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ペトカウ効果という言葉は知っているかな?‐ラルフ・グロイブ
http://www.asyura2.com/11/genpatu15/msg/116.html
投稿者 ペリマリ 日時 2011 年 7 月 31 日 12:50:44: wYkwR80YgQReU
 

◎ペトカウ効果

『慢性的な少量の放射線は、ICRPの基準より1000倍も危険である』

『放射線照射が長時間に及ぶ場合には(内部被曝の場合には)ごく低レベルの線量で細胞膜が破れる』

『0.01ミリシーベルト/分で長時間照射すると全量わずか7ミリシーベルトで細胞膜は破壊される』

『低レベルの長時間照射の場合(内部被曝の場合)、細胞膜を破壊するのに5000倍も小さい線量しか必要としない』


『ペトカウ効果の実験を何回くり返しても同じ結論に達する』


前回の投稿に引き続きグロイブ&スターングラス著『The Petkau Effect』の訳書より抜粋します。

(読みやすいように部分的にダイジェストしました)


以下グロイヴ氏へのインタビュー記事『ジェントルキラー(原発)との生涯をかけた闘い』より


40年以上原子力の危険性に対して警告を発し、不断の努力を重ねてきたグロイブ氏は、著書である『ペトカウ効果‐人間と環境に対する放射能の破壊的な影響』を通して国際的に知られている。


グロイブ氏
「この話題について、何をご存知かな?ペトカウ効果という言葉は知っているかな?」


(レポーターは、このインタビューの準備のために氏の著作や論文をいくつか読んでいると答える)


グロイブ氏
「では対数は分るのだろうね」


(紙にグラフの曲線を引きながらペトカウ効果について説明する)


グロイブ氏
「最小の線量でリスクの可能性があることを示すものなんだ。ところが国際放射線防護委員会(ICRP)は、今でも『線量が半分になれば影響も半分』というモデルを使っている。実際は、このグラフの左端にある最小の線量でも危険なのだよ。高線量を短期間浴びるよりも、長期的に(低線量を浴びる方が)より危険である可能性があるんだよ」


(同時にグロイブ氏は医療放射線の極小な線量が有益である場合もあるとし)


グロイブ氏
「(でも)私はラドン温泉には決して行かない」


グロイブ氏は現在86歳、化学者であった彼が40年以上原子力と闘ってきたのは、
1950年代アメリカとソ連の軍拡競争による放射性物質について、特にストロンチウム90の弊害について、アメリカのスターングラスたち放射線専門家たちが報告したことに端を発する。


グロイブ氏
「しかし、冷戦の影響で(ストロンチウム90の害の)報告は隠されてしまったんだ」


ヨーロッパの農地でも汚染が発生し、1963年ドイツ議会は黒パンの流通が禁止されそうになる。


グロイブ氏
「当時私は、汚染された黒パンを食べるか、栄養価が低い白パンを食べるかという選択を迫られ、身震いしてしまった」


以来、放射線の問題にのめり込んだグロイブ氏は、1972年初めてのベストセラー
『ジェントルキラー:仮面をはずした原子力発電所』を出版、いかに人類がエコロジーのルールを踏みにじっているか、原子力発電は通常の運転中であってもどのように危険であるかを詳細に説明する。

同年、スターングラスがカナダのマニトバにある原子力委員会の研究所の放射線専門家であるアブラハム・ペトカウによる研究を知る。ペトカウは『慢性的な少量の放射線は、以前考えられていたよりも1000倍も危険である』ことの証拠を見出している。

グロイブ氏はペトカウの研究を掘り下げ、1985年に『ペトカウ効果』を出版。第二番目のベストセラーとなった本書は、低レベル放射線が、遺伝障害、ガン、白血病、一般的健康障害、環境への悪影響の原因となり得ることに注意を喚起している。仏語、英語、オランダ語、ロシア語に翻訳されたが、本邦では2011年のこの訳書が初めての翻訳である。

