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「福島のものは移動してはいけないの?」読者からのご質問
http://news.livedoor.com/article/detail/5891656/
2011年09月27日09時24分 武田邦彦(中部大学)
日進市の花火のことや、福島(東北)の野菜、それに瓦礫などのことで私が「持ち出してはいけない」と言っているので、反論もあるし、抗議も来ています。でも「どうしていけないの?」というご質問も多いのでもう一度、なぜ「福島のものは移動してはいけないのか?」について説明をしておきます。
読者の方から次のようなニュースをいただきました。
「「光るキーホルダー」として、規制値を超す放射性物質「トリチウム」が入った製品を無許可で販売したとして、千葉県警が今年4月に放射線障害防止法違反の疑いで、県内に住む中学生の14歳の少年を書類送検した。」
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この事件は「日本は法治国家である」、「放射性物質はむやみに移動してはいけない」ということを明確に示しています.相手が14歳の少年でも「法は法」ということです。
日本の法律では、「1時間0.6マイクロシーベルトを超える場所(管理区域)、およびセシウムでは1グラムあたり1000ベクレルを超えるもの(放射性物質)を取り扱う場所」から持ち出すときには、持ち出すものが「汚染されていないか」を厳密に測定し、その記録を残しておかなければなりません。
そうすると、福島の東の地域の多くが0.6マイクロシーベルトを超えていますので、そこから物品を持ち出してはいけないのです。たとえばある大学の研究室で放射性物質を扱い、管理区域になっているときに、「これは大丈夫」と勝手に判断してあるものを持ち出してはいけないのです。このことを厳密に守ることで日本は「法治国家」として「被曝の被害を防ぐ」ということをしてきたのです。もちろん原発も同じです。
日進市の花火の時に、記者さんからは「倉庫に入っていて汚染されている可能性が低いのにダメですか?」というご質問がありましたが、「**町からということで判断するなら、その町のどこかに0.6マイクロシーベルトを超えるところがあったらダメです」と答えました。
野菜や瓦礫も同じで、0.6マイクロシーベルトを超える場所が指定されていて、そこが管理区域になっていれば、そこから出すものは検査が必要で、管理区域以外は自由な移動が可能です。つまり、さっきの大学の研究室の例では、「研究室全体」が指定されていれば、研究室のなかで汚染されていないところに置いてあったものも移動は禁止です。その代わり、便利なこともあって、研究室の中は自由に移動ができるのです。
今、福島には0.6マイクロシーベルトを超えるところがあります。だから「福島の」とか「東北の」と言えば、その全域が含まれます。だから福島の中は自由に移動できますが、その代わり「福島のものは他県に移動してはいけない」ということになります。これを東北の人が「東北全体」に拡大すると、東北の中は自由に移動可能ですが、東北以外には出せなくなります。
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汚染されたものを移動するというのは他人の健康に関係するので、自分で独自に判断することは許されず、それによって日本は安全な国になっていたのです。日進市のことで私が環境放射線の教授のコメントを批判したのは、このことを十分に知っておられるからです。
福島原発事故以来、日本の放射線防護の法体系をよく知っている専門家、知っていなければならない自治体が法律違反をし、その傍らで14歳の少年を書類送検したりしているのは実に奇妙です。
自分のお金を守るより、他人の健康を守るという善良は国民であって欲しいと思います。子供を逮捕するのではなく、大人がしっかりしてください!!
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