http://www.asyura2.com/11/genpatu16/msg/389.html
Tweet |
児玉龍彦教授激白「国民総出で妊婦と子供を守れ!」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/18575
2011年09月10日(土) フライデー :現代ビジネス
原子力行政を批判し、除染活動を続ける東大アイソトープ総合センター長に密着
「私は、今こそ、子供と妊婦が安心できる日本の国土を作ることに日本国民が全力を挙げる時ではないかと思っています」
おだやかな笑みを湛えていた児玉龍彦東京大学アイソトープ総合センター長(58)は、そう言うと一転、険しい表情になり語気を強めた。本誌は8月27日、福島県南相馬市原町区にある2ヵ所の保育園で放射線量の調査と除染指導を行った児玉氏に同行し、話を聞いた。
児玉氏は、5月の下旬に初めて南相馬市を訪れて以来、今もなお、ほぼ週に1回というペースで同市に入り、放射能汚染の実態調査に加え、コケ・泥の除去や高圧水による現地の除染作業を進めている。児玉氏といえば、今国会中の7月27日に開かれた衆院厚生労働委員会で、政府の放射能汚染への施策の不備に対し猛抗議をした姿が被災者を中心に共感を呼んだ。その時、彼はこう声を荒らげた。
「現在、警戒区域や緊急時避難準備区域の分け方は(福島第一原発を中心とした)同心円を基本としていますが、それではまったく意味がないのです。もっと細かく測らないと意味がない。現在、南相馬市では、原発に近くても比較的線量の低い地域から、遠くても線量の高い地域へ子供たちを通わせているのです。むしろ危険になっている。その考えの根底にあるのは、強制避難でないと補償しないという東電と政府の答弁です。補償問題と子供の問題は分けて考えて下さい」
被災地の現実から目を背け、机上での補償費用の問題にのみ終始する東京電力と政府の姿勢を真っ向から批判したのだ。
児玉氏のこの憤りは、放射線量調査と除染作業の中で国がいかに子供や妊婦といった弱者を軽視しているかを身に染みて感じたことによって醸成された。
児玉氏は本誌にこう語る。
「現行の法令は、生活環境中の除染を規定していません。私たちは、現地で住民の方が扱うのにふさわしくない高い放射線量のものを東京に持ち帰って分析しています。それらにはアイソトープ施設で認可を受けていないテルル129m(ベータ線を出す)なども入っており、それらを持ち込むことが脱法行為に当たることは事実です。しかし、現実にそぐわない法律に従っていては、妊婦と子供を守ることができないんです」
作業に同行し、最初に訪れた「北町保育所」では、保育所の職員たちから、児玉氏へ率直な不安がぶつけられた。ここは、福島第一原発から直線距離で25kmの原町区に位置する。職員の質問に児玉氏はよどみなく対応策を答えていった。
---園児の被曝を抑えるためには?
「まずは表土を削って、密閉性の高いコンテナに詰め、園庭の隅に保管するのが良いでしょう。あとは、土をできるだけ屋内に入れないことです。園児が土を誤って口に入れてしまっても1回や2回ならばあまり心配する必要はありません」
東大スタッフたちは、世界でもトップレベルの高性能を誇るALOKA社のシンチレーションカウンター『TCS-161』を使って園内の放射線量を計測していく。やはり、水や泥が溜まるところでは線量が高い。ある雨樋の下では、10マイクロシーベルト(毎時)を超えた。同様に室内の線量を測定する。室内の放射線量は総じて0.1マイクロシーベルト程度と低く、保育園の再開を願う職員たちもホッとした表情を浮かべた。
その後、同地区内の「聖愛保育園」へと移動する。到着するなり、児玉氏は不安げな表情を浮かべる職員に囲まれた。
「屋上のゴミと排水溝の泥を埋めようと思い、園内の畑に置いてあります。このままここに埋めても、子供たちに危険はないのでしょうか」
児玉氏は、計器を持ったスタッフを呼ぶ。高線量が予想されるため、マスクをしてそれらの線量を測ると、排水溝の泥を入れた容器に近づけた刹那、計器の針が振り切れた。測定単位を最大に調整して再度測定するが、またも針は振り切れる。最終的にデジタル表示のモニターには、45マイクロシーベルト(毎時)という非常に高い数値が表示された。これを残しておくことは危険だと判断した児玉氏は、東京から持参した密閉性の高いドラム缶に入れ、引き取ることとした。
聖愛保育園では独自で放射線量の測定をしており、その測定で1マイクロシーベルトを超える遊具は撤去を予定しているという。ある職員は、「かなりの数の遊具を撤去しなければならなくなるでしょう。寂しくなりますね」と言って俯いた。
児玉氏は、今後の展望をこう語る。
「現在、南相馬市の除染は良い方向に進んでいます。表土を削る作業も進み、今は削った土を埋めるためのコンテナに関する議論に入りました。ここまで進んだのも、市が適切に情報を整理し、活動を主導しているからです。国は、その動きをサポートする、除染方法や食品の安全検査について詳しい情報を持った、本当の意味での『原子力安全委員会』を作らなければならない。『子供と妊婦を守れ』ということに反対する政治家は誰一人としていないはずです。首相が誰になろうと、それを早くやれと言うだけです」
児玉氏は、政治家だけでなく、科学者、経済人、マスコミと、すべての人がそれぞれの立場で行動することが必要だと語る。これは福島だけの問題ではない。
「フライデー」2011年9月16日号より
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素16掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。