「ばかやろう」おじさんと横浜の女性市長
http://takedanet.com/2011/09/post_197b.html
平成23年9月3日　　武田邦彦（中部大学）

（この話がおじさんと横浜市長に届くと良いのですが）

日本人は何かにおびえているのか、それともお金にとりつかれているのか、福島原発事故のあとの日本の指導者や市長、おじさんなどに異常さを感じるのは私だけではないと思います。

読者からのメールで、ある説明会で「1年に20ミリシーベルトというと400回のレントゲンに当たると聞いたので不安になった」という質問をしたお母さんに、あるおじさんが「ばかやろう！」と叫んだという話を知りました。

お母さんが不安になるのは当たり前で、人間は頭脳と心を持った存在ですから、今までレントゲンはできるだけ浴びないようにと言われているのに突如として400回まで大丈夫と言われても、そのまま信じられないのは当然です。

おじさんが「ばかやろう！」と叫ぶのも理解できます。おじさんは「子供の健康より日本の発展」を願っているのです。「個人を犠牲にして国家を繁栄させる」という考えは人間古来の思想ですから、おじさんの気持ちもわかります。

「殿様のご命令とあれば我が子の命を捧げる」という物語もあります。でも、おじさんの叫びというかイライラを思うと、まだ日本は野蛮国家なのかも知れません。

自治体の人は今でも「このぐらいの被曝は大丈夫で、直ちに健康に害はありません」などと言っていますが、自治体の人は税金から給料さえ貰えば良いと思っているのでしょう。法律や国際慣行を勉強して貰いたいものです。

・・・・・・

もう一つは東京新聞が報じた横浜の女性市長のコメントです。この方のコメントを読むと、「放射線など怖くない。それより観光客を増やさないと」ということでした。コメントは短いので直接お会いして見ないとわかりませんが、おそらく法律をお読みになっていないことと、国際的な状況をご存じないのだと思います。

日本の法体系は「被曝は恐ろしい」ということで一貫しています。また「国際的には1年1ミリシーベルトを守らないと通用しない」という二つがあります。このことをもう少し考えないと横浜市に住んでいる人が危険ですし、外人の観光客も来ないでしょう。

日本の放射性防護の基本思想を「被曝は害」から「被曝は益」に変えるのは相当の研究と議論を要しますし、また国際的な孤児になることをどのように避けるかも問題です。

・・・・・・・・・

この二つの話を聞くと、多くの人が「被曝の危険性」の基本的な関係を知らないことがわかります。それは「致命的な病気になる場合は、安全にする」ということです。

人間は風邪を引いても直りますが、ガンや遺伝的な疾患はなかなかやっかいです。そこで、「このぐらいなら風邪を引く」というのと「このぐらいならガンになる」というのを区別して、ガンの場合は規制値を厳しくしています。

1年100ミリというのは「はっきりガンになる」ということですが、100ミリ以下ではまだ不明です。不明というのは大丈夫だというのではなく、まあ「直線でも引いておくか」ということであとは安全を期することです。

おじさんも横浜市長も「法律を守らなければならない」、「国際慣行を大切にして国際的な信用を得る」という気持ちになって欲しいものです（音声あり）。

「takeda_20110903no.120-(4：24).mp3」をダウンロード
http://takedanet.com/2011/09/post_197b.html
　