グロイブ氏は13冊の本を出版し、議会、国際会議、パネルデイスカッション等で講演し、TVにも出演しているが、ICRPもメデイアも原子力ロビーとの無言の協約で『ペトカウ効果』などの知見を隠している。

例えば最近の例では2006年9月にフェルトキルヒ行われた、ロシアを含む多くの国の著名な専門家を交えた『チュエルノブイリと共に生きて20年‐未来のための経験と教訓』と題した国際会議をスイスのどの大手新聞も報じなかった。


グロイブ氏
「原子力に対する闘いで、自分ができる分はやった。私が本に載せた知見はいまだに否定されていない。そしてこれらの本は、私の人生で一番大事なものだ。お金は決して儲からなかったけどね」


(グロイブ氏は『ペトカウ効果』のロシア語版の編集を特に喜んでいる)


グロイブ氏
「本書のロシア語版は、ロシアの科学者エレナ・ブルラコーワ女史によって始められたこのだ。彼女の研究は50年代に既に上方に凸の効果を立証して、低レベル放射線の害について広めており、独自にペトカウの結果を確認しているのだよ」


エレナ・ブルラコーワによる重要な研究は、ソ連崩壊の前には西側諸国には知らされていなかった。グロイブ氏はブルラコーワに個人的に何度か会い、雑誌のインタビューもしている。

グロイブ氏はこれら全ての献身的な活動を通じて、世界生命保護協会からハンス・アダルバート・シュヴァイガート・メダルを受賞している。保護協会の創設者であるシュヴァイガートは、科学には二つの種類があるという。すなわち利害に依存している科学と独立した科学の二種類があることを認識していると。

グロイブ氏はスイスの人々が原発の新規建設に進んで反対しない事実に驚いていない。


グロイブ氏
「若い人は原子力の危険性をほとんど知らない。彼らはチェルノブイリの体験をしていない。多分、原発事故(またはテロ攻撃)が我々の近く、つまり人口密集地に起こらなければ無理なのだろう」


http://www.udeo.ch/html/graeub.htmlより抜粋

以上です。


日本では福島原発事故が起き、多大な犠牲を払っているのにもかかわらず、まだ無理のようです。
いったい何が起き、どんな犠牲を払ったら、無理ではなくなるのでしょうか?


『今の悲惨な現状から脱出する唯一の道は、あらゆる生命の問題を広く生態学的に再評価することだ。今日餓えに苦しむ人間や、危険に瀕している動植物の未来を考えて何の感情も抱かないものは、人間性の一部をすでに失ってしまっていると言えよう』

‐アーネスト・スターングラス
 

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コメント
 
01. 2011年7月31日 16:24:20: ieWTAudjoA
アーネストさん、その通り!!!

02. 2011年7月31日 16:32:00: FmB0JlnSpg
低線量被爆の脅威を以下転載させていただきます。
転載開始


<訳:松元保昭(まつもとやすあき):パレスチナ連帯・札幌>

ジョー・ジャムブロンの《放射能:フクシマの子どもたちの未来》を、拙訳ですが紹介します。http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=24611

米国カリフォルニア在住の映画製作者であり作家でもあるジョー・ジャムブロン氏は、この論考をチェルノブイリ25周年を経た5月3日にグローバル・リサーチに投稿しています。チェルノブイリとフクシマを重ね合わせ、日本の人々、および全世界の人々に警鐘を打ち鳴らしています。

●Political Film Blog:チェルノブイリの闘い(2006年)あるいはチェルノブイリ・ギャラリーは以下を参照。http://politicalfilm.wordpress.com/2011/04/07/the-battle-for-chernobyl-2006-also-free-online-now/
上記ブログのようにチェルノブイリを熟知しているジョー・ジャムブロン氏のこの論考は、チェルノブイリの悲惨な現実と的確な資料典拠に基づいて未来の子どもの観点から、原子力産業と放射能を根本から批判する貴重な見解を提示しています。

