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タブーに負けない芸能人 脱原発の歌 TV流れず (東京新聞)
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2011/09/03 14:00 日々坦々
タブーに負けない芸能人 脱原発の歌 TV流れず
(東京新聞「こちら特報部」)
福島の原発事故を機に、「脱原発」に動きだす人が増えた。ところが、原発を批判する歌はなぜか放送されない。反原発の姿勢を表明した俳優は、所属事務所を辞めなければならなくなった。大惨事を経験してなお、この国のメディアには“見えない壁”がある。だが負けずに「思ったことを言いたい」と発信する芸能人の思いとは−。 (出田阿生)
八月十日夜、東京の日比谷野外音楽堂。ミニスカート姿の少女たちが跳びはねながら歌っていた。女子中高生アイドルグループ「制服向上委員会」のメンバーだ。かわいらしい振り付け。明るいメロディーに乗って「セシウム」「メルトダウン」など、一見似つかわしくない言葉が溢(あふ)れる。
歌っていたのは「ダッ!ダッ!脱・原発の歌」。「忘れないから 原発推進派 安全だったら あなたが住めば良い」「こんな時も 政治家さんはダメですネ」…。原発推進政策や事故対応を批判する歌詞が続いた。
「制服−」は一九九二年に結成。メンバーが交代しながら続く。反骨精神があるプロデューサー高橋廣行(ひろゆき)さんの意向でアイドルでも社会的なメッセージも歌い、ボランティア活動に取り組む。
六月、ネットの動画で「脱・原発の歌」が流れると、瞬く間に再生回数が増えた。ところが話題になった割にはメディアで歌が流れたのは、ラジオで二回だけ。テレビは一切取り上げない。
「これまでの曲は結構ラジオでは流れたし、ディーゼル車の排ガスを批判する歌をトヨタの店頭で歌ったこともある。今回は、何かすごく大きい力が働いていると感じる」と、「制服−」の元メンバーで、今は会長を務める歌手の橋本美香さん(31)は話す。
発売元のアイドル・ジャパン・レコードは八月十五日の発売に向け、JRや私鉄、地下鉄に新曲発売の広告を出そうとしたが、歌の題名が書かれたポスターを見て「意見広告は掲示できない」と断られた。CDショップからはポスターの店頭張りを止められた。新曲披露イベントでは、ファンとの握手会だけで「歌わない」条件がついた。
七月末の日本最大のロック音楽祭「フジロック・フェスティバル」に、飛び入り参加の話が浮上したが、結局は「スポンサーの関係で」出られなくなった。八月下旬に出演予定だった放送局のイベントも、担当者が「申し訳ないが歌わないでほしい」と菓子折りを持ってきたという。
メンバーはどんな思いで歌っているのか。
リーダーの小川杏奈さん(17)は「事故前は原発について何も知らなかったけど、今は危険だなって思う。事故後にすぐ元通りになると思っていたのに、まだ家に帰れない福島の人が大勢いて、牛や豚が殺されて…。おかしいと思い始めた」。
宮野愛沙さん(15)は「大人からは『何も知らないくせに、なんで歌うの』ってよく聞かれる。でも、自分で考えても原発は怖いと思うから」と続ける。「原発への賛否は分かれるので、アイドルのイベントで歌うのは難しいと思ってたけど、ファンの方々が『率直にメッセージが伝わる』『良い歌だ』と言ってくださって意外でした」
CD一枚(千円)の売り上げから三百円を福島の酪農家に支援金として届ける予定だ。
彼女たちの歌だけではない。歌手斉藤和義さんのヒット曲「ずっと好きだった」の替え歌も、ネットで話題になった。
動画では、斉藤さん本人とおぼしき人物が、原子力が安全というのは「ウソだった」と歌う。
故・忌野清志郎さんが「原子力はいらねえ」と歌って発売中止となった「サマータイム・ブルース」(一九八八年)は原発事故後、CDの売り上げが伸びた。それでもやはりテレビやラジオではほとんど流れない。
そんな中、反原発を明言したのが、俳優の山本太郎さん(36)だ。
テレビなどが原発批判を“自粛”する現象を「電力会社がどれほど広告主としてメディアの収入源になっているか、CMを見れば分かる。メディアや芸能人がスポンサーの悪口を言わないのは、大人の常識」と淡々と語る。
「ほとぼりが冷めれば電力会社が広告主として戻ってくることを知っているから、今はおとなしくしている。東京電力をつぶして、元から断たないと、どんなに批判しても状況は変わらない」
真相を隠し、膨大な放射性物質を垂れ流す−。原発事故後の政府や東電の発表を伝えてきた報道に「本当の情報が流れない。とんでもない力が働いている」と感じた。
とはいえ反原発を訴えれば、仕事が減るのは目に見えていた。
悶々(もんもん)と悩む日々が続いていたが、子どもの年間被ばく許容量を二〇ミリシーベルトと高くしたニュースを聞いて、怒りに体が震えた。「国民を見殺しにして、目先のカネを追いかけるのか」。ついに四月九日のツイッターで、「黙ってテロ国家日本の片棒担げぬ」と書き込んだ。「反原発」を表明した瞬間、涙があふれたという。「ずっと抑えていたものが噴き出した感じ。やっと人間に戻れたと思った」
反原発発言を理由に、七月から出演予定だったドラマを降ろされた。所属事務所に抗議電話が殺到し、迷惑がかからぬよう辞めた。仲の良いプロデューサーに「使いづらい」と漏らされた。
今は映画や舞台の仕事のほか、ラジオ、テレビからも単発の出演依頼がある。組織人として声高に反対と言えないが、共感してくれる関係者が自分を起用してくれていると感じている。
◆外遊びできない 子どもたち心配
特に思いを寄せるのは外遊びもできず、将来の健康被害におびえる子どもたちのことだ。「自分の子ども時代はすごく幸せだった。雨が降れば水たまりに飛び込んだ。あのキラキラした時間を経験できないなんて」
仕事の傍ら、福島の子どもを避難させるなど、精力的に活動を続ける。八月には海外ロケ直後に北海道へ飛び、泊原発近くの町役場で町長らに脱原発を訴えた。頼まれれば市民集会にも参加して発言する。
新首相に選ばれたのは、原発再稼働を目指す野田佳彦氏。山本さんは「あれだけの大惨事を引き起こし、収束のめどが立たない今も、多くの政治家は反省もなく原発を稼働させ、国民の命を担保に利権まみれの世界を生き続けるつもりらしい。誰がトップになろうが、国民がこの国をコントロールしなければ、日本は終わってしまう」。
山本さんの言葉は強いが、気負いはない。「震災以降、見える景色が変わり、『生きていたい』という強烈な気持ちが湧きあがった。自分をごまかしては生きられない」
<デスクメモ> 今様のプロテストソングだ。紙面では残念ながら聴いてもらえない。ネットの動画を見ると、かわいい女の子たちがとびっきり明るく踊り「ダッダッダッ〜♪」。だが何度も聴くうちに悲しく、胸に迫ってきた。多くの原発被災者に寄り添い、元気づける共感力がある。目指せ!一年納めの紅白歌合戦。 (呂)
参照動画:
■ダッ!ダッ!脱・原発の歌/制服向上委員会
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=ByP8m3XOZdw
◇
原発さえなければ/橋本美香&制服向上委員会
http://www.youtube.com/watch?v=DnNed1RryIs&NR=1
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