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なぜ今ごろ!? 福島原発 吉田所長の肉声を公開した東電の姑息な狙い
http://gendai.net/articles/view/syakai/132175
2011年8月19日 掲載 日刊ゲンダイ
「しっかりやっている」のアリバイ作り
また得意の“世論誘導”だ――。そんなうがった見方が出てもおかしくない。東京電力が17日にHP上に公開した「福島第1原発 現場からの報告」と題した動画のことだ。防護服姿の吉田昌郎所長の謝罪や、作業員の熱中症対策、放射線量の測定現場などを映しているのだが、その薄っぺらな中身は呆れるばかりだ。
「私どもの事故で多大なるご迷惑をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます」――。
5分53秒の動画は、吉田所長の穏やかな口調で始まる。続いて、保冷剤入りのクールベストを着る作業員や、現場の産業医、復旧作業に当たるゼネコン担当者らが次々に登場。最後は「事故の収束と発電所の安定化に一丸となって全力で努めてまいります」という吉田所長のメッセージで締めくくられている。
東電は「(報道から)現場の状況を知りたいという声が多いため、動画を提供することになった」(広報)と説明。しかし、一見すると会社案内のイメージビデオのよう。登場人物は皆、淡々とした語り口調で、焦りや危機感は感じられない。汚染水や放射線対策で悪戦苦闘する作業員の姿も映っていない。故障続きの汚染水浄化システムの現況や、溶融した核燃料の状態、毎時10シーベルトという即死レベルの放射線の説明もない。要するに「復旧作業は順調」と一方的に強調しているだけなのだ。事故から5カ月も経って公表するにはあまりに乏しい内容だ。
朝日新聞元経済部記者で、電力担当を務めた志村嘉一郎氏はこう言う。
「東電の広報戦略の一環でしょう。恐らく、全ての情報を持つ吉田所長に取材依頼が殺到している。しかし、東電側は隠したい情報があって取材には応じられない。そこで当たり障りのないことを吉田所長に言わせてお茶を濁しているのではないか」
そもそも一部メディアは吉田所長を英雄扱いしてきたが、レベル7の事故を引き起こした張本人だ。原発が水素爆発したのは運転員が非常用の冷却装置を止めたためだが、吉田所長はこの情報を把握しておらず、現場にはベントのマニュアルさえもなかった。今さら「ゴメンナサイ」で済む話ではない。
「放射性物質汚染の原因をつくったのは東電です。それなのに『頑張ります』のような動画内容には鼻白んでしまいます。原発作業員らが東電の線量管理の不備を週刊誌などにリークしているため、会社は『しっかりやっている』とPRしたいのでしょう。アリバイ作りです」(ジャーナリスト・井上トシユキ氏)
動画には、経産省原子力安全・保安院の渡辺誠・福島地域原子力安全業務統括も登場。「最大限努力してまいりたい」なんて言っていたが、原発事故直後、住民ホッタラカシでイの一番に避難したのは保安院の職員だった。今まで散々デタラメやりながら、大事故が起きてから「努力します」とは何をか言わんやだ。結局、放射性物質をまき散らした責任など誰も真剣に考えていないのだ。
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