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福島第1原発:大津波試算 東電と保安院に見解の相違
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110826k0000m040088000c.html
毎日新聞 2011年8月25日 21時18分
東京電力が「福島第1原発に10メートルを超える津波が押し寄せる可能性がある」との試算を08年にまとめていながら、経済産業省原子力安全・保安院に今年3月7日まで報告せず、公表もしていなかった問題で、東電と保安院の間で見解の相違が表面化している。
保安院の森山善範対策監は25日の会見で、「試算であったとしても、それまでの想定(1〜4号機で最大5・7メートル)と大きな違いがあるのだから早く公表し、専門家の前で説明をすべきだった」と東電の対応を批判。一方、東電の松本純一原子力・立地本部長代理は「東電が勝手な想定をして原発の安全性を評価するよりも、(原発の津波対策の基準を策定する)土木学会の評価に基づいた方が合理性があり、その上で報告すべきだと思っている」と反論する。
さらに保安院は、3月7日に東電から報告を受けた際、対応した耐震安全審査室長が東電に「設備面で対応が必要」と口頭指導したと説明。だが東電側は「そういう事実はない」(松本本部長代理)と否定している。
また、東電は25日、08年の試算結果を経営層も把握していたことを明らかにした。東電は08年10月、土木学会に対し、津波対策の基準となる「原子力発電所の津波評価技術」の改訂を要請した。その際、当時の原子力・立地副本部長で、事故後は副社長として会見などに出席していた武藤栄顧問に報告し、了承を得ていた。武藤顧問は事故後「想定外の津波」との説明を繰り返していた。また、学会への要請後、当時原子力・立地本部長だった武黒一郎フェローにも報告していたという。
一方、東電は25日、同原発3号機で26日から始める予定だった注水方法の変更を延期すると発表した。水を送り込むために使用予定だったステンレス製配管が、4号機使用済み燃料プール循環冷却装置で23日に微量な漏えいが見つかった配管と同じものだったため。【藤野基文】
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