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劣化ウランとプルトニウムを量産する原発撤廃こそが核廃絶の第一歩!
http://blogs.yahoo.co.jp/nothigcat2000/20922355.html
2011/8/12(金) 午前 4:27 先住民族末裔の反乱
先日、本ブログで日本の原発が米国の核兵器戦略の一環として、兵器の材料であるプルトニウムを日本の原発で製造しているのではないかとの疑念を述べた。読売の社説にこの予想を裏付ける興味深い記事が掲載された。そのポイントは、
・民主党は「再処理技術の確立」を掲げ、核燃料サイクルを支持してきた
・核燃料サイクルは、ウラン資源の有効活用を目指している
・青森県六ヶ所村で建設中の再処理工場で、使用済み核燃料(燃え残りのウランや燃料に使えるプルトニウム)を回収し、それを再処理(その中からウランとプルトニウムを取り出す)(運び込まれた使用済核燃料約3000d)
・福井県敦賀市の高速増殖炉もんじゅは2050年の実用化をにらんだ開発拠点に位置づけられ、燃えないウラン238をプルトニウムに変換して使う
・新たな核燃料を生産でき、長期的に「準国産エネルギー源」を得るのに等しい
・近隣国では原子力は一層、存在感を増し、中国は先月から高速増殖炉の発電運転を開始し、韓国は日本と同じく再処理を始めるとの方針を示し、北朝鮮は、核兵器開発に固執
・日本は平和利用を前提に、核兵器材料にもなるプルトニウムの活用を国際的に認められ、高水準の原子力技術を保持してきたが、潜在的な核抑止力としても機能している
相変わらず脈絡のない論理を用いて強引なかつ荒唐無稽な結論に至る読売には呆れるばかりだが、読売の主張によれば、
1.再処理施設で集めたウラン235を同施設内濃縮工場で大量の低濃縮(2‐5%)ウラン235に変容し軽水炉の原料とする
2.高速増殖炉が稼動すれば、天然ウランの96%を占めるウラン238をプルトニウム239に大量に変容し、原料の増幅が可能となる
1と2のリサイクルシステムによって、日本国内で「準国産エネルギー源」を得るに等しいとその利点を強調しているのだが、
まず1について、仮に濃縮度(70‐90%)に高めれば劣化ウランが製造され、これが核兵器として使用される懸念が生じ、2については高速増殖炉の稼動により結果的に核爆弾の原料たるプルトニウムが高速増殖炉で大量生産される可能性が指摘できるとともに、またウラン鉱石を諸外国から買い付けそれをアメリカに送って濃縮してもらい、その濃縮ウランを日本が購入している現実を踏まえれば、とても「準国産エネルギー源」などの詭弁は通用しない。(資源エネルギー庁エネルギー白書2010 http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/2010/index.htm)
こうした様々な危険を隠蔽し、利害を有する米国やフランスなど核兵器ビジネス国家にのみ認められた日本の「核の平和利用」をもって、何故、『核の抑止』になるかは私の理解を超えている。それは軍事上の観点、即ち空ミサイルを原発に打ち込むだけで想像しえない悍ましい惨事を招くことからも明白であろう。既にこの国にはイラクやアフガニスタンで使用され甚大な被害を齎したとされる劣化ウランの保有量が世界第三位である現実は看過しえない。因みに2002年12月31日現在、貯まっている劣化ウランの量は、一位の米国で約73万t、二位のフランスで約30万t、三位の日本で約1万tといわれており、仮に国内原発が全部フル稼動するとすれば1年間に発生する劣化ウランの量は、日本の原発分で7300t余り、世界全体では実に6万tにも達するという。
高速増殖炉とは、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使用して消費量以上の燃料を生み出すシステムであり、核爆弾の材料でわずか1グラムで何百万人も殺せる猛毒でもあるプルトニウム239を燃料に使い、しかも同時に新たなプルトニウムを生み出してしまう特殊で「悪魔」の原子炉と揶揄されるほど危険な原子炉で、米国やフランスですら開発中止を余儀なくされた代物である。
劣化ウランとプルトニウム239、どちらも恐ろしい核兵器の原料であり、これが密接に原子力発電と結びついている事実を目の当たりにし、「原発廃止」=「核兵器廃絶」の一歩との新たな認識を持つに至った。
最後に国内の電源別電力供給量ばかりが話題に登り、役人の大好きな国際比較なる関連データがマスコミから出ていないと思われるので、政府刊行物からデータを拾ってみた。以下の数値を見て欲しい。
日本はフランス、韓国に次ぐ世界第三位の原子力依存度の高い国である。先頃ドイツは原発廃止を決定したため、今後は最大級の武器輸出国の一つとして名を馳せるフランスがの独走状態が続き、日本同様に米国隷属の呪縛から抜けきれない後進国韓国が第二位というのも頷ける結果だ。
この表から日本は諸外国と比して、極めて石炭への依存度が少ないこと、宣伝効果も虚しく新しいエネルギー開発は世界平均並みだということがわかる。
さらに同資料から、主要国の一人当たり電力消費量は世界平均2,782KW/人に対し、日本はカナダ、米国、韓国に第四位で8,072782KW/人と平均の約3倍の消費で、一方国別電力消費割合では米国(22%)、中国(18%)に次ぐ第三位(6%)となっている。
