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東芝・日立など OBが“自社”原発検査 10年で36人 保安院に再就職
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011082690065934.html
2011年8月26日 06時59分 東京新聞
原発メーカーなどの社員が経済産業省原子力安全・保安院に再就職し、出身企業の製品が納入された原発などの検査を担当したケースが過去十年で少なくとも三十六人に上ることが、経産省が国会関係者に提出した資料で分かった。保安院は「検査の中立性や公平性に影響はない」と説明しているが、専門家は「なれ合いになる恐れがある」と指摘している。
保安院業務管理官室によると、透明性・公平性が疑われるとして、電力会社出身の検査官にはその電力会社の原発を担当させないのが慣例。しかし、電力会社の関連会社や原発メーカーの出身者は慣例の対象外だった。
資料によると、二〇〇一〜一一年、三十六人が「原子力保安検査官」として、出身会社やグループ企業が関与した原発の担当となった。経産省は検査官の全経歴を明らかにしておらず、出身企業が関与した原発を担当した人数はもっと多い可能性がある。
中には、出身企業の納入先原発を渡り歩いたケースが七件あった。〇一年に採用された東芝出身の検査官は、同社が格納容器などを納品した敦賀原発を担当後、同じく納入先の浜岡原発を担当。日立グループのバブコック日立出身で〇三年採用の検査官も、日立が関与した敦賀原発、島根原発を担当した。
また、MOX燃料を製造する原子燃料工業(原燃工)が〇八年三月末に高浜原発への燃料調達契約を関西電力と交わした翌日、原燃工の出身者が同原発担当の検査官として採用されるなど、納入が採用のきっかけになったと受け取れるケースもあった。
保安院が発足した〇一年当時、検査官の前身の運転管理専門官は五十人しかおらず、全国二十一カ所の検査官事務所に配置するには人手不足だった。このため、即戦力として原発メーカーや電力会社の社員を中途採用してきた経緯がある。
中途採用者は〇一年からの十年間で八十三人。主な出身別では、東芝グループが二十七人、日立グループが七人、三菱電機グループ、IHI、関西電力が各六人、東京電力グループが三人。現在も保安検査官約百二十人の六割を中途採用が占める。
業務管理官室の担当者は「中途採用者は原子力の専門家で実効性ある規制に必要。(納入先への配置は)現場の設備に詳しいということも理由の一つ」と説明している。
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