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日進市の花火・・・どちらが論理的か?
http://takedanet.com/2011/09/post_e6d6.html
平成23年9月19日 武田邦彦(中部大学)
愛知県日進市の花火大会で一部の花火の打ち上げた中止されました。
報道では「花火大会の実行委員会は「花火店のある場所は国の放射線許容量を下回っている。室内で保管され、まったく問題ない」として実施する考えだったが取りやめた。」
「実行委事務局責任者の市産業振興課長は「安全性に問題がなく、取りやめは苦渋の決断だ。一人でも多くの人に気持ちよく花火を見てもらいたいという考えで判断した」と理由を説明した。」
「川俣町は一部が原発事故で計画的避難区域に指定されているが、菅野煙火店は区域外の低線量地域にある。花火の社長は「初めてのケース。仕方がないが、大変残念」と悔しがった。」
「名古屋大大学院の某教授(環境放射能)は「花火の放射性物質を気にして打ち上げを取りやめるのは行きすぎた反応であり、大変残念なことだ。花火は当然、食品とは切り分けて考えなければならない。こうした根拠のない考えや不安は、差別やいじめの構図につながる恐れがある。」
驚きました。なにに驚いたかというと市の課長、会社の社長、名古屋大学の教授といえばいずれも社会的には指導的立場の方ばかりですが、どうしてこんなに論理的に間違っていることを言うのでしょう?? まさか市も新聞も日進市の住民を被曝させるチャンスと考えたのではないとは思いますが(最近、被曝は健康によいとの話もありますので)。
1. 「福島の川俣町」と言えば福島でかなり汚染されているところと考えなければならない、
2. 川俣町の一部が国の汚染地域の指定より放射線が低いといってもそれは「花火」という製品とは無関係、
3. 国の基準がトリプルスタンダード(1年1ミリ、1年5ミリ、1年20ミリ)で適応範囲(福島県だけ?愛知県は?)も時期(暫定と言ってもいつまで?)も不明、
4. 国の基準を下回っていると言ってもなぜか数値は言わない、
5. 福島原発から漏れた80京ベクレルをどうするのかの基本政策がない、
特にこのコメントの中では名古屋大学の先生のコメントが問題と言うより驚きました。どうして環境のご専門の先生がこんなに非論理的なことをおっしゃるのか、教えていただく機会を作りたいと思います。先生がこのように言われるのですから、花火が法律で定められた基準以下であるということが判っているのではないかと思います。またこのコメントを出した記者さんにも感想を聞きたいと思います
先生「花火の放射性物質を気にして打ち上げを取りやめるのは行きすぎた反応であり、大変残念なことだ。」
→なぜ、花火の放射性物質を気にするのが行き過ぎなのか? 汚染の数値が示されていないのだから、気にするのが普通。(おそらく数値を知っておられると思います。)
先生「花火は当然、食品とは切り分けて考えなければならない。こうした根拠のない考えや不安は、差別やいじめの構図につながる恐れがある。」
→食品とは違うが、トリプルスタンダードで時期も不明な規制のある時に先生が基準とするものはなにか? 「数値を示されていないもの」を政府や自治体などの権力で「安全だ」とする方が「差別やいじめ」の温床になる。
実は、この件でマスコミの取材を受けましたが、その記者も私の話を聞くまでは「花火ぐらいいいじゃないか」という感じでした。そこで「なんで花火ぐらい良いのか?」と聞きますと、別に理由は無いようでした。また、「福島の1年20ミリシーベルトという基準は日進市にも適応されるのですか?」と聞くとそれも知らないようでした。
ひどい日本になったと感じます。本当に、こんなに理不尽なことが続けば「国民いじめ、子供いじめ、お母さんいじめ」が続くような気がします。日進市で花火の打ち上げを止めた市民の方は良いことをされたと思います。
「takeda_20110919no.151-(7:45).mp3」をダウンロード
http://takedanet.com/2011/09/post_e6d6.html
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