東京電力の公的管理促す 経営責任も明記 第三者委員会最終報告書案
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110929/biz11092901170001-n1.htm
2011.9.29 01:15 産経新聞
東京電力の資産査定や経営見直しを進める政府の第三者委員会「経営・財務調査委員会」(委員長・下河辺和彦弁護士)が来月3日にも公表する最終報告書案の全容が、28日判明した。報告書案は、福島第1原子力発電所事故の賠償金捻出に向けた東電の財務体質強化のため、原子力損害賠償支援機構による出資の必要性に言及。実質的な公的管理強化を促す内容で、民間企業としての東電は瀬戸際へ追い込まれた。
産経新聞が入手した報告書案は、4兆円規模とみられる損害賠償の支払いについて、東電が機構からの公的援助を前提にしている点を指摘。同社の純資産が約1兆円であることから実質的な債務超過に陥るとして、資本増強が避けられないと判断した。
東電の発行可能株式総数18億株に対し発行済み株式は約16億株で、新規発行の余裕は2億株程度しかない。このため報告書案は、定款を変更し、株式発行可能枠の拡大を提示した。1株当たりの価値は目減りするが、「株主による協力」として、株主総会で機構による資本注入への賛成を決議するよう求めた。
議決権のない優先株引き受けによる資本参加も考えられるが、機構は「ガバナンス(統治)掌握の必要性などを含めた統合的な検討の上で判断すべきだ」などと指摘。経営への積極関与によるリストラや経営改革の促進を示唆した。
報告書案は、公的支援を受ける東電の経営陣について、「道義的観点から一定の経営責任を果たすべきだ」とも明記。役員辞任や退職金放棄も避けられなくなる。
東電は金融機関からすでに総額約4兆円を借り入れており、一部融資残高の10年間維持も打診している。公的管理で東電の信用力が高まれば、金融機関から債務の借り換えがしやすくなったり、追加融資が得やすくなったりする、との思惑が働いた格好だ。
東電は、政府援助を受けるため、機構と共同で10月末にも特別事業計画を策定する予定で、調査委の最終報告を、計画に反映することになっている。
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