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小出裕章が語る、今なぜセシウム・ヨウ素等の特定の放射能だけが注目されるのか 9/15(1/2)
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65764052.html
2011年09月16日06:00 ざまあみやがれい!
2011年9月15日、小出裕章氏が毎日放送「たね蒔きジャーナル」に出演しました。テーマごとに2回に分けて掲載いたします。
1回目は、「なぜ今、セシウム等の特定の放射能だけが注目されるのか」です。
※続きは、エントリーの末から読めるようになっています。
動画
20110915 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章
http://youtu.be/rXFOmD0hF0w
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=rXFOmD0hF0w#!
※初稿です。誤字脱字は随時修正していきます。
=====(文字おこし、ここから)
千葉「では小出さん。今日もどうぞよろしくお願い致します」
小出「よろしくお願いします」
千葉「今日は毎日新聞論説委員の近藤伸二さんと一緒にお話を伺います」
近藤「よろしくお願いしますー」
小出「こんばんは。よろしくお願いします」
千葉「では、今日はまず、リスナーのかたの質問からお伺いしてまいります」
小出「はい」
千葉「京都府のラジオネーム、あおたけふみさんからの質問です。小出先生こんばんは。えー、先生のラジオや福島原発の事故後の報道なのでこの半年原子力発電やそれに伴う放射性生成物をそれなりには理解できるようになりました。理解できるほどに不思議なのですが、放射性生成物の中には様々な核種が存在してるはずなのに問題になるのはいつもセシウム134、137、ヨウ素131、時々メディアによってストロンチウム90だけです。他の放射性生成物はなぜ問題にされないんでしょうか。この疑問がどうしても分かりません。子どもを抱える身としては色んなことを勉強して、事故防衛するしかないと思っているのですが。という質問なのですが」
小出「はい。えー。ウランが核分裂反応を起こすと、およそ200種類ぐらいの核分裂生成物という放射性核種が生まれます」
千葉「200種類」
小出「はい、えー、そのうち、えー、あおたけふみさんでしょうか、がご指摘下さったように、今問題になっているのはセシウム134と137。そして事故の当初は、ヨウ素という放射能が問題になっていました。なぜそれらの放射性核種だけがことさら問題にされるかというと。原子炉の事故の時に、環境にとても逃げて着やすいというそいういう性質を持っているから、です。セシウムやヨウ素よりもっと逃げて着やすい放射性物質も、実は、ありまして。それは希ガスと呼ばれている、一群の放射性核種です。」
千葉「希ガス……」
小出「はい。えー、キセノンとかですね、えークリプトンとか。いうような希ガスと私たちが呼んでいる一群の放射性核種があるのですが。それは完全にガス体であるために原子炉の中に、入っていたもののほとんど全量が事故の時に環境に出てきてしまい、ます」
千葉「はい」
小出「はい。ですから事故の当初は希ガスが問題になった時期もあったはずなのですが。えー、希ガスというのは完全なガス体でして。仮に人間化呼吸で吸い込んでも、人……、体の中にはたまらないですぐにまた、出ていってしまう。風に乗って流れてきても地面に沈着することもない。そういう性質を持っていますので、事故の本当の当初だけにしか問題になりませんし。危険性があまり大きなものでもありません。えー、そういうことがあって、事故の当初に問題になるのは、希ガスを除けば、ヨウ素で、あるし。その後長期間にわたって汚染を広げて、食べ物などを通して被曝をさせるというのはセシウムが一番重要になる、ということです」
千葉「ふうーん。じゃあ、まあ、割と、広い範囲に広まってしまっていてこれから人体に影響があると思われるものが、今出てきているセシウムということになるのですね」
小出「そうです。えー、他にそのストロンチウムという放射性物質もありますし。えー、プルトニウムという放射性物質もありますけれども。環境に出てきた量で言えば、圧倒的にセシウムが多いので。基本的に皆さんはセシウムという放射性物質に注意を払って欲しいと思います」
千葉「あのこの、セシウムを始めとする放射性物質ですけれども。今、放射線としてはガンマー線が強い放射線ということで問題になっているというふうによく聞くんですけれども」
