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農作物についての出荷規制解除及びセシウム汚染検査は機能しているか
結論として、とても機能しているようには見えない。厚生労働省の次のリンクに原子力災害対策本部の「検査計画、出荷制限等の品目・区域の設定・解除の考え方」という文書がある。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001lbnq-att/2r9852000001lbu3.pdf
ここで、出荷規制解除の条件とされるのは次の部分だ。
以下引用:
(1)放射性ヨウ素の検出値に基づき指示された出荷制限等
当該区域毎に原則として複数市町村で1週間ごとに検査し、検査結果が3回連続、暫定規制値以下とする(過去に暫定規制値を超えた市町村は必ず検査し、その他の市町村は原則として同一市町村での検査は行わない)。
(2)放射性セシウムの検出値に基づき指示された出荷制限等
当該区域毎に原則として1市町村当たり3か所以上、直近1か月以内の検査結果がすべて暫定規制値以下とする(過去に暫定規
制値を超えた市町村は必ず検査する)。
なお、解除の判断にあたっては、福島第1 原子力発電所の事故の状況も考慮する。
以上引用終わり。
放射性ヨウ素の半減期は一週間ほどだから、単に一週間とか一ヵ月時間が経過したために汚染程度が低減したと言う可能性はある。しかし、セシウムについては半減期は30年だ。一度規制値越えをした場合、少なくとも10年程度は規制値越えの状態が続くはずであり、規制値解除は何らかの対策、つまり、表土を入れ替えたとかの除染措置がされたと言う事実がなければいけない。ところが、上に引用した規制解除の条件はなぜ検査結果が規制値以下になったかの説明は必要とされていない。
なお、上の引用文中の「当該区域」とは次のような形で定められている。「自治体がその県域を適切な区域に分け、当該区域毎に複数市町村で検体を採取する。検査は検査対象区域内の複数の市町村を対象とし、市町村の選択に当たっては、食品から暫定規制値を超えた放射性物質が検出された市町村を優先的に対象とするほか、土壌中のセシウム濃度、環境モニタリング検査結果を勘案する。」
つまり、複数の市町村にまたがって広がる農地のどこの部分でサンプル採取をしてもいいのだ。一回規制値越えをした農地から続けてサンプル採取をする必要はないし、その近隣から続けてサンプル採取をする必要もないのだ。
本来、出荷制限は次のようにする必要がある。
「汚染の可能性が多少でもある地域、つまり、関東地方から東北地方については、農地を1ヘクタールまたは100ヘクタールほどの網の目状の区域に分け、それぞれの区域で毎週または毎月セシウムなどの検査を行う。規制値以上の汚染が確認された場合は、その地点を中心に半径100mの範囲で東西南北の4地点を調べ、規制値越えをしていた場合は、更にその地点から半径100mの範囲を検査する。こうして、規制値越えをしている地域を確定し、原則として10年間その地域内からの出荷は認めない。なお、除染措置がされた場合は、そのことを証明する書類を提出して改めて規制値以下になったかどうかの検査をしたのち、出荷再開を認める。」(なお、ここでサンプリングはその農地で栽培されている野菜を採取することを意味する。だから、その農地で何ら栽培されていない場合はそこから最も近い栽培地の野菜を採取すること)
今の状況はたまたまサンプリングの時に引っかかっても、その後のサンプリングを細工して汚染地域を避け、結果的に以前と同じように汚染された野菜などが規制値以下とされて出荷されているとしか考えられない。ある場所で規制値越えの野菜がでたら、その場所を中心に半径1kmほどは同じような汚染程度であるはずで、何らかの工夫をしない限り、その地域からの野菜などは汚染が続く。
*6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<693>>
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