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広河隆一著「福島 原発と人びと」(岩波書店)
<参照>
[CML 011888] 広河隆一『福島 原発と人々』(岩波新書)
http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-September/011750.html
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原発とマスメディア問題をえぐる本/発表垂れ流しに批判「しんぶん赤旗」 2011.09.04 日刊紙 6面 書評欄
福島第1原発事故からほぼ半年。「安全神話」を流布し異論を排除してきた「原発利益共同体」に批判が向けられ、その一角を占めるマスメディアの問題をえぐる本も目立っています。国民ばかに チェルノブイリ原発事故の取材などで知られるジャーナリスト、広河隆一氏の『福島 原発と人びと』(岩波新書・760円)は、事故発生直後、現地に急行した取材にもとづく、迫真のルポルタージュです。
広河氏らが避難区域内に入ると、測定器の針が振りきれるほどの放射線量を検出しましたが、現地では「ただちに健康に影響はない」「念のための避難」などという政府の言明を繰り返し聞かされ、事態の深刻さが分からず、とどまっていた人々もいました。
広河氏は、このように東電や政府によって「徹底的に情報が管理され」「必要な情報も数多く隠蔽された」結果、数々の被ばくが引き起こされたことを指摘し、当局の言い分を「そのまま伝えることしかしなかった」マスメディアも、「単に当事者の言い分を伝えるだけでなく、それを追認することになる」のだと、責任を指摘します。
自社の記者には40`、50`圏に近付かないよう指示しながら、住民には、政府が言う「安全」を右から左へ流してきた無責任な姿勢への批判は痛烈です。
放送ジャーナリストらの手で震災や原発事故の報道を検証したのが、メディア総合研究所・放送レポート編集委員会編『大震災・原発事故とメディア』(大月書店・1300円)です。
出演者に「危ない」と発言させない放送現場の「自主規制」問題が指摘されています。政府にマスコミ対策などを説いた文書「原子力PA方策の考え方」(1991年、科学技術庁委託・日本原子力文化振興財団作成)が、資料として収録されていますが興味深い。作成メンバーには大手紙論説委員や電気事業連合会幹部が加わり、「停電は困るが、原子力はいやだ、という虫のいいことをいっているのが、大衆である」など、国民をばかにした発言が出てきます。
原子力研究者やジャーナリスト8人が共同執筆した丸山重威編・著『これでいいのか福島原発事故報道』(あけび書房・1600円)も、マスメディアと原発推進勢力との癒着を多角的に指摘しています。
対談形式の上杉隆・烏賀陽弘道著『報道災害【原発編】』(幻冬舎新書・840円)は、記者会見の場で東電トップらの矛盾した受け答えを追及するフリーのジャーナリストに、全国紙の記者が「お前たちだけの会見じゃねえんだよ」「独りよがりの質問をしてんじゃねぇーよ」と妨害の罵声を浴びせてくるなど、驚くべき実態を告発しています。自己検証を 『経済』9月号(新日本出版社・933円)の座談会「大震災・原発事故とジャーナリズム」(桂敬一・須藤春夫・野中章弘)は、メディア産業の激変も視野に、政府発表を垂れ流す問題をとりあげ、「新聞各紙は過去、歴史的に原発をどう報じてきたか、第三者の検討委員会などを置いて自己検証すべきです。それなしには読者への信頼は得られません」(野中)と反省を迫っています。
(清水博)
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