また主要国の発電電力量の推移を見ると、10年前と比べて一位中国は約2.5倍、二位韓国は約1.5倍なのに対して、日本はこの間ほぼ横ばい状態が続き寧ろ10年前より減少していることがわかる。
以上の状況を勘案すれば、今後のエネルギー政策を検討する上で、「原発ありき」の議論は最早、通用しないと思うのは私だけであろうか・・・
(主要国の電源別発電電力量の構成比)
世界平均・・・石炭 40.9%・・・石油 5.5%・・・天然ガス 21.3%・・・原子力 13.5%・・・水力 15.9%・・・その他 2.8%
米 国・・・石炭 49.1%・・・石油 1.3%・・・天然ガス 21.0%・・・原子力 19.3%・・・水力 5.9%・・・その他 3.4%
カ ナ ダ・・・石炭 17.2%・・・石油 1.5%・・・天然ガス 6.2 %・・・原子力 14.4%・・・水力 587%・・・その他1.9.%
ロ シ ア・・・石炭 18.9%・・・石油 1.6%・・・天然ガス 47.6%・・・原子力 15.7%・・・水力 15.9%・・・その他 0.3%
英 国・・・石炭 32.9%・・・石油 1.6%・・・天然ガス 45.9%・・・原子力 13.6%・・・水力 1.3%・・・その他 4.7%
ド イ ツ ・・・石炭 46.1%・・・石油 1.5%・・・天然ガス 13.9%・・・原子力 23.5%・・・水力 3.3%・・その他 5.5%
フランス・・・・石炭 4.8%・・・石油 1.0%・・・天然ガス 3.8%・・・原子力 77.1%・・・水力 11.2%・・その他 2.1%
イタ リア・・・石炭 15.5%・・・石油 10.0%・・・天然ガス 55.1%・・・原子力 0.0 %・・・水力 13.3%・・その他 6.1%
中 国・・・石炭 78.9%・・・石油 0.7%・・・天然ガス 1.3%・・・原子力 2.0%・・・水力 16.7%・・その他 0.4%
日 本・・・石炭 26.8%・・・石油 13.0.%・・・天然ガス 26.3%・・・原子力 24.0.%・・・水力 7.1%・・その他 2.8%
イ ン ド・・・石炭 68.6%・・・石油 4.1%・・・天然ガス 9.9 %・・・原子力 1.8%・・・水力 13.8%・・その他 1.9%
韓 国・・・石炭 43.2%・・・石油 3.5%・・・天然ガス 18.3%・・・原子力 34.0 %・・・水力 0.7%・・その他 0.3%
ブラジル.・・・石炭 2.7%・・・石油 3.8%・・・天然ガス 6.3%・・・原子力 3.0%・・・水力 79.8%・・・その他 4.5%
(出典:「原子力・エネルギー」図面集2011 4-6) http://www.fepc.or.jp/present/jigyou/shuyoukoku/index.html
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核燃サイクル 無責任な首相の政策見直し論
(2011年8月10日01時18分 読売新聞社説)
トラブル続きで運転停止中の高速増殖炉「もんじゅ」について、菅首相が衆院予算委員会で、廃炉を含めて検討する、との意向を示した。
原子力発電所から出る使用済み核燃料の再処理を含め、日本がエネルギー政策の柱と位置づけてきた「核燃料サイクル」路線も、根本から見直すという。
民主党は2009年にまとめた政策集で「再処理技術の確立」を掲げ、核燃料サイクルを支持してきた。それ以降、今日まで、この問題が党内で本格的に論議された形跡はない。
自ら主張する「脱原発依存」の延長にあるとの認識だろうが、退陣を表明した首相が、場当たり的に口にしていい問題だろうか。
核燃料サイクルは、ウラン資源の有効活用を目指している。
使用済み核燃料は再処理し、燃え残りのウランや燃料に使えるプルトニウムを回収する。高速増殖炉では、燃えないウランをプルトニウムに変換して使う。
新たな核燃料を生産でき、長期的に「準国産エネルギー源」を得るのに等しい、とされてきた。これを放棄して他に本格エネルギー源を見つけるのは困難だろう。
青森県六ヶ所村では、日本原燃の再処理工場が建設中だ。福井県敦賀市にあるもんじゅは、2050年の実用化をにらんだ開発拠点に位置づけられている。
政策転換で、これらの施設が凍結・廃止になれば、六ヶ所村の工場では、運び込まれた使用済み核燃料約3000トンの処理が宙に浮く。全国の原発に保管中の使用済み核燃料も行き場がなくなる。
ただ、再処理工場は最終工程でトラブルが続き、稼働には至っていない。もんじゅも、1995年のナトリウム漏れ事故以来ほとんど運転できていない。それぞれ2兆円、1兆円の巨費が投じられていることにも批判がある。
しかし、短絡的な廃止では、この投資が全て無駄になる。
近隣国に目を転じれば、原子力は一層、存在感を増している。
中国は先月から高速増殖炉の発電運転を開始した。韓国は、日本と同じく再処理を始める、との方針を示している。北朝鮮は、核兵器開発に固執している。
日本は、平和利用を前提に、核兵器材料にもなるプルトニウムの活用を国際的に認められ、高水準の原子力技術を保持してきた。これが、潜在的な核抑止力としても機能している。
首相の無責任な言動には、こうした配慮がうかがえない。
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