小出「はい」
千葉「もっとよわいベーター線とか、」
小出「はい」
千葉「それからアルファー線とか、そういったものっていうのもこれから問題になってくる可能性はあるんですよねえ」
小出「はい。セシウムという放射性核種、134も137もそうですが。もともとベーター線を出します。その上でガンマー線を出す、のです。それでー、……、アルファー線とかベーター線とかいうものは、まあちょっとした、まあアルファー線の場合には紙があればもうそれを突き抜けることができませんし。ベーター線もちょっとしたそのー……、ですね、ノートでもいいし机でもいいし、なんでも何かがあるとそれを突き抜けてくるということはありませんので。えー、外部からの被曝という意味で考えるならガンマー線だけが問題です。」
千葉「はい」
小出「えー、ただしベーター線というものを出す、あるいはアルファー線を出す放射性物質は、体の中に取り込んでしまいますと、その放射線が体の中に全部エネルギーを落としますので、むしろ危険が大きいということになりますので。注意の仕方が、違います」
千葉「はい。なるほど。えーそれではですね、今日のニュースに関する質問に行きたいと思うのですけれども」
小出「はい」
千葉「放射性物質を除染する対象になる可能性のある地域、つまり毎時1マイクロシーベルトですね、以上の放射線が観測されている地域が、福島県全体の7分の1にあたるおよそ2000平方キロに及ぶことが専門家の試算、試みの計算、でわかったということが新聞などで伝えられておりますけども。この面積について小出先生はどう受け止められましたか」
小出「それはでも、あまりにも高すぎます。」
=====(ブログ主の考え)
この受け答えを読む限り、まだもやもやします。リスナーの方からの質問への答えをうまく、千葉さんが聞き出せていない気がします。
私が考えるこの問題の焦点は、メディアがセシウムに関し手の情報しか報道しなくなっていることが問題なのではないか、ということです。
セシウム、ストロンチウム、プルトニウム、に関してメディアが広く情報を伝える、そのためには、メディアが東電から情報を聞き出さなくてはいけないのですが、事をした上で、セシウムについてメインに問題視しているならば、おそらく、リスナーの人が持っていたストレスは解消されているはずです。
今は、セシウムを除染しなくてはいけない、という1つの問題をことさら取り上げ続けているから、「ほかは大丈夫なの?」という不安が広がっていると、私は考えます。
それについて上手く、千葉さんに聞いて欲しかったなあと思いました。これからも応援しています。ぜひもっと成長してもらいたいです。いがいと千葉さんに日本の未来がかかってるかも知れませんよ。
私は喫煙者ですから、プルトニウムやストロンチウムについて、関心が、非喫煙者より高いわけです。先日8月の東北でのヨウ素騒ぎは、お子さんを持つ人達にとって不安なものだったでしょう。
つまり、何を言いたいのかと申しますと、消費者の特性によって、不安の質が異なってくるということです。
私が小出氏に提言するということは、とても大それたことなのですが。敢えてニートとして提言させていただくならば、消費者にも、様々な消費者がいるということを念頭に入れて欲しいということです。まあこれは、小出氏の仕事というよりも、メディア側、質問をする側の能力不足なのかも知れませんが。
以上の問題点から見えてくることは、放射能汚染が抱える問題が複雑すぎることです。つまり、国民全員にとって、放射能汚染は、個人的な問題であるという側面が見えてきます。社会問題である以前に、誰にとっても個人的な問題であるわけです。
この個人的な問題を、経済という側面で切り取ろうとする考え方は、私は好きではありません。経団連会長の米倉氏の発言には常に、不快感を持ちます。デリカシーがないのです。大臣が発言のデリカシーを問われて辞めさせられるのに、なぜ経済界の総理大臣と言われる経団連の会長が辞めさせられないのか、私には不思議です。経済界の良心が問われています。
また、エネルギーという側面だけで考えるならば、発電が安定するならば原発でなくても良いわけです。なぜ経団連や経済同友会が原発を推進させようとするかへの答えは、原発というインフラを支える大企業のご機嫌を伺っていることだろうと私は思っています。
原発がなくなったところで立ちゆかなる企業でしたら、とっととなくなってもらいたいと私は思います。私は企業はそんなにやわではないと思いますので、原発がなくなれば、また別の利権を探して彼らは生き残りを計っていくに違いありません。したがって原発が無くなっても立ちゆかなるとはつゆとも思っていません。