彼は、放射性核種と放射線による内部被曝の現実にもとづき、福島の汚染の実態と将来を見すえて北日本の汚染地帯から、とくに妊婦、子どもたちが早急に避難すべきことを警告しています。

とりわけ原子力産業を推進しているIAEAの放射能被害の意図的な過小評価、およびIAEAとWHOの上下関係が指摘され、国連および国連科学委員会(UNSCEAR)からICRPにいたる共犯性が示唆されています。さらにウラン兵器を使用しているNATO軍のリビア攻撃にいたるまで、現在地球を覆っている恐ろしい公然とした闇の隠蔽構造を暴こうとしている論考です。

世界中の原子力産業は、国際刑事裁判所の「人道に対する罪」に値するという彼の真剣な指摘が、放射能汚染時代の普遍的人権の砦になることを願っています。

※本文中、北日本(northern Japan)とあるのは東北地方を指すと思われます。
=====以下の訳文は原文サイト付きで転載転送歓迎です======

Radiation: The Future Children of Fukushima by Joe Giambrone
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=24611
Global Research, May 3, 2011

《放射能:フクシマの子どもたちの未来》
ジョー・ジャムブラン
Global Research, May 3, 2011

「妊娠4ヶ月のひとりの女性がセシウム137に汚染された。母親の体内のセシウム137の濃縮値(0,91ベクレル/kg)は、彼女の新生児の値(0,97ベクレル/kg)と同じだった。(1)」

ベラルーシ、ウクライナおよびロシアのいくつかの州の子どもたちは、日本が現在経験している大規模な放射能汚染から何を予想すべきかをわれわれに告げている。放射線は、大人たちを殺すということをわれわれは知っているが、その大人たちよりもさらなる過酷さで若者たちを冒す。放射能は、初期段階の放射量だけでなく体内に取り込まれた微粒子が放つ放射線に長時間さらされることによって、末期がんを含む多様な疾病の原因となる。 
日本政府の内閣官房参与、核アドバイザーの小佐古敏荘教授は、政府に抗議して辞任した。日本政府が学校の子どもたちの被曝許容水準を20倍に、つまり年1ミリシーベルトから20ミリシーベルトに高めたことに対する抗議であった。

立証可能なことだが、原子力産業は人類にとって空前絶後の大災厄を与えて続けてきた。

放射性核種汚染にかんする世界の主要な専門家の一人であるユリ・バンダシェフスキィ博士はベラルーシの首都ミンスクで活動している。チェルノブイリ「グラウンド・ゼロ」近くでバンダシェフスキィ氏は、何百もの科学論文を発表し、また長年にわたって子どもたちの体に取り込まれた放射能汚染について研究をおこなってきた。

北日本の親たちは、バンダシェフスキィ博士の推奨する食物について十分に研究していた。彼は、リンゴのペクチンが放射性セシウム137を体内から取り除く作用を促進することを発見したのである。

しかしながら、汚染地域で育った食物や飼育された家畜たちを通じて、何世紀にもわたって放射能が全住民に受け継がれることになるだろう。日本人が魚に依存しているという事実は、近い将来彼らの存続にさらなる衝撃をもたらすことになるだろう。なぜなら、より大きな魚の方が食物連鎖によって放射性微粒子をより多く摂取するからである。

バンダシェフスキィ博士は、放射線による体内汚染の危険性にかんして厳しい数字を設定した。…「体重1kgあたり30ベクレルを超えるレベルのセシウム137の長期にわたる存在は、しばしば深刻な心臓疾患に関係することとなる。(2)」

体重1kgあたり50ベクレルを超過するセシウム137を体内に取り込んだ子どもたちにとっては、「活動中の臓器と器官系統にかんする病理学的な障害が発生するだろう。(3)」これらのレベルは、自然流産のリスクを増大させ、新生児にグロテスクな奇形を引き起すことになる。