コメント
01. 2011年9月04日 15:06:11: iQinVlOl1c 戦時中もこうだったんだろうな。内心は戦争は絶対負けると皆分かっているのに誰ひとり口にはしない。 大本営発表は日本快進撃、敵の艦隊撃滅！とか発表・負けてからフタを開けてみればズタボロ状態。 今回の震災もみんな内心は福島原発が逝って日本終了。と分かっているのに誰も言えない、言わない。TVではしつこいぐらいに陰りのある笑顔でお笑いバラエティ！「東北応援・風評被害！」と連呼。 日本みたいな放射能まみれの土地に来たいと望む外国人など居ないだろう。 武田先生、いつも有り難う。
02. 2011年9月04日 16:24:39: sRHBacV4Hs この「ばかやろう」と怒鳴ったキチガイ爺はおそらく日本人の６、７割がたを代表しているようにおもわれる。 素直に放射能を怖れることすらできない風潮が蔓延しているのはもちろんマスゴミや文化人、評論家たちのお陰。 鳥越俊太郎のような「ほんとうのこと」を言いかねないキャスターはいつのまにかテレビにほとんど姿をあらわさなくなった。 原発に批判的な役者、ミュージシャンも排除。 なぜか作家、詩人、批評家はほとんどが何もいわないのでセーフだが、これで、いかに日本の文芸人が腐っているかがわかるというものだ。 もの凄い権力が、もの凄い力で、マスコミにケーションを支配しており、このキチガイ爺もそれに洗脳された口だ。 武田先生はもう先は長くないから言いたいことが言える。先が長くないのにまだ権力にへばりついている東大あたりの 乞食教師より、はるかに立派な先生だ。
03. 2011年9月04日 16:26:39: 03bw0jfJsI 日本の殆ど人は原発事後は、終息し降り注いだ放射能は安全の範囲と思っています。
04. 2011年9月04日 16:34:04: 3HIRWaOvMg バカヤロウと言ったおじさんは、みんなでたたきのめして、道ばたに放り投げてやるがいい。 横浜の、堂本のようなガマ市長は、論外。
05. 2011年9月04日 17:31:04: OO4yhzqykQ そうだ、昔は作家や詩人が世論をリードしたものだが。 いまや、作家の知性なんて誰も・・・。
06. 2011年9月04日 19:41:49: FLCFyhNzM2 横浜の女性市長に加えて北海道の女性知事。福島県知事。 佐賀県知事、青森県知事、すべて原発利権とズブズブ。 原発事故で地方首長の「正体」がよくわかる。
07. 2011年9月04日 20:23:12: TiDIV31fRM 「ばかやろう！」の次に来るのは「不安なんてバカなこと言ってんじゃねぇ！」だろうし 「日本人の癖に日本政府を信じないとはどういうことだ！」だったり 「日本人ならたとえ危険だとしても黙って日本と共に死ぬ覚悟でいろ！」なのかも知れない。 なんの説明会だろうが真剣に質問する女性に「ばかやろう！」と怒鳴ること自体我を忘れ過ぎ。 何をそんなに焦っているのだろう。 案外「ばかやろう！そんなこと言い出したら俺が不安になっちゃうだろう！」だったりしてな。
08. 2011年9月04日 21:41:36: tuTZaTq3fU 横浜の女市長が誕生する前に、ＮＨＫが放映したドラマは、女自動車セールスマンの話であった。無責任にも途中で職を投げ出した汚い中田市長の(松下政経熟出身）辞任を受けて市長選が実施されたのはそのすぐあとであり、誰でもあのドラマの主人公は市長候補の彼女だと分かった。素晴らしい女性として描かれたドラマを見れば横浜市長としても立派にやっていかれると、誰もが思っただろう。その後の横浜の状況は何ら改善されず悪くなるばかりだ。もっとも御隣、東京、千葉も似たようなものか(笑い)。ＮＨＫは一体何のために放送するのか。先般民主党代表選における意図的誤報としか思えないこと、「たけし君ハイ」等と言うビートタケシの宣伝ドラマなど、これが中立公正な報道と言えるか。国民｢白痴化政策」を推進する番組が多すぎる。解体すべし。
09. 2011年9月04日 23:01:27: cd18mAUzx2 ばかやろうおじさんって副島先生関係者ですか。
10. 2011年9月05日 00:09:58: tjW95b1ENI >09様　それは・・ありえる！！

11. 2011年9月05日 02:02:36: rWmc8odQao 池田信夫氏かもね。 https://twitter.com/#!/ikedanob/status/110353980076457984
12. 2011年9月05日 04:18:47: uioDCPVHMQ どう考えても仕込みの街宣右翼だろ
13. 2011年9月07日 23:38:13: 7jsjaf79Gk 池田は基地外！

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます（表示まで20秒程度時間がかかります。）
★登録無しでコメント可能。今すぐ反映　通常 ｜動画・ツイッター等 ｜htmltag可（熟練者向）
（タグCheck ｜タグに'だけを使っている場合のcheck ｜checkしない）（各説明）

（←ペンネーム新規登録ならチェック）
↓ペンネーム（2023/11/26から必須）

↓パスワード（ペンネームに必須）

（ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。）
↓画像認証
（ 上画像文字を入力）
ルール確認＆失敗対策
画像の URL (任意):
　重複コメントは全部削除と投稿禁止設定 　ずるいアクセスアップ手法は全削除と投稿禁止設定 削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告」をお願いします。　最新投稿・コメント全文リスト
フォローアップ:

　次へ 　前へ

▲このページのＴＯＰへ　　　　　 ★阿修羅♪ > 原発・フッ素16掲示板

★阿修羅♪　http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。