ツイッターでも書きましたが、日本は破綻を異常に恐れる国です。
世界の2大原発事故の片方、チェルノブイリ事故が起きたロシアは、事故後国が崩壊しました。また、その後も経済的な大きな破綻を経験しています。ですが今、エネルギーを国有化して経済的に成長してきています。
簡単に比べるわけにも行きませんが、破綻を繰り返してきたロシアと、破綻をしないよう恐れて回避し続けている日本を比較して考えると、見過ごしていることが見えてくるでしょう。どちらがよいとは一概には言得ないのはモチロンのことですが、破綻を怖れる日本という国の性質、国民の性質、私の性質は、どこから生まれているのかについて考えると、国民としてタフになれるのではないか。非常に抽象的ですがそのように考えています。
ドイツと日本の比較もしてみる必要があります。同じく敗戦国だったドイツと日本ですが、原子力政策に関してだけいうならば、ドイツのほうがずっと賢く、素早く、先見性があります。ドイツの原子力政策を学べば、日本がいかに原子力政策に失敗してきたかが分かります。経済的にも政治的にも、ドイツのほうがずっと先を走り続けてきました。
(※画像は、広瀬隆氏の講演動画からのキャプチャー)
http://livedoor.2.blogimg.jp/amenohimoharenohimo/imgs/b/3/b3f7a49a.jpg
そして、実はドイツはエネルギー(電力)の超輸出国となりました。すぐに私たちはフランスのエネルギー政策に目がいってしまいますが、実はドイツはフランスから電力を貰っている以上に、フランスに対して電力をあげているのです。日本のメディアの報道が不十分なせいで、私たちは知らされていないのです。
更に今、ドイツは、脱原発を宣言し、新しいエネルギー政策に大きくかじを切っています。やはりここでも、「大きな変化」に目が生きます。
日本はどのような変化をするのでしょうか。
私は個人的に、なんども生活を破綻しては、なんとか自分の考え方や生き方を変化させてここまで生き延びてきましたので、「変化」をしようとする人たちに共感しエールを送る気質があります。まだ、いまはニートですが(笑)。日本が変化したいと思うならば、私は1ニートとして日本にエールを送るでしょう。
=====(文字おこし、下記に続く)
続き:小出裕章が語る、除染対象「毎時1μSv以上」が高すぎること、川内村の帰還宣言が難しいこと。 9/15(2/2)
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65764053.html
2011年09月16日06:01 ざまあみやがれい!
2011年9月15日、小出裕章氏が毎日放送「たね蒔きジャーナル」に出演しました。テーマごとに2回に分けて掲載いたします。
1回目は、「小出裕章が語る、今なぜセシウム・ヨウ素等の特定の放射能だけが注目されるのか 9/15(1/2)」。今回はその続きです。
千葉「はい。なるほど。えーそれではですね、今日のニュースに関する質問に行きたいと思うのですけれども」
小出「はい」
千葉「放射性物質を除染する対象になる可能性のある地域、つまり毎時1マイクロシーベルトですね、以上の放射線が観測されている地域が、福島県全体の7分の1にあたるおよそ2000平方キロに及ぶことが専門家の試算、試みの計算、でわかったということが新聞などで伝えられておりますけども。この面積について小出先生はどう受け止められましたか」
小出「それはでも、あまりにも高すぎます。毎時1マイクロシーベルトということを許してしまうと、ですね。1年間に8ミリシーベルト、あるいは、9ミリシーベルトになってしまいます。それは、いわゆる一般の人々に対する国が定めた線量限度のほぼ一桁も高いような、物になってしまいますので。どうしてそんな基準でいいのか、まずそれを問わなければいけません。」
千葉「あの、それくらい高い地域を考えてもですね」
小出「はい」
千葉「その区域全体の、土をセシウムをほぼ除去できると言われる、高さ5センチまではぎ取ったと、したとして、」
小出「はい」
千葉「その体積は東京ドーム80杯分の、およそ一億立方メートルになるということなんですけれども」
小出「はい」
千葉「もしこれだけ大量の土を剥ぎ取ったとして、処分施設を建設するという話は、現実性があるんでしょうかねえ……」
小出「私はないと思います。」
千葉「うーん。で、専門家は中間貯蔵施設というものを、まあ作るとして、その施設についてはコンクリート容器に汚染された土を入れて浅い土の中に埋める方式などがあるとしてるんですけれども。これまで放射性廃棄物をこんなやり方で貯蔵した例というものはあるんでしょうか」