米国疾病管理センター(CDC)は、「セシウム134と137は、双方ともベータ粒子およびガンマ線を放出するため、これらの放射線に貫通された細胞内で分子がイオン化(電離)し、細胞組織の損傷および細胞機能の崩壊を引き起すだろう。(4)」と述べている。

妊娠している日本の母親たちは、可能な限り早く北日本から避難すべきである。子どもたちの安全のためにはその地域を見捨てるべきだ。胎児は差し迫った危険にさらされており、大人に比べて放射線に対し何倍も脆弱である。
「いま日本ではどれほどの放射能を浴びていますか?」

オンラインのネイチャー誌サイト上では、原発施設の北西40キロの土壌に、「日本の文科省によれば、63000ベクレル/kgのセシウム137と1170000ベクレル/kgのヨウ素131が含まれている。(5)」と報告している。

印象的なことは、新しい公的な「避難区域」は原発施設から半径30キロ内にすぎないということである。これは、上に述べた放射線にさらされた土壌の上で営みを続ける生命体は避難することさえも勧告されていないということである。大部分は自からの意志でそうしないだけなのだ。彼らは次々と普段の生活へと戻っていく。あいにく色もなく、味もなく、臭いもない放射性核種は、それらの家族の今後の生活にとって絶え間のない汚染となるだろう。セシウム、ストロンチウム、ヨウ素およびその他の放射性核種は、どんな虚しい保証にもかかわらず汚染された環境における生命体を逆に冒し続けるだろう。

地球上でもっとも有毒な物質とされるプルトニウムが、韓国の8ヵ所の異なるモニタリングポストで検出された。
放射能は、激しく論争にさらされ問題の多い話題でもある。医学的証拠の膨大な隠匿が、主要メディアでは恒常的に無視されている。国際原子力機関(IAEA)がこの問題に満ちた議論の中枢にあるのだが、その目的の全ては世界中で原子力産業を促進させることである。多くの人は知らないが、IAEAは軍民双方において放射能に関するすべての健康問題の権威者となっている。

世界保健機構(WHO)は、チェルノブイリのような放射能の大惨事にかんする研究結果を公表することを―IAEAによって―まったく遮断されている。まさにそういったシナリオが、中島宏博士がWHO事務総長在職期間であった1995年に作られた。(6)(訳注:中島宏氏は1988年から98年までの10年間WHO事務総長を務めた。)

スイスのドキュメンタリー・チームは、中島宏博士主導の「700人の医師と専門家」による1995年の国際会議で、チェルノブイリにかんする研究結果の公表をIAEAによって妨げられたことを明らかにした。2004年のスイスのフィルム「核論争(原子力論争)」では、現場における医師と科学者対IAEA間の対立を記録している。

中島博士はIAEAについてこのように語っている。「彼らは軍事および民間、平和および一般使用を問わず、原子力(核)産業について権限をもっているのです。彼らが命令しているのです。(7)」
これは公然の秘密なのだが、西側の「軍事」という言葉および軍隊の願望は、「劣化ウラン」という軍用品で他国を叩きのめすことにある。NATOが現在ウランタイプの爆弾をリビアにどかどか落としているが、それならばウランによる汚染が現地の民間人に被害を及ぼすであろうということを否定しなければならない。それを認めることは、戦争犯罪にかんする告白に相当するため、このような虚構が続いているのである。

放射能はDNAを冒し、恐ろしい奇形や突然死、そして個々の人生の未来に残存し続ける疾病の原因となる。

アカデミー賞を獲得した「Chernobyl Heart (2003)」を含めて、かなりのフィルムがチェルノブイリの子どもたちにかんする放射能の影響を記録してきた。このフィルムは、醜く変形した幼児および甲状腺がんと他の甲状腺疾病に罹っている多数の十代の子どもたちの悲惨な姿を映し出している。公式の政府研究によれば、ベラルーシ国民の子どもたちの20%以下が「健康である」と分類されているという。
ウクライナの研究は、「甲状腺がんのそれぞれのケースにかんして、他に29の甲状腺疾患が見つかった。(8)」と調査発表した。

