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2011年9月5日20時17分 朝日
http://www.asahi.com/national/update/0905/TKY201109050407.html
東京電力福島第一原発事故で周辺の子どもたちが甲状腺にどれぐらい被曝(ひばく)したのかを調べた政府の現地対策本部による検査結果について、原子力安全委員会は5日、個々の健康リスクは評価できないとした。その上で、長期的に子どもを追跡する県の健康調査の充実が重要だとした。
検査は安全委の指示で3月下旬、飯舘村と川俣町、いわき市の15歳以下の小児約1150人に実施された。住民の要望に応じて8月中旬以降、個別に検査結果が通知された。検出限界以下の子が過半数を占め、それ以外で内部被曝の存在が確認されたが、医療措置は必要ないと判断されている。
通知されたのは1時間当たりに甲状腺から体外に出ている放射線量の計測値で、将来にわたる内部被曝線量の推計は出されなかった。同じ計測値でも1歳と15歳では甲状腺の放射線への感受性は5倍ほど違うため、一律に計測値だけでは判断できない。
政府の原子力災害対策本部・生活支援チームから住民への結果通知について報告を受けた安全委は、3月の検査は「全体状況を把握するのが目的」だったことなどから、「誤差が大きい」(班目(まだらめ)春樹委員長)と判断。測定値から個別の子の内部被曝線量を推計して健康リスクを評価するのは「乱暴すぎる」(久住静代委員)と結論づけた。
仮に甲状腺がんを発症しても進行が比較的遅いことなどから、生活支援チームは、個人のリスクが不明でも、定期的に検査を受けるように働きかけることで対応したいとしている。
(大岩ゆり)
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