小出「えー……。色々なことを考えてきまして。コンクリート製のよう…プールのようなものの中にいれてしまうという案も、もちろん、ありましたし。えー今回の場合には、そういうこともとらざるを得なくなるかも知れないと思います」
千葉「うーん」
近藤「先生あの、この中間貯蔵施設そのものなんですけれども。」
小出「はい」
近藤「まあ政府は、あの、これはあくまで福島県内に、あくまで中間で作るんだけ……作ったあとに県外で最終処分というそういうような言い方してるんですけれども。現実にはそのなんかあの、沖縄の普天間を連想してしまうんですけれども」
小出「はい」
近藤「そのあたり政府の説明と言うんですか。地元に人に与える、まあ、心理的なもの、先生はどう見ていらっしゃいますか?」
小出「近藤さんが今おっしゃったとおりだと、私も思います。えー、仮に、中間貯蔵施設というようなものを福島県内に作ってしまえば、二度とそこから動かないと覚悟する以外にありません。」
近藤「はい」
千葉「まあそういったところからですね、環境省などは、除染の範囲を減らして人家に近いところや農地などに絞り込んで、森林のところは除染しないということを考えたりして、出てくる土の量を減らしたりしたいと思ってるようなんですが。こうなると広大な立ち入り禁止の中に除染した入ることが出来る部分が、砂漠のオアシスのように点在するというような、ことがイメージされるんですが。それで実際問題生活は出来るんでしょうか」
小出「大変難しいだろうと私は思います。えー……、生きて行くためには様々な施設がいるわけですし。まあお店も必要だし、えー、医療機関も必要だろうし、如水も供給されなければいけない。下水の処理もできなければいけない。そういうことを考えると、はあ……なかなか……砂漠の中のオアシスというような形では、生活自身が成り立たないでしょうから。やはりある、汚染の範囲は、そこのところは当面あきらめるということ、に、なるだろうと私は思います。」
千葉「そんな状況の中、ですね、地元は早く帰りたいという意思を示しているのか、福島県川内村の村長さんが、来年3月までに全ての村民を村に返すことを目指すという帰還宣言というものを年内にも行うというニュースが伝わってきてるんですが。警戒区域を除いてそんないを除染して、被ばく線量を、村内の被ばく線量を年間1ミリシーベルト以下として安全が確認されたら村長が帰還宣言をするということなんですが。除染の現実を考えるとこのスケジュールは成立するんでしょうか……」
小出「ええ……。大変言いにくいですけれども、できないと思います。」
千葉「やはりその短期間で、そういった形のことをするというのは、難しいということですね」
小出「はい。先程聞いていただいたように、その全部を除染するということは、まず、出来ませんし。えー砂漠の中のオアシスを取りのこすような形での帰還というのは、多分インフラが整わないという意味でできないだろうと私は思います。皆さんもお帰りになりたいというお気持ちは、痛いほど分かりますけれども。難しいだろうと私は思いますし。むしろ国のほうで、積極的に別の土地で生きられるような、施策を次々とつくっていくということをやった方がいいだろうと、私は思います」
千葉「うーん。1つ除染の有効な手立てだと思われていたヒマワリについては、残念ながらほとんど効果はなかったということが今日報道されていますけれども。」
小出「それはもう始めから私、この番組でも申し上げたと思いますが。まずはほとんど効果がありません。」
千葉「やはり、土を剥がしていくというのが一番効果があると、日頃から先生が仰っている、ことでなければ難しいようですね」
小出「そうです。」
千葉「はい……。分かりました。小出先生どうもありがとうございました」
近藤「どうもありがとうございました」
小出「ありがとうございました」
=====(文字おこし、完)
=====(ブログ主の考え)
小出氏のいつもの主張です。法律で定めていることに反している被曝量を国が推進しているという事実について述べています。私たちはもう慣れっこになっていますが、よくよく考えるとこれは異常な事態です。
私は大学では法律を少しかじりました。法律は私たちの生活を、大雑把に規定するものです。その上で、「倫理や道徳上の習慣」ももちろん尊重されるべきです。この法律を国自身が違反しているというのは国家の根幹を揺るがすことです。
こういった変更を、国は3.11以降結構やっていて、例えば、食品の放射能限度、1kgあたり500ベクレルというのがあります。私たちは言われるままに従っていますが、チェルノブイリ事故が起きたときに、この日本という国が輸入の際に定めた限度は、いくつか知っていますか?
