http://www.asyura2.com/11/genpatu15/msg/254.html
Tweet |
20110803 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章
==================================================
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65755480.html
小出裕章「(米の基準値1キロあたり500ベクレルは)高すぎます」
2011年8月3日、小出裕章氏が出演した「たね蒔きジャーナル」の内容を文字に書き起こしました。
-------------------------------------
※初稿です。誤字などがございましたらお手数ですがご指摘いただければ幸いです。
(書き起こし)
水野「小出さんこんばんわ」
小出「こんばんわ」
水野「よろしくお願いします」
小出「よろしくお願いします」
水野「東京には近藤さんです」
近藤「よろしくお願いしまーす」
小出「はい、こんばんわ。よろしくお願いします」
水野「早速ですけれども、お米について伺いたいと思います。」
小出「はい」
水野「もうすぐお米の収穫の季節ですが、農林水産省が収穫前と収穫後の2段階で放射能について検査をする方針だということです。」
小出「はい」
水野「で、この基準なんですけれども。」
小出「はい」
水野「1キロあたり、500ベクレルを越えるお米が出た場合にはその市町村のお米を出荷停止とする方針なんですね」
小出「はい」
水野「でー、まあ、お米っていのは主食ですし、万一のことですから。一生食べ続けるという意味でも他の食品とは意味の重さが違うのではないかとわたくしは思います。」
小出「はい」
水野「そうしたお米について、この500ベクレルという数値、小出先生からご覧になると妥当なものでしょうか」
小出「高すぎます」
水野「高すぎますか」
小出「はい」
水野「というのはどういう、考え方からでしょう」
小出「牛肉も500ベクレルです。えー、牛肉を毎日食べる人はいないと思いますが、お米は必ず毎日食べると思います。」
水野「そうなんですよねー」
小出「はい。必ず基準値は別にしなければいけません」
水野「あーということはもっと低い値に設定をするべきであると。主食であるから」
小出「もちろん。本当はきめ細かくですね、基準値を決めなければいけないのだと、と思います」
水野「つまりその食品ごとにどれくらい摂取するかということを考え合わせてもっときめ細かく決めるべきだということですか」
小出「はい。ただし、私はなんども発言してきたと思いますが基準を決めてそれより超えたものは出荷停止、それより低いものは安全だという規制自体に私は反対しています」
水野「そういう事ですね」
小出「はい」
水野「ただ、子どもたちに安全なものを食べさせねばならないという意味でいうと、あるどっかの数値を私たちとしては提示してもらわないことには困るという思いもあるんですよ」
小出「そうですね。ですから500ベクレル、1kgあたり500ベクレルの汚染があった場合に、大人だったら何ミリシーベルトの被ばくになってしまいます、子どもの場合は何ミリシーベルトの被ばくになりますということをきめ細かく教えてもらわないといけないと思います。」
水野「そこですね」
小出「はい」
水野「はあー、そういう意味で言うと、まあ、例えば500ベクレルではなく、何ベクレルぐらいのものを、でないと子どもには与えないほうがいいいと先生はお考えですか」
小出「例えば今現在で言えば1kgあたり0.1ベクレルという汚染もないと思います。日本国内の。あ、これまでの日本国内のお米では」
水野「これまでの3月11日以前ですね」
小出「はい」
水野「0.1ベクレルも1キログラムの中にセシウムの値でしょうかこれは」
小出「そうです」
水野「放射性セシウムの値は、お米にはないだろうと」
小出「はい」
水野「はあー。それを、0.1ベクレルものだったものが500ベクレルになるというのは、5000倍を許すということになりかねないんですね」
小出「そうですね。それでそれを超えていれば危険だから出荷停止にするけれども、それを下回っていれば499ベクレルであっても安全だと日本の政府は言うのですね。」
水野「ええー。なるほど。ということであれば今の方針でもですね、500ベクレル以下のものが出回る際にも、もっときめ細かく放射性セシウムがどれだけであるかということも書いてもらわないことには」
