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暗黒夜考〜崩壊しつつある日本を考える〜
石破茂が「終わった」模様 〜「核の潜在的抑止力」維持のため原発続けるべきと公言〜
2011年09月26日
◆石破茂氏 「核の潜在的抑止力」維持のため原発続けるべき
2011.09.21 16:00 NEWSポストセブン
原発と核――。この問題に対して沈黙を守る政界において、唯一、持論を展開しているのが、自民党の石破茂政調会長である。防衛庁長官、防衛大臣を歴任した石破氏に「原発と核を巡る問題点」を聞いた。
* * *
――日本以外の多くの国では、原子力政策と核政策はセットとなっており、本来、切り離すことができない問題です。しかし、日本においては、核アレルギーもあり、これまで論争自体が避けられてきました。その流れの中で、今回の脱原発論争からも核問題は抜け落ちていますが、石破さんのお考えは?
石破:
私は核兵器を持つべきだとは思っていませんが、原発を維持するということは、核兵器を作ろうと思えば一定期間のうちに作れるという「核の潜在的抑止力」になっていると思っています。逆に言えば、原発をなくすということはその潜在的抑止力をも放棄することになる、という点を問いたい。
そもそも、核兵器とはそんなに簡単に持てるものではない。確かに、広島、長崎に原爆が投下されてから66年が経ち、技術理論自体は賢い学生なら作ることができるくらいまで普遍化しているそうですが、実際には膨大な設備や技術が必要ですし、兵器としての信頼性を確認するには実験もしなければいけない。日本の場合、どこでそのような実験をするのか。実際にやるとなるとかなり難しい問題に突き当たる。
また、国内での議論を経て日本も批准したNPT(核拡散防止条約)は「核のアパルトヘイト」と言われるように、米国、ロシア、中国、英国、フランスのみに核保有を認める不完全な体制だが、特に日本やドイツに核を持たせないことを一つの主旨としている。
私自身は、安全保障の面から、日本が核兵器を持てることを否定すべきではないと思うし、憲法の解釈上も禁じられていないというのが政府の立場です。「非核三原則」は憲法ではなく、あくまで政策的判断として貫かれているものです。
しかし、翻って日本は、核の平和利用を原子力発電の技術によって営々と積み重ねてきた。なればこそ、テクノロジー面においても、マネジメント面においても、世界で一番安全な原発を作っていかなければいけない。これは、世界に対する日本の責務だと私は思う。だから、私は日本の原発が世界に果たすべき役割からも、核の潜在的抑止力を持ち続けるためにも、原発をやめるべきとは思いません。
※SAPIO2011年10月5日号
(転載終了)
国防にかけては現職の日本の政治家の中でも三本指に入る(?)かとも言われている自民党・石破茂政調会長であるが、今回の一連の「核の潜在的抑止力」発言で「政治家として終わった」と言ってよいであろう。
福島第1原発事故が未だ収束せず、多くの国民がその影響で苦しむと共に、万一、「原発テロ」を仕掛けられれば日本がズタズタになることが今回の原発事故で露呈しているにも拘らず、「核の潜在的抑止力」のために「原発継続の必要性」を公言するなど、言語道断、”原発利権村”とのズブズブの関係を断ち切れないことを吐露しているようなものである。
以前のエントリーにてコメントした通り、「抑止力としての原発⇒抑止力としての核開発」、即ち、核兵器の保有そのものが目的ではなく、核開発はいつでも可能という「核の抑止力」を理由に「原発政策を継続すべし」とする石破茂の主張は、ハッキリ言って”こじつけ”的主張であろう。
これまで散々、アメリカによる「核の傘」を理由に日米同盟の重要性を主張し、沖縄の米軍基地を肯定しておきながら、いざ原発事故が起きれば、原発による「核の抑止力」を主張するなど、”詭弁”以外の何ものでもない話である。
加えて言うなら、中国や北朝鮮等による脅威等、「東アジアの緊張状態」そのものがアメリカによって演出された”虚構”であり、「抑止力」「核の傘」の必要性自体がそもそも論として疑わしい話というのが個人的見解である。
(こちらについては賛否両論があろう)
他にも、石破茂については、愛娘が東電社員であるということは勿論のこと、セシウム汚染した食材の出荷停止措置に対して、「風評被害を助長する」と公然と批判したりと、震災以降、兎に角、”原発擁護”の姿勢があからさま過ぎである。
一個人ならともかく、曲がりなりにも国政を担うべき国会議員・政治家として、これら一連の発言は言語道断であり、もはや石破茂の政治生命は絶たれたと断じてよいであろう。
「石破茂は終わった」というより、「石破茂は最初から何も始まっていなかった」のやも知れない。
※参考「”金欠”アメリカの沖縄撤退が顕在化する中、弱まる米軍の「抑止力」 〜これに代わる抑止力とは?〜」
http://blog.goo.ne.jp/tarutaru22/e/2248b0a0972442f91f20ba0b75f442ae
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