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確実に進行している放射能汚染
福島原発事故の報道も少なくなり、一見事故は収束に向かっているように感じられてしまう。しかし、依然として福島第一原発からはかなり高濃度の放射性物質が漏れ続けている。今はまだ気温が高いので目に見えないが、やがて気温が低くなれば立ち上る蒸気が白く目に見えるようになるだろう。
一番の問題は未だに核燃料の状況がはっきりとはわからないことだ。核燃料が燃料棒の形をとどめず、溶け落ちていることは確実だ。そして圧力容器からその外側の格納容器へ漏れ落ちていると言われている。しかし、格納容器をも溶かしてその外側のコンクリート、そして、原発建屋の土台をも溶かして地中深く沈み込もうとしているのではと推測する方もいる。
東京電力から9月8日に公表された「福島第一・第二原子力発電所の現況」という資料が次のURLにある。 http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/images/f12np-gaiyou_2.pdf だ。しかし、これを見ても、溶け落ちた核燃料がどういう状況にあるのかはわからない。一切説明がされていないのだ。原子炉圧力容器の温度が90度程から110度ほどだと公表しているが、既に核燃料は溶け落ちて圧力容器内にはほとんど残っていないことがほぼ関係者全員の合意事項だ。この資料には、毎日の注水量さえ載っていない。
最もひどいのは「設備の現況」という欄で「冷温停止中」との記載があることだ。燃料棒が溶け落ちずに「冷温停止」したのなら確かに「冷温停止」でいい。しかし、実際は燃料棒は形をとどめずに溶け落ちていて、核燃料が高温のマグマのように塊になり、その表面だけが水に接してシュークリームの外側のように固まっているだけのはずだ。だから、そこから基本的にいろいろな放射性核種が大気中へ漏れ出している。現在の冷温停止とは、マグマのように原子炉底部に溜まった核燃料の表面を水で冷やしているに過ぎないはずで、核燃料の封じ込めが出来ているわけではない。それなのに東電の発表資料は「封じ込め」の欄に〇をつけて、いかにも封じ込めができているかのように装っている。
本来、原子炉内にある核燃料の崩壊熱の程度は、もともとあった核燃料の状況から計算により推測ができるはずだ。だから、どの程度の水の蒸発があれば、今、核燃料が格納容器内に残っているのか、それとも、そこから外へ漏れ出しているのかも分かるはずだ。
各原子炉への注水は流量計を付けて行われている。回収する水量も当然その量を計ることができるから、本来ならすぐに蒸発によって失われた水量が出てくる。仮にこれが分からなくても、原子炉の温度と圧力が計測できているのだから、そこから蒸発水量は計算できる。
溶けた核燃料がどんな形状になっているのか、つまり、一部が炉心にとどまっているのか、圧力容器の底に全量があるのか、格納容器へどの程度が漏出しているのか、または、格納容器の外側のコンクリートをも溶かして突き破ってしまっているのか、それが分からないからかなり計算は難しいだろう。しかし、それぞれの場合ごとに条件設定をしてシュミレーションをすれば最も可能性の高いものはどれか、それは分かるはずだ。
炉心に一部核燃料が残っていてそれが圧力容器の底にたまっている水へ落下し水蒸気爆発を起こすとか、原子炉建屋の土台を突き破って溶け落ちた核燃料が地下水脈にあたってそこで水蒸気爆発が起こると予測される方もいる。
少なくとも水蒸気と共に大気中へ毎日吐き出されている放射性物質のおおよその量と核種ぐらいはきちんと観測して公表するべきだと思うが、それもされていない。福島県内はもちろん各地の放射線モニターもきちんと機能しているのか、疑問に思うのは僕だけだろうか?多くの市民が使っている中国製の計測器が当てにならないという発表はどういう意味なのかとさえ疑ってしまう。
*6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<700>>
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