食品1kgあたり、370ベクレル、だったんです。この放射能限度で日本は水際で汚染食品を食い止めようとして、ワーワー騒いでいたわけです。
●チェルノブイリ事故時、1kgあたり370ベクレル。
●福島事故時、1kgあたり500ベクレル。
今は、チェルノブイリ事故時以上の食品汚染を認めています。3.11以降に限度を高めに設定しなおしたのです。チェルノブイリ汚染に対して騒いでた国が、知らんぷりして、国民にチェルノブイリ時以上の汚染食品を与えているというわけです。
小出裕章氏は、汚染食品を責任のある大人が食べるべきだと主張していますが、実は小出氏が低減をする前から、国が1kgあたり500ベクレルと一律に設定していたのです。
小出裕章氏の提言に抗議したい人は、順番として、国に抗議してから、小出氏に抗議すべきでしょう。
小出氏の考え方は、汚染食品のレベルを細かくレベル分けして、年齢が上の人が高汚染食品を食べる必要があるからそれを規則にするという考え方です。この提言は、子供たちに汚染が少ない食品を残すことを目的としているのはいうまでもありません。
更にいうならば、経済力を優先せず、「規則」を優先させようとする考え方です。今のままでは、お金を持っている裕福な層が、汚染度が低い食品を独占するという危険性をはらんでいます。実際にそのようになるでしょう。経済性が優先できるからです。
小出氏の提言は、経済性よりも、規則を先に越させようとします。つまりは食料統制です。
まあこれを行っても闇取引が横行して、お金を持ってる人が汚染レベルが低い食料を手に入れるでしょうが、法的に取り締まることも可能になります。
つまり、今のままでは、お金を持っている人が少ない汚染の食品を手に入れるという構造になってしまいます。お金を持ってる人がコメを買えるという、米騒動と同じ構造の問題をはらんだままになってしまうというわけです。
小出氏に対して抗議したい気持ちもわかります。実際に同じ家庭内で汚染レベルの違う食品を食べ分けるのは簡単なことではないからです。お母さんの調理の苦労は半端じゃないでしょう。
だけど、この問題は、実は小出氏の提言が抱える問題点ではないのです。実は小出氏が提言しなくても同じ問題はやはり生じます。つまり、小出氏の提言に対して、上記のように抗議する前に、やはり国と東電に対して同様の抗議を行うべきなのです。
これが福島原発事故後の日本が抱える問題なのです。簡単な解決方法はありません。3.11以前のように心配せず何でも食べて、食べ与えることができる日本ではなくなってしまっているのです。
まずは、国が汚染食品の放射能限度を、370ベクレルから500ベクレルに引き上げたことに対して、強く抗議すべきです。法律を国が守らなかったり、基準を変更するのはおかしいのです。
先日のデモで12人の逮捕者が出ています。不当逮捕との声もあります。私は警官という職に就く人の考え方を持っていませんので、つまらない仕事をしてるなあと冷ややかに見ています。私が警官だったらとっくにやめています。あいまいな法律に従って他人を逮捕する仕事に充実感など持てないからです。
もし私が警官ならば、東電の責任者を逮捕したいですし、国民をより被爆させようとしている人たちを逮捕したいですし、法律を守らない政治家や医者を逮捕したいからです。
もし、警官という仕事に不満を持つ警官が増えているとすれば、治安は正しく維持できないでしょう。その責任は国家にあります。国家が正しい姿勢で法律を執行しない限り、法の執行者たちには迷いが生じることになっていくでしょう。
また、川内村の帰還宣言については、別の見方を知っておく必要があります。中手聖一氏のインタビューでは、福島県内では自治体からの人口流出を懸念する声が、疎開よりも強いという実態が語られています。
「中手聖一氏が語る、夏休み以降の福島の子供たちーー20mSv撤回以降まだ施策なし/県内から「人口流出防ぎたい」と疎開反対の声 9/8」より一部引用します。
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65763280.html
中手「えとですね。じつはこれ県外と県内でですね、まるっきり違ってまして…‥。福島県内ではですね、どうしてもやはり住民の流出、とくに若い世代の流出というのを、えー、歓迎できないって言いますかね、あのー、食い止めたいというような意識のほうがどうしても自治体、あるいは議会の方々などでも強いんですね。学校もそうなんです。一方で県外の方ではですね、非常に理解をしてくれて我々に出来る範囲であれば、大いにやろうじゃないかというようなですね……」
福島の市民グループ「子供たちを放射能から守る福島ネットワーク」代表中手氏の発言には注目しておきたいところです。
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