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[福島原発] 「工程表」は完全に破綻 「即死」する10シーベルトの衝撃
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2011/8/3 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
作業員が近づけない!
福島原発で計測された放射線量「毎時10シーベルト(1万ミリシーベルト)」には仰天だ。ヒトは7シーベルト以上の全身被(ひ)曝(ばく)で死亡する。その「デッドライン」を大幅に上回る数値が計測されたのだ。これでは現場に作業員が近づくだけで即死だ。
とても収束作業どころではない。
「14シーベルト、致死量デス」――。大ヒットアニメ「宇宙戦艦ヤマト」の実写版映画では、放射能に汚染された地球を歩く防護服姿のキムタクに対し、ロボットが警告するシーンが出てくる。今回、福島原発で計測された放射線量10シーベルトは、もはや「SF映画」のレベル。とてつもない数値なのだ。ちなみに広島原爆では、爆心地から700メートルの地点が11・1シーベルトで、半径1キロ以内の被爆者の約9割が死亡している。
「致死量に匹敵する放射線が測定されたのは、1号機と2号機の建屋の間にある排気筒近くの配管付近です。3月12日にベントした際に使った配管で、付近では別の場所でも10シーベルトを超える高線量の箇所が見つかっています。線量計は10シーベルト以上は針が振り切れるため、実際はもっと高いとみられます」(科学ジャーナリスト)
福島原発の事故現場でこれまで測定された放射線量は毎時1〜4シーベルトだった。今ごろなぜ、超高濃度の放射線量が計測されたのか。京大原子炉実験所の小出裕章助教はこう言う。
「おそらく原因は、ベントした際に使った1、2号機のダクト(配管)に、炉心溶融した時に出た放射性物質が降り積もったのではないか。(現場付近の)ガレキを取り除いたために分かったのでしょう」
となれば、現場のガレキ除去が進むほど、「デッドライン」を超える地点が増える可能性がある。何も知らずにガレキ除去の作業に当たる作業員は大変だ。数分間いただけで大量被曝、ヘタすれば「即死」だ。
こんな状況では、収束に向けた政府・東電が掲げる工程表の実現はムリ。それでなくてもベテラン作業員は積算被曝量が増えて日々の作業が困難になりつつあるのだ。小出助教がこう続ける。
「東電は把握していると思いますが、放射線量が高い地点はあちこちにあるとみられます。当面、作業員は近寄れないでしょう。また、2、3号機内に誰も入れない状況からみて、建屋内はもっと線量が高いとみていい。以前から指摘している通り、工程表の実現は難しいと言わざるを得ません」
作業員が「特攻隊」のようにならないことを祈るばかりだ。
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