小出「そうです」
水野「私たちとしては子どもにどれを与えればいいかわからないということになりますね」
小出「そうです。私は500ベクレル以上でも出回らせていいと主張してきてる人間です。そういう汚染の高いものは、原子力を許してきた日本人が食べ ればいいと思いますし。東京電力の社員食堂、国会の議員会館の議員食堂等は滅茶苦茶な汚染のものを、でつくってほしいと思って、いますし。えー私のように 原子力を許してきた世代の大人は甘んじて食べて欲しいと思って、います。ただし、子どもは守らなければいけませんのでどのお米がどれだけの汚染だというこ とをきっちりと知らせる責任が今の国と東京電力にあると私は思います。」
水野「近藤さーん」
近藤「はい」
水野「これまでに汚染されていなかったものがどれだけの数値だったか。0.1ベクレルもなかったであろう、0.1ベクレルであったろうというその基準は私たち知らされないままだと。どう考えていいかわからないですもんね」
近藤「あのー先生ね。僕はそのーいろんなこうー、ま土壌が汚染されてるからそういうふうにお米調べましょって形で来るわけですけど。それ以前にですね、あのー、いわゆる本当にこのー、除染しなければならないマップみたいなものは、あの作れないものなんでしょうか」
小出「えー作れると思いますが、今現在、文部科学省と米軍、あるいはそれぞれの県が協力して大まかなマップは作っている、のですね。ただ、えー、環 境の問題というのはとても難しくて、大まかなマップを作ったところでその中にはまたものすごい濃淡の違いがある、のです。でそれを、本当にそのー、きちっ と調べるという作業は大変な作業になりますので、これから一つ一つそれをやっていかなければいけないと思います」
近藤「あのー、どっかの新聞だったと思いますが。群馬大学の先生がね」
小出「はい」
近藤「そのー11、12日か。12日から23日ぐらいまでの2週間に」
水野「3月ですね」
近藤「ええ。あのー放射性物質の可能性、えー、をこう詳細な地図にこう落として行ってるわけです。それを見たときに、え? 東京都の、要するに風に乗って15日だったかな」
小出「そうです」
近藤「なんかこういう、…、図になってるわけですよ」
小出「そうです」
近藤「こういうのって、僕ら自身の時に活断層の地図なんか見ましたけども、これはあるのとないのと、見てるのと見てないのとでは警戒心、全然かわるんですけどね」
小出「そうですね。ですからそれは3月15日の時点でちゃんと政府の方は知っていたわけですから。」
近藤「ですよね」
小出「はい。その時に公表しなければいけなかったのですが、それを公表するとパニックが起きるということで政府はそれを隠した、のです。えーそうい うやり方は私はたいへんいけないことだと思うし、今からでも遅くないのでどんどん公表してどこの地域がどの程度汚れているということをまず知らせなければ いけないし。えーそのうえで、ホットスポットというところがあちこちにあるはずですので、それを自治体、地方の自治体も含めて詳細に調べるという作業をこ れからやらなければいけません」
近藤「そうですよね。ほいでその結果として、要するに農作物に影響があるないちゅうのが、ある程度こうわかるわけですけども」
小出「そうです。」
近藤「その農作物の数字をポンと出されて危ないですよ言われたときにはね。」
小出「はい」
近藤「もう食べちゃってるわけですよね」
小出「そうです」
近藤「色んな農作物を」
小出「そうです」
近藤「だから、何らかのこう予備的なものを欲しいなという思いが非常にだんだん強くなってきてましてね」
小出「はい。私もそう思います」
水野「はい。次にですね、瓦礫について伺いたいんです。被災地では大量の瓦礫が発生してまして、地元ではとっても処理できない。そこでこれを全国で それぞれ分散して処理しようという動きがあります。でこれに対して日本中のいろんな自治体がうちでもやりましょう、処理しましょうと手を挙げているんです ね。で、この処理する瓦礫なんですが。環境省の前提は、放射性物質による汚染はないという立場なんです」
小出「(笑)」
水野「ただ、小出先生、放射性物質による汚染がない瓦礫って、逆に言うとどれだけあるのかって思うんですがいかがですか」
小出「もちろんないですね。日本中どんな瓦礫も放射性物質で汚染していますし。特に福島原子力発電所に近いところで、にある瓦礫というのはもう猛烈 に汚れて、います。で、(※咳)これまで1つの原子力発電所を廃炉にする。その時にどれだけのゴミが出るだろうということを計算した結果、1つ毎に60万 立方メートルのゴミが出るだろうと」
