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測定器購入の住民増加…専門家「一喜一憂ダメ」
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110805-OYT1T00671.htm
2011年8月6日06時54分 読売新聞
東京電力福島第一原発事故の影響で、福島県以外の地域でも、放射線測定器を購入する住民が増えている。
本来、身の回りの放射線量を把握すれば安心感は高まるはずだが、こうした測定器は使い方次第では表示される数値が異なる恐れもあり、必ずしも正確とは言えないケースも。専門家は「数値に一喜一憂しないように」と冷静な対応を呼びかけている。
今月3日、千葉県流山市で針きゅう院を営む板倉千世さん(41)は自宅前で、携帯電話より一回り大きな放射線測定器のスイッチを入れた。政府の学校屋外活動制限基準は毎時3・8マイクロ・シーベルトだが、7月に約6万円で購入したこの測定器はウクライナ製で、毎時0・3マイクロ・シーベルトを超えると警告音が鳴る。
長女の(3)の顔あたりの地上50センチで測定すると、毎時0・17マイクロ・シーベルト。道路脇の側溝にかざすと毎時0・57マイクロ・シーベルトで、ピーという音が鳴った。「ウクライナではそういう基準なのだと思う。この数値で子どもが生活していって大丈夫なのか心配です」と話す板倉さんは、以前使っていた別の測定器よりも、この測定器では数値が高く出るとも感じている。
板倉さんは、同市内の子どもを持つ親ら約50人で結成した「東葛ガイガー会」の会員で、測定した放射線情報を会員同士で共有している。同市を含む千葉県北西部は、周辺より放射線量が高い「ホットスポット」と週刊誌で報道されたこともあり、同会では独自に測定を行った。国内の基準値を超える数値は出なかったが、同じ場所でも測定器によって様々な数値が出たという。
住民が自力で測定を始めたのは、行政が発表するデータを「不十分」と感じているからだ。文部科学省が毎日公表している福島県外の放射線量は、各都道府県に1か所設置されたモニタリングポストとその周辺、各地の国立大学や原子力関連施設での測定値しかない。
同会代表の山崎代三さん(47)は「自分たちの測定は精度が低いかもしれないが、家族を守るためにはできることをやるしかない」と語る。
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