バンダシェフスキィ博士は、セシウムの汚染が低線量のレベルでさえも更なる健康への影響を及ぼすことを発見した。「5ベクレル/kgを被曝した80%以上の子どもたちは健康である。一方、11ベクレル/kgを被曝した子どもたちのわずかに35%が健康である。(9)」

「Chernobyl Heart(2003)」, 「The Battle of Chernobyl(2006)」 および 「Nuclear Controversies (2004)」は、オンライン・データによってすべて観ることができる。放射能が全住民の生命を破壊するというこの証拠をもはや反駁することはできない。
公式の国連の研究は、問題にかんするこの現実を反映することができなかった。国連はその対応の理論的根拠として最終的な拠り所としたものは、原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)のチェルノブイリにかんする2008年報告書に見出すことができる。

「放射線被曝の影響を特定することにかんする部門で以前議論されたように、現在、放射線に特有の生体指標は存在しないので、放射線が個体の特定のがんの原因となったとは科学的に言明することはできない。(10)」

訳注:2008年報告書の「概要と役割」に、次のようにある。
1955年,大気圏核実験による環境放射能汚染の影響に対する懸念に対応し,人体と環境への放射線の影響に関する情報の収集と評価を行うことを目的として、第10回国連総会決議により設立された。 その後、大気圏内核実験の縮小に伴い、すべての「線源」からの電離放射線のレベルと「影響」に関するデータを収集して科学的に取りまとめて評価し,国連総会に報告している。 報告の内容は、自然放射線、人工放射線、医療被ばくおよび職業被ばくからの線量評価、放射線の身体的・遺伝的影響とリスク推定に関する最新の情報を総括したものである。この報告書はICRP(国際放射線防護委員会)への基礎資料となる一方、世界の関係者の重要な拠り所となっている.

●電離放射線による世界の平均被ばく線量―UNSCEAR-2008 年報告書より
http://www.jaif.or.jp/ja/news/2010/unscear2008report_radiation.pdf
(以上訳者注)

それ自身の論理によって、高濃度汚染地域で見出されたがんは放射線が原因で蔓延しているということを科学的に「除外する」ことも、またできない。しかし国連が恥知らずにも、一連の報告書においてチェルノブイリ大惨事の死者総数を故意に実際より少なく数えて公表した事実は間違いない。

放射能を促進するIAEAは、放射能の医学的な因果関係を認めることを断っている一方、破損した福島原子力発電施設から放射能が放出した事実を認めている。いまだに制御不能状態にある発電所から「25キロから58キロの距離で(11)」、ヨウ素131が25メガベクレル/平方メートルおよびセシウム137が3,7メガベクレル/平方メートルのように高い数値が報告された。これらの数値は、30キロという公式の避難区域(居住不適応地域と読むべし)よりもより広い範囲で大規模な避難を促すべきであることを示している。

その現実に直面することは、計算できないほどの経済的損失によって荒廃した日本の大部分を放棄することを余儀なくさせるだろう。避難民の数は政府が管理することができる範囲をしのぐものとなるだろう。疑いもなく原子力という狂気は、(まともな)全世界にとってもはや回避することのできない現実となりつづけるだろう。
すべての放射線被曝は、がんのリスクを増大させ「安全値」などというものは存在しない。これは全米科学アカデミー(National Academy of Sciences)による結果報告である。(12)EPA (13,) NRC (14), CDC(15)など参照。このように住民が少しでも増加し続ける放射性微粒子に曝されているならば、人間や動物の数パーセントは不幸な結果を被る事になるだろう。正確な数字を確定することは困難ではあるが、統計的な推定によって概算は得られるだろう。

