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健康や命より国が優先したもの 小出裕章(そもそも総研)
http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/08/18/tv-asahi-aug18/
2011年8月18日 小出裕章 (京大助教) 非公式まとめ
2011年8月18日(木)、テレビ朝日モーニングバード「そもそも総研」に小出裕章氏がVTR出演されました。コメント蘭にてしんちゃんさまより頂いた書き起こしの情報をそのまま掲載させていただきました。ありがとうございました。
テーマは、「そもそも政府は放射能を甘く見てるんじゃないの?」・・政府の対応についてですが、小出氏の他に、京都大学原子炉実験所の今中哲二氏がチェルノブイリについて、 日本大学生物資源科学部の小澤祥司氏が福島の除染の現状と今後について語られています。
==以下、小出氏インタビュー部分の書き起こしです=====
*「3.11 放射能汚染 政府の対応は?」
玉川「この原発事故、それから放射能汚染に関して、政府の対応はどうだったとみられていますか?」
小出「彼らはこんな事故が起きるとは露ほどにも思っていなかった。だから、どのような対応がとれるか本気で考えたこともないし、(事故が)起きてしまった状態ですばやく動くこともできないし、なんとか事故が小さくあって欲しいと強くたぶん願ったということで、一つ一つの作業が後手後手になったということだと思います。」
玉川「先生はメルトダウンの可能性として考えた時に、その先にまぁ原子炉の爆発ということも考えられたと以前伺いましたけれども・・」
小出「そうです。 3月12日の段階でそれを疑いました。」
玉川「ということはですね、炉心溶融の可能性を政府の中の専門家もわかっていたのだとすれば、最悪の場合として、原子炉の爆発もたぶん頭の中にはあったはずですよね?」
小出「ええ、専門家の頭の中にはあったと思います。」
玉川「ということは、爆発すればですね、その 3kmとか20kmとかで済まない被害になりますねよね?」
小出「そうです。」
玉川「頭の中にあるんだとすれば、なぜ 極端な話を言えば、福島県全員の避難とかそういうふうなところまでいかなかったのか ということが私には理解できないんですけれども?」
小出「私にも理解できません。防災ということの原則というのは、悪いシナリオ悪いシナリオを描いて住民を守る、そして事態がそれほど悪くなかったのであれば、良かったなと思う・・そういうのが防災の原則だと私は思うのですけれども。少なくとも今回の事故の場合はそうではなかったのですね。楽観的な見通し楽観的な見通しを取って、対策をなるべく少なくしたいというもとでやってきてしまったのです。」
*激白 「国の対応のせいで被ばくは拡大した」
玉川「避難させないことによって、しなくてもいい被ばくをした人が福島の中にいっぱいいるということになるんじゃないですか?」
小出「もちろんです。ですから日本の国というのは、チェルノブイリの事故が起きた以降にひょっとして事故が起きるかもしれないし、起きた場合にはどういう放射能がどのように広がっていくのか、時々刻々と計算して、住民の被ばく量を評価して、事故の対策をとるとということを原則にしていました。そのためにSPEEDIと呼ばれている計算コードを作ろうとして、たぶん100億円を超えるお金をそれに費やしたと思いますし、20年を超える時間を費やしてやってきていたのですね。
ですから、今回の事故が起きてからも、SPEEDIを開発してきた人たちは、多分もう徹夜に近い状態でその計算を繰り返して、どちら側に放射能が流れていっているということをやっていたのだと私は思います。
ところがそのことを日本の政府はすべて秘密にしてしまったのですね。
半月ほど経ってその計算結果を出してきましたけれども、その計算結果を見る限りでは、南西方向と北西方向に放射能の雲が流れて、流れた時にヨウ素という放射能をですね、吸いこんでしまって、子どもを含めて大変な被ばくを実はしていたと後でわかったわけです。
本当はそれが初めにわかれば、ヨード剤というものをせめて子どもに飲ませて子どもの甲状腺の被ばくというのを少なくするということをできたはずなのですが、残念ながら日本の政府というのはむしろ隠してしまって、子どもたちの被ばくを放置してしまったということになりました。」
*疑問 「国が健康や命より優先したものとは?」
玉川「少なくとも健康が目的であって、そのために基準を作ったのですね?」
小出「そうです。そうです。」
玉川「ところが、今、基準を上げたっていうところは、健康よりも別のものを優先しているとしか感じられないんですけれども。」
小出「もちろん そうです。」
玉川「これは何ですか?」
小出「それを認める以外に国家の崩壊を止められないからです。
これまで日本の国が作ってきた法律を本当に厳密に守ろうとするなら、福島県全域に匹敵するぐらいの土地を放射線管理区域にして、人々をそこから追い出さなければいけない、無人にしなければいけない。
目で見たら何でもありません。平和な自然のように見えるかもしれないけれども、放射線が目で見えないために、そこで暮らす危険を抱え込んでしまう。そのために放棄しなければいけない・・それはもう信じることができないほどの広大な面積だということなんですね。
それは・・日本の国家から見れば、たぶん受け入れられない。だからもうこうなってしまえば、住民を被ばくさせるしかないという、そういう選択を国家がしたんだと私は思います。」
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