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東京電力福島第1原発事故による海洋汚染の実態解明が遅れている。
時間の経過とともに、放射性物質が海底に移動している様子がうかがえるが、拡散の経路や海底の汚染状況などがはっきりしない。
安全なものしか流通させないよう水産物の検査を徹底するのは当然だ。同時に、政府は生態系への影響を含む総合的な調査を急ぎ、汚染の全容を把握する必要がある。
日本原子力研究開発機構は最近、海洋への放射能放出の総量を1万5千テラベクレルと試算した。これは従来の推計の3倍を超す深刻な数字だ。
事故は依然収束せず、汚染水の海洋流出を完全に止めるのは困難だが、少なくとも東電は遮水壁の建設を急がねばならない。
水産物の検査は、北海道から神奈川県までの自治体を中心に実施されている。
当初は表層を泳ぐ魚の汚染が目立ったが、6月以降は、アイナメ、カレイ、ヒラメなど海底付近の魚介類に広がっている。
検査体制は万全とは言えない。検査対象が食用の魚介類に限られる上、品目や頻度も自治体と漁協に任せられ、ばらつきがある。
食物連鎖を通じた汚染の拡散を突き止めるには、魚の餌となるプランクトンや海底の泥の中にいる生物などの放射能調査も欠かせない。
食品検査で手いっぱいの自治体に代わり、水産庁が漁獲対象以外の幅広い海洋生物を調べるべきだ。
福島県では沿岸漁業の操業自粛が続いている。現在、原発から30キロ圏内の海域で水産物検査は行われていないが、作業の安全に十分配慮し調査に着手すべきではないか。漁業者も汚染の実態を知りたいはずだ。
海水と海底土については、文部科学省と東電が調査している。
専門家は、陸地と同様、海底のくぼみなどに局所的に放射線量が高い「ホットスポット」が存在する可能性を指摘している。海底の調査地点を増やし、汚染の激しい場所を特定してもらいたい。
海水の放射能レベルは徐々に低下しつつあるが、油断はできない。
日本海洋学会は、文科省が採用する簡易な測定方法では精度の高い結果が得られないとし、高感度の分析方法に切り替えるよう求めた。理にかなった提言である。
諸外国も海洋汚染に注目している。情報公開のあり方は日本の国際的な信用にもかかわる。
関係省庁が協力して調査を充実させ、詳細なデータに裏付けられた長期的な予測も示す必要がある。正確な情報を迅速に公表することが、信頼の前提だ。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/318111.html
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