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やらせメール 知事「再稼働容認」の本音、九電動かす
2011年08月01日更新 佐賀新聞
http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2009925.article.html
九州電力玄海原発(東松浦郡玄海町)の再稼働をめぐる「やらせメール」問題は、古川康知事が九電幹部に、原発説明番組に再稼働容認の意見投稿を暗に求めるような発言をしたことが発端となった疑いが濃厚となった。発言当時、古川知事は再稼働容認へ舵(かじ)を切り始めていた。ただ、脱原発の世論も強くなっており、説明番組がどのような雰囲気になるのか注目を集めていた。容認するための「確からしい根拠」や補強材料探しに苦吟していた知事が九電幹部に漏らした「再稼働容認の声を出していくことも必要」という本音が「やらせメール」を誘発した可能性がある。
再稼働について知事は当初、慎重姿勢だった。5月17日、要件として(1)福島原発事故で地震による被害はあったか(2)国が浜岡原発以外の原発を安全とする根拠(3)福島原発事故でMOX燃料の環境への影響はあったか−という疑問への十分な説明を求めた。
6月10日の記者会見では「決断には根拠が必要。説明できる確からしい根拠を現時点で持ち合わせていないので決断できずにいる」と、厳しい表情をみせた。
状況は1週間後に変化を見せた。17日の県議会一般質問。原子力安全・保安院から「福島原発事故で地震の影響はなく、MOX燃料を使っていたことによる環境影響もなかった」と説明を受けたことについて「一定の理解ができる」と、初めて容認へ前向きな姿勢を示した。
九電の3幹部との面談は4日後の21日。26日の説明番組がどういう雰囲気になるか。知事が気になっていたことは容易に想像できる。そうした中で「容認意見がでてほしい」という本音が出て、九電幹部が“拡大解釈”した可能性は十分ある。
説明会では実際、原発必要論のメールも紹介された。開催後、知事は「賛成者を集めた“やらせ”という批判もあったが、そうでなかったことは番組を見てもらえればわかったと思う。いいやりとりだった」と満足げに語った。「原発必要メール」が九電関係者からだったかは分かっていないが、知事発言は実現した。
知事発言について玄海町の岸本英雄町長は「原発の問題は広く県民の考えをくみして判断しなければならない。そんな知事としての悩みが表れた言葉かもしれない。察するところはある」と、原発立地町の首長という立場と重ねて言葉を選ぶように語った。
一方、2005年のプルサーマル公開討論会で九電による動員の可能性を指摘していた宮崎泰茂県議は「知事には3期目の選挙で全20市町の首長から支持を受けた自信過剰が根底にあり、気の緩みが出てきたのだろう。これぐらいのことは平気で言う。最終的に口の軽さが命取りになる」と突き放した。
佐賀大の畑山敏夫教授は「発言も問題だが、『公正に判断するために賛成派、反対派のどちらとも会わない』と言いながら、九電と面談していた。スキのない答弁をされる古川知事にしては随分、軽率だった。九電は“身内”と安心したんだろう」と皮肉を交えて語る。
今後の焦点は、知事発言が本当に「やらせメール」を誘発したか。再稼働支持メールを送ることを考えた九電幹部3人は、知事面会の数時間後の昼食の席で「発電再開に賛成する意見の投稿を増やす」認識を共有した。知事発言がきっかけとなった可能性は濃厚だ。
ただ、九電は過去の説明会で必ずといっていいほど社員動員などの“工作”を重ねてきた。参加者限定で動員できない番組に対し、何らかの手だてを考えていた可能性は否定できない。“渡りに舟”的にでてきた知事発言を活用したことも考えられる。
ただ、どちらに転んでも「軽率だった」「メールを依頼したつもりはない」では済まされない。知事はメール問題発覚後、「九電はまな板の上のコイの立場。あれこれしてはいけない。行き過ぎ」とコメントしている。
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