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不安増す「内部被曝」…検査結果が怪しいゾ!
http://www.zakzak.co.jp/zakspa/news/20110907/zsp1109070955001-n1.htm
2011.09.07 ZAK×SPA!
★内部被曝測定装置どこまで信用できる?
設置病院には問い合わせ殺到、避難者以外は検査できないことに不満続出、簡易検査は10月まで予約満杯!
牛肉からセシウムが検出されたりと、内部被曝の不安に駆られる人が増えている。そんななか、内部被曝を検査する装置・ホールボディカウンターに人々が殺到している。しかし、その計測数値の読み方や検出された核種に矛盾があるなどの問題も明らかになっている。ホールボディカウンター。それは内部被曝検査の最終兵器なのか?
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不気味に広がる内部被曝…検査は予約殺到で門前払い!
http://www.zakzak.co.jp/zakspa/news/20110907/zsp1109070954000-n1.htm
2011.09.07 ZAK×SPA!
「Hがんセンターでホールボディカウンター(以下、WBC)を受けてきました。測定結果、内部被曝していました」
8月中旬、都内在住のある男性のツイートが話題になった。この男性は、都内在住でしばらくは京都に避難していたというが、セシウム137と134が検出されたというのだ。
ツイートに添付された画像を見ると、確かにセシウムの箇所は「ND」(検出せず)ではない。この男性以外にも、「長崎の病院でWBCを受けたらストロンチウムが検出された」という男性や、某誌記者がWBCを受けて、セシウムが検出された記事などが話題になっている。
実は今、福島第一原発至近からの避難住民以外でも、内部被曝を危惧してWBC検査を望む人が急増しているのだ。
神奈川県の北里大学病院は、緊急性の高い被曝者治療のための二次被曝医療機関として指定されており、WBCや除染室などを設置している。そのため、首都圏の一般市民からの問い合わせも殺到している。病院側がわざわざ「一般の方々からの依頼については対応できません」とHPで告知しているほどだ。
子供の内部被曝を危惧する若い母親は不安を漏らす。「北里大学病院や放射線医学研究所など首都圏でWBCがあるという施設に問い合わせしたけど、どこも受け入れてくれなくて…」
なぜ受け入れできないのか。ある病院関係者はこう釈明する。「WBCを設置する病院は非常に少ないのが現状。そして、まずは福島から避難された方の検査が優先です。なかなか東京や神奈川の一般市民の方々の対応までは手が回らない」
そんな事情を受けて、一部の病院では“簡易WBC?を利用して、一般の人も対象に内部被曝検査を行うと謳うところも登場した。
そのクリニックに電話してみると、「現在、10月まで予約が埋まっており、取材などにも応じられない」という。
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“内部被曝者”が相次ぐワケ…医師の力不足も
http://www.zakzak.co.jp/zakspa/news/20110908/zsp1109081030001-n1.htm
2011.09.08 ZAK×SPA!
これだけ多くの人が不安を抱え、WBCによる検査を受けたがっているのだから、機械を増産すればいいじゃないかとも思えてしまう。
しかし、精密なWBCについて言えばそうもいかない理由があるという。放射線安全管理学を専門にする首都大学東京大学院・福士政広教授は次のように語る。
「精密なWBCに限って言えば、そう簡単に量産できない事情がある。まず材料にする鉄が問題です。通常の鉄は、戦中から内壁にコバルト60を埋め込んだ溶鉱炉を使うようになったため、バックグラウンドの放射線数値が高くて使えない。そのため、戦前に造られた戦艦などの鉄を特殊な炉を使って造る必要があるんですただし、簡易型についてはこの限りではありません」
さらに、WBC自体も、これさえ受ければ内部被曝がバッチリわかるわけではないという。
「WBCは体内のγ線を計測するため、γ線源となるセシウム(134、137)、カリウム40、ヨウ素131は計測できますが、計測できない核種も多いんです」
計測についてもかなりの技術を要する。「病院の放射線科にいる医師は、レントゲンやX線CTなどの高線量の放射線を扱っている。そのため、低線量被曝についての知識も少なく、ごくわずかな検出結果から的確な判断を下せるスキルが足りなく、かつ人材が不足しているんです」
検出結果の読み方の理解不足は、受診者の不安も煽る。例えば、冒頭で紹介したツイッターでつぶやいていた男性だ。「この人物がアップしていた計測結果を見ると、計数値が19.46cpmと小さすぎる数値です。
ほとんどゼロといっても過言ではない。また、摂取量も実効線量も計測結果に比べ、誤差の範囲が大きすぎる。定量的とは言えない。これをきちんと説明できないのは医師の力不足だと思います」
◇
不安煽る検査装置の誤作動…それでも“切り札”
http://www.zakzak.co.jp/zakspa/news/20110908/zsp1109081030000-n1.htm
2011.09.08 ZAK×SPA!
福士教授によると、正確な数値を把握するためには少なくとも1万カウントくらいは必要だという。となると、単純計算で500分、WBCで計測しないと正確な数値はわからないことになる
誤差については、例えば1cmの物を測ったけど、目盛りの数値に3m近い誤差があるかもしれない…というようなこと。つまり、「その結果は計測結果として意味がない」のだ。
「また、WBCでストロンチウムが検出というのも、誤作動だと思います。ストロンチウム90はWBCでは測定できない。WBCで測定可能なストロンチウム85は、原発由来の放射性物質には含まれていない核種なので検出されるはずがないんです」
検査をする側も、検査を受ける側も、こうした知識が不足していると、不具合や検出結果の矛盾などを見抜けないまま数値だけが独り歩きし、不安を煽るだけの結果になってしまうのだ。
また、高精度のWBCは機械としても非常にデリケートだ。
「まず正確に測るためには、バックグラウンドの放射線を遮蔽する必要がある。さらに、今までほとんど稼働していなかったため、動作に不安がある機器も多い。WBCはメンテナンスが大変で、校正(線量が明らかな放射線源を用いて、数値を正すこと)されていないと、数値も信用できなくなる」
いろいろと難しいWBCによる測定。しかし、それでもWBCが内部被曝検査の切り札であるのは事実。そのためにも、測定結果の読み方などについて、検査を受ける側も知識を身につけ、無用な不安を抱いたり、拡散しないようにしたいものである。
■やっぱり内部被曝が気になる人は…
WBC検査は基本的に被災者優先なので、被災地以外に住む人が検査を受けることは難しい。それでも内部被曝が気になる人は、尿検査で放射性物質の有無を測定することもできる。放射線検査事業のRHCジャパンは9月から個人向けに尿の放射能検査を開始するという。「申し込みから2週間で検査容器を発送するので、20cc採尿後、容器ごと返送してもらい、2週間で結果が出ます。ヨウ素131、セシウム134、137が測定可能です」(RHCジャパン担当者)
取材・文/編集部
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