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河北新報 8月21日(日)6時10分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110821-00000001-khks-l07
福島県浪江町の農場から出荷された肉牛4頭の肉から国の暫定基準値(1キログラム当たり500ベクレル)を超える放射性セシウムが検出された問題で、福島県は20日、同じ農場の牛5頭の肉も基準値を超えていたことを明らかにした。浪江町の農場からは、福島第1原発事故後の3月15日〜4月19日、汚染された9頭を含め計229頭が横浜市に出荷されていた。
また、この農場を所有している福島県葛尾村の農家は田村市と葛尾村にも農場を所有し、3カ所で飼育していた約4000頭の牛が、原発事故後に出荷されていたことも分かった。
県の説明によると、5頭からは肉1キログラム当たり593〜786ベクレルが検出された。最初の4頭は513〜997ベクレルで、ほぼ同じレベルの汚染状況だった。
セシウム汚染を受けて、県畜産課は19、20日、農場3カ所を調査した。浪江町の牛舎の入り口で最大毎時15マイクロシーベルト、屋外の雑草からも35マイクロシーベルトと高い放射線量が確認された。牛舎内の餌の台からも最大5.5マイクロシーベルトが計測された。
葛尾村でも牛舎内や周囲の雑草の放射線量を測定したほか、乾燥干し草の保管場所を確認した。放射線量は地上1メートルで毎時0.5〜0.8マイクロシーベルトだった。田村市では牛舎入り口付近の高さ1メートルで0.3マイクロシーベルトだったという。
県の調査に対し、農家は稲わらではなく輸入した干し草などを与えていたと答えており、セシウムに汚染された原因はまだ分からない。ただ、牛は土をなめてミネラルを補給する習性があり、放射線量が高かった時期に、雑草を食べたりしなかったかどうかなどを引き続き調べる。
浪江町の農場のある地域は4月22日、福島第1原発事故によって計画的避難区域に指定されたが、汚染された牛は指定前に出荷されていた。指定後の4月28日、農家が葛尾村と田村市の農場の牛を出荷する際、県はそれぞれ1頭の肉の放射線量を測定したが、約60〜90ベクレルと基準値を下回っていたという。
農家は既に県外に避難、農場は休止状態になっていて牛はいない。
政府は19日、福島県内の肉牛の出荷停止を解除する予定だったが、セシウム汚染が発覚し、解除を見送った。
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