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今朝の地震はけっこう強い揺れだったので、4号機の原子炉建屋=燃料プールの状況が心配になりTVをつけたりもした。
4号機問題の自分の投稿のコメント欄で新しい情報を少し書いたが、さらに新しい情報もあるので独立のスレッドとして4号機の使用済み燃料プールに関する情報を紹介したい。
■ 4号機使用済み燃料プールの水温は高いレベルで推移
4号機使用済み燃料プールの水温は、熱電対で計測しており、28日及び29日時点で87から90℃の高いレベルにある。
※ 熱電対(ねつでんつい):異なる二つの金属を使った回路で、温度差に応じて電圧が変化することを利用して温度を計測するもの。
※ 「地震被害情報(第213報)(7月28日12時00分現在)」の「プラント関連パラメータ」を参照
http://www.meti.go.jp/press/2011/07/20110728009/20110728009-3.pdf
プール内に保管されている使用済み核燃料棒が8万本を超える膨大な量であり、水温は、循環冷却ではなく、さらにプールへの荷重を考慮した注水ではほとんど下がらないようだ。
これまでは、とにかく、プールの瓦解を防ぎつつ、使用済み核燃料の冠水状態を維持することで精一杯だったはず。
(4号機燃料プール内の使用済み核燃料からは、現在でも、一日100トン近くの蒸発があるほど大きな崩壊熱が出ている。これは一日平均の注水量から推定できる)
■ 燃料プールへの7月の注水は“爆破”目的と同じ手法で実施
“きりん”とか“象”とか呼ばれたコンクリートポンプ車による注水は、6月16日が最後で、6月16日から仮説放水設備による注水に変わった。
同時に、3月15日の“爆破”の目的と推測できる「機器類プール」を利用した燃料プールへの注水も行っている。
しかし、「機器類プール」を使っての注水は、なぜか“燃料プールへの注水”が目的であることが伏されており、奇妙にも「機器類プール」の“水張り”と表現されている。
【「地震被害情報(第214報)(7月29日15時00分現在)」P.25より引用】
(http://www.meti.go.jp/press/2011/07/20110729007/20110729007-1.pdf)
「・機器仮置きプール(DSP)へ水張り(6 月19 日9:14〜11:57、6 月20 日9:49〜9:52、10:06〜6 月21 日11:29、11:45〜12:52、6 月22 日8:32〜14:31、6月23 日9:32〜15:29、6 月28 日9:40〜15:29、7 月4 日9:13〜18:18、7 月8日8:22〜13:52、7 月12 日11:22〜12:03*、7 月13 日11:50〜12:45**、7 月15 日13:05〜19:15、7 月16 日11:22〜15:52、7 月20 日11:15〜15:39、7 月24 日10:37〜15:20、7 月28 日14:33〜18:50)
(*:注水ラインの接続部から水漏れが生じたため停止)
(**:注水ラインの接続部(7 月12 日とは異なる箇所)から水漏れが生じたため停止)」
このような表現で、「機器類プール」に水を溜める目的が「原子炉ウェル」を経由して「燃料プール」に水を流し込むことであることをわざわざ隠している。
仮設放水設備による使用済燃料プールの注水は6月30日が最後で、毎日100トンほど必要な7月の注水は、すべて、「機器類プール」に水を溜め「原子炉ウェル」を経由して流し込む方法で行われている。
“4号機燃料プールは「機器類プール」を利用しての注水”と説明しても“あやしむ人”はほとんどいないと思われる(笑)のに、政府&東電は、3月15日の出来事を連想させる説明を必死に避けているようだ。
■ 燃料プール注水時に酸化防止目的として「ヒドラジン」を添加
4号機だけではなく、2号機・3号機もだが、5月9日以降(2号機は7月25日分から添加)、さび(腐食)を防ぐための酸素除去目的と思われるヒドラジンを添加した注水を行っている。
ヒドラジンは、ロケットやミサイルなどの燃料で使われることで有名だが、毒物であり「変異原性が認められた化学物質(発がん性)」と評価されていることから、北朝鮮のミサイル問題でも話題になり、海外ではその利用に関する規制が進んでいる。
東電は、ヒドラジンを注入していることに関し、「ヒドラジンは毒性があるが、0.0005%程度の低濃度で問題はない」と説明している。
4号機だけでも100トン近い水が蒸発しているわけで、水に溶けていたヒドラジンが蒸発で気化し大気中に拡散している可能性は否定できないはずだ。
福島第一で事故対応に追われている人々は、放射能のみならず、ヒドラジンという発癌物質の脅威にさらされながら作業を強いられていることになる。
政府は、東電に丸投げするのではなく、ヒドラジンの問題も、きちんと説明し対策を講じなければならない。
※ 参考資料
「火力プラント水処理における脱ヒドラジンへの取組み」(三菱重工技報:発電技術特集)
http://www.mhi.co.jp/technology/review/pdf/462/462055.pdf
■ 強度的に不安視されている4号機燃料プールを支える工事完了
以前あるコメント欄で簡単に紹介した4号機燃料プールを底から支えるための工事が完了した。
格納容器の外周を使うというきわどい手法の部分もあるが、鋼管の支柱を建てたあと、コンクリートやグラウト(隙間を埋めるセメントなどの糊)を流し込み工事が完了したという。
※ 「写真付きの工事完了報告資料」東電
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/images/handouts_110730_02-j.pdf
■ 代替循環冷却装置の稼働間近
東電と保安院の情報によると、27日と28日に、爆発をくぐり抜けて無事だった配管を使った代替冷却装置の試運転をしている。
本稼働は明日(8月1日)を予定しているとのこと。
4号機の使用済み燃料プールは、プール底部を鋼管の支柱とコンクリートで支えながら循環冷却をで行うことで冷温に持ち込み安定化させたいと考えているようだ。
【「地震被害情報(第214報)(7月29日15時00分現在)」P.25より引用】
(http://www.meti.go.jp/press/2011/07/20110729007/20110729007-1.pdf)
「・使用済燃料プールの代替冷却工事の準備を実施(7 月6 日10:20〜10:33)
・使用済燃料プールの代替冷却工事に関し、配管の健全性確認を実施(7 月8日10:00〜11:30)
・使用済燃料プールの代替冷却装置の2次系試運転を実施(7 月27 日10:50〜11:37、7 月28 日10:55〜11:53)
・使用済燃料プールの代替冷却装置の1次系リークテストを実施(7 月27 日10:20〜13:00)
・使用済燃料プールの代替冷却装置の1次系耐圧試験を実施(7 月28 日10:09〜10:57)」
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