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福島のゴーヤ:原発から60キロ 放射線の不安じわり
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110825k0000e040078000c.html
毎日新聞 2011年8月25日 13時27分(最終更新 8月25日 13時57分)
東京電力福島第1原発事故により、放射線量が局地的に高くなる「ホットスポット」が原発から約60キロ離れた福島市内でも相次いで見つかっている。市東部の大波地区もその一つ。12年前から地元の女性が栽培を始めたゴーヤ(ニガウリ)が特産物に成長しただけに「どうしたものか」と生産者は気をもむ。ゴーヤは出荷のピークを迎えている。【竹内良和】
大波地区は、一部世帯が特定避難勧奨地点に指定された同県伊達市霊山町に隣接している。県の7月下旬の調査では370世帯中37世帯で毎時2.5マイクロシーベルト以上を測定。1世帯が勧奨地点指定の目安となる毎時3.2マイクロシーベルトに迫る3マイクロシーベルトだった。
ゴーヤ栽培は99年に始まった。きっかけを作ったのは栗原久子さん(76)。保険会社を退職後、地元農協女性部の活動を始めたが、フラダンスなど遊びばかりで盛り上がらない。「もっと人を集める活動はないか」と考えていたとき、立ち寄った農協でゴーヤを見つけた。病害虫に強く農薬散布などの重労働が不要と知り、女性部メンバーに提案。それぞれの畑で栽培を始めた。
出荷時に付ける生産者名も売り上げの振込先も、女性たちの名前にした。それまではどんなに畑で汗を流しても、ほとんど夫名義。みんな内心、やるせなかった。「大した額ではなかったけれどうれしかった」。リーダーの佐藤啓子さん(74)は自分の通帳に初めて売上金が振り込まれた時のことを忘れない。
沖縄を舞台にしたドラマの影響などでゴーヤの認知度が上がり、関東にも出荷。ピーク時は年約60トンを生産した。料理法も研究し、県内外のスーパーで店頭販売に立った。
今年は苗の仕入れ先が原発事故で被災し、栽培が2カ月遅れに。風評被害を心配して作付けをあきらめたメンバーもおり、出荷量は前年同期の半分に落ち込んでいる。検出された放射性物質は暫定規制値の約30分の1だったが、店頭販売の依頼は来ない。
栗原さんは1月、夫に先立たれた。知人にゴーヤを配り、喜ばれるのが心の支えだ。佐藤さんは言う。「この年で作れるのは力仕事が不要なゴーヤぐらいしかない。避難して畑が荒れたら、もう作れなくなる」。原発事故は山あいのお年寄りたちが育ててきた生きがいまで奪おうとしている。
◇特定避難勧奨地点…住民に賛否
ホットスポット問題は5月に表面化、政府は6月30日、福島県伊達市の一部世帯を初めて特定避難勧奨地点に指定した。以来地点数は増え、現在は相馬市や福島市の複数の地区で指定を検討中。県幹部は「緊急時避難準備区域は解除に向かっているのに、勧奨地点は増えていく。復興の道筋が見えない」と嘆く。
これまで指定された勧奨地点は、累積被ばく線量が推計で年20ミリシーベルトに達する世帯と、その近隣で乳幼児や妊婦がいる世帯。避難すれば東電の損害賠償対象となることから、子育て世帯を中心に指定を求める声が強い。一方で「町のイメージダウンになる」「活気が失われる」と消極的な住民も少なくない。
ホットスポット増加の背景には、自治体や民間のきめ細かい調査が進んできたことがある。8月には二本松市などで新たに放射線量が高い地点が見つかった。事故から5カ月半たっても、福島県民の放射線への不安は広がる一方だ。【種市房子】
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