クリス・バズビー博士は、フクシマの200キロメートル圏内の住民のがん患者を「40万人」と予測した。(16)これには東京周辺部も含まれている。チェルノブイリ後のヨーロッパの研究は、彼の算定方法が採用されている。そこには、甲状腺、白血病、すい臓、前立腺、肺、皮膚、骨、実在するあらゆるタイプのがんが含まれる。これは、放射性物質が体内組織に作用しているということだ。

証拠は明らかだ。「チェルノブイリの半径250〜300キロの汚染された地域に」生活している子どもたちは、「突然変異が増大していることを示している。(17)」1987年から2004年までに、「子どもたちにおける脳腫瘍の発生は、3歳までで倍増し、幼児では7,5倍に増加した。(18)」
ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、および周辺諸国の何千という研究が、アレクセイ・ヤブロコフ博士およびヴァシリーとアレクセイ・ネステレンコ両博士によって2009年に編集された。「チェルノブイリ:人間と環境への大惨事の影響」は、5000の研究を引用してニューヨーク科学アカデミーによって出版された。ヨーロッパの40パーセントがかなりの放射線を浴びていた。放射能は、北半球のいたるところに拡散して、今日まで人間の健康に影響を及ぼし続けている。

大部分の汚染された地方は、放射線レベルと直接関係して人間のさまざまな荒廃を示している。ベラルーシのゴメル地方は、メルトダウン以前の1985年では子どもたちの90%が健康であった。2000年には、「健康な子どもたちは全体の10%以下であった。(19)」影響は、他の可能な要素を排除しても汚染レベルに直接関係していた。

珍しい幼児の奇形が、急激に増加した。重症先天性奇形(CMs):「欠損あるいは変形した手足あるいは多指症のようにすでに体内器官が変形しているケース、および生体の成長遅鈍が汚染地域では著しく増加した…公式に登録された重症先天性奇形(CMs)は、大惨事後の最初の12年間のあいだで5,7倍に増加した。(20)

これは、もし北日本の親たちがそこに留まると決心するなら覚悟しなければならないことである。これは、高い危険性をもつ原子力の促進は、汚染区域近くに生活する次の世代にその危険を残すということである。
IAEAの方法論は、ポスト=チェルノブイリの犠牲者の算出に明らかな欠陥を見せている。死産児はまったくカウントされていない。2004年までに、「チェルノブイリの結果として、ウクライナにおける流産および死産の推定された総数は約50000件であった。(21)」という現実がある。

これらはウクライナというたった一つの国の5万人の死であり、国連のいわゆる「公式死者数」の中では言及さえもされていない数字である。

「チェルノブイリのメルトダウンで実際にどれくらい死んだのか?」

ヤブロコフ/ネステレンコの本は、死者数を約100万人と特定した。

「チェルノブイリ大惨事の1986年4月から2004年までの期間の全体の死者数は、合計死者数985000人と推定された。合計死者数のこの推定は、ゴフマン(1994a)およびバーテル(2006)の推計と同じである。(22)」

三つの独立した研究が同様の結論に到達している。
今日、多くの国家が関与している原子力産業は、無謀にも人々の営みを無視して大威張りで誇示し、人道に対する犯罪の領域に入ろうとしている。国際刑事裁判所によって作成された付属文書の人道に対する罪の中に、次のカテゴリーが追加された。

(k) 肉体的、および精神的、もしくは肉体的健康に対して多大な苦痛、または深刻な危害を与えるような故意的な非人道的行為。

すべての核施設は有害な放射性微粒子を規則正しく、また常時排出し、あらゆる政府はそれが安全ではないと認めているという事実は明らかである。核のちから(原子力エネルギー)は、われわれの生活を維持するための汚染されていない耕作地がまだ充分残されている間に、撤廃されるべきである。
厳密に道徳的な意味において、これらの無謀な施設は、数百万人の子どもたち、そしておそらく12000世代にわたってこれから生まれるであろう子どもたちを危険に曝す。(23)放射能パワーを発生させることは、悲劇的な疾病のリスクへとわれわれを危険の只中に曝していることになる。これは、何百万人の人々の人権に対する紛れもない故意の暴力行為である。