水野「60万立方メートル。はい」
小出「はい。ただそれを全部放射能で汚れたゴミに、ゴミとして始末をしようとするととても大変なので、えー汚染を少ないものから順番に仕分けをしていって、大半のものはもう放射性物質としても規定を外してしまおうということを日本の政府は考えてきたんですね。」
水野「えー」
小出「それはあの、クリアランスと私たちは呼んでいる制度なんですけれども。えー、その制度で例えばセシウムや他の、ま、コバルト60とかいうです ね、??風的な(※聞き取れず)放射性物質の場合には、1kgあたり100ベクレルだったと思いますが、それ以下のものはもう野放しにしていいという基準だったんですが。 今現在もう東京都の下水処理場だろうとなんだろうと、1kgあたり何千ベクレル何万ベクレルというようなもうゴミが出てきてしまっている、わけですし。瓦 礫でもそれをはるかに超えるような瓦礫も山ほどあるだろうと、思います。」
水野「でもこうした、汚染された瓦礫がですね、日本中で処理される、焼却されたり埋め立てられたりしていくということはですね。ある意味、放射性物質を日本中に、まあばらまいてしまう状況にはさせませんか」
小出「そういう事になるわけですね。ただもう福島の原子力発電所の事故が起きてしまって、大量のもう瓦礫がもう生じてしまっているし、瓦礫だけでは なくて大地自身がすでに汚されてしまって、いるわけです。私はよく、あのこれまでも聞いていただきましたけど。世界は変わっているのです、もう。」
水野「ええ」
小出「日本のこれまでの法律なんて、全くもう適用することすらが出来ないという、そういう状態に私たちは生きて、います。えー、放射能が日常的にどんどん自分たちの生活環境に出回ってくるということは避けられないと私は、思います」
水野「リスナーの方から、質問が来ておりましてですね。えー、関西広域連合で兵庫県が瓦礫を、被災地の瓦礫を神戸港へ埋め立てるという話を聞いたん ですが、私神戸港で働いております。海は汚れないんでしょうか。心配です。というラジオネームかかさんというかたのご質問なんです。でこれくわしくどうい う事かといいますと。兵庫県の知事さんがこういうことをおっしゃっておりまして。えー、兵庫県の知事さんは関西広域連合で広域連合長も努めていらっしゃい ます。で、被災地の瓦礫の処理について一定の条件のもと受け入れるって話を今提案してはるんですね。で、えー近畿の廃棄物で大阪湾の沖合を埋め立てる計画 がありまして、この枠組で受け入れましょう、と言う提案です。で受け入れるのは木くずなどチップにした物、あるいはすでに焼却されたあとの灰、灰です。」
小出「はい」
水野「でこの灰の基準がですね放射性物質が1kgあたり8000ベクレル以下の灰だったら受け入れましょう。この灰は泉大津市の沖、神戸の沖に埋め 立てるというまあ想定案がでております。これについてまあラジオネームかかさんは心配をしていらっしゃるんですが。小出先生どう思われます?」
小出「私も心配です」
水野「はぁ…」
小出「はい。ただし、これまで原子力をずうっと日本という国は利用してきてしまって、えー高レベルあるいは低レベルというゴミを大量につくってきて しまった、んですね。で、例えば低レベルと呼ばれているゴミ、比較的汚染度が低いゴミは青森県の六ヶ所村に押し付けてきた、のです。それでまあ東京の人も 大阪の人もそれに目をつぶってこれまで過ごしてきたわけですけれども。今は福島の原子力発電所の事故を受けて大量の放射性物質がもうすでにそこらじゅうの 環境にばらまかれてしまっているわけで。それを一体どうするかという、ほんとうに困った問題、どうしていいかわからないほどの問題を今私たちは付きつけら れて、います。で私はこれまでに言ってきたことに従っていうなら、そういう汚染したゴミは東京あるいは大阪、あるいは神戸でもいいですけれども、大都市に住んでいる私たちこそが今責任を取らなければいけないと思います。」
水野「は。またこの話色々続くかと思いますので教えてください」
小出「はい」
水野「ありがとうございました」
近藤「どうもー」
小出「ありがとうございました」
水野「京都大学原子炉実験所助教、小出裕章先生にうかがいました」
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素15掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。