プルトニウムは、未来の文明に脅威を残す。この情け容赦も無く制御不能な放射性核種の放出によって、地球は汚染されてしまった。

日本の人々は、ベラルーシの人々を思い出すべきである。子どもたちの出産障害は、「汚染地帯で生活した母親は、汚染されていない地域で生活した母親に較べて2倍も高くなっている。(24)」

(松元保昭訳)
※原注(1)〜(24)は出典の明記ですが、省略させてもらいました。サイトで原文にあたってください。なお、対訳が必要な方はDMで申し出てください。

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔eye1526:110730〕


03. 2011年7月31日 19:35:21: 5zG8qDsuK2
放射線バイスタンダー効果(radiation bystander effect)も同じように重要です。
http://en.wikipedia.org/wiki/Bystander_effect_%28radiobiology%29

04. 2011年8月01日 00:29:33: i37fD8kRRc
>>02様。
貴重な情報をご提供いただき、、心より深く感謝申し上げます。

05. 2011年8月01日 14:30:07: FmB0JlnSpg
04様

事は深刻であります。極めて深刻な事態であります。
放射能は、味がない、色がない、臭いがない、痛みもない。
しかし、ボディブローのように私たちの体を蝕んでいきます。
こだま博士が述べられたとおり、各種放射能物質はその種別により、肝臓、心臓、甲状腺、膀胱などに時間をかけて滞留し続けていきます。と同時に、わたくしたちの遺伝子を切断、破壊し、免疫機能を崩壊させていきます。自己免疫不全状態。

わたくしたち愚かな成人は、地球温暖化に資するなど原発を受け入れ、かつそれによる電力を享受しました。放射能被爆は甘受しなければなりません。しかし、青少年、幼児、これから生まれてくるであろうわたくしたち日本民族の子孫に対して、どのように安全な土地、川、水、空気、生み、山林を引き渡すことができるでしょうか。彼らの健康と生命に対して、どのような責任を果たせるでしょうか。

本来、原子力発電は、美しい森林河川海山に恵まれた日本国と日本民族に対する「敵」であり、右翼の方々が廃止に立ち上がるべき問題であります。西尾幹二先生は、容認から全廃に180度舵を切り替えました。わたくしが知る限り、原発全廃を主張する右翼の論客では、西尾教授ただ一人であります。正統右翼、純粋右翼と言っても過言ではありません。

自民党、民主党はじめ政治屋官僚、マスコミ、評論屋は、金の奴隷、自分が超え太るためならば、日本国及び日本民族をも売る売国奴ばかりであります。いずれ、自分たちのかわいい子供、孫、更にひ孫たちも、放射能被爆で苦しむことになるでありましょう。原発利権享受者たちは、万死に値する究極の売国奴・亡国の輩であります。


06. 2011年8月03日 10:36:03: t5gzmyyhXY
同じ低線量でも全く違う主張になっているのは何故?
ペトカウ効果→危険。
ホルミシス効果→かえって健康に良い。

07. 2011年9月05日 14:46:22: ieWTAudjoA
5番さん、「わたくしたち愚かな成人は〜〜甘受しなければなりません」との自虐的なお考えには賛成できません。餅は餅屋といいます。専門家がいながらきちんと仕事しなかったのがいけないのです。高級官僚や政治家にしても同じです。
大人であろうが、ほんとの事を知らされていなかった全くの門外漢素人には責任は無いと思います。
今日のネット時代になったからこそ、我々庶民も多様な情報を入手して、多々考えざるを得なくなり、またこういう場を提供して頂いて意見をいうことも出来るようになったのです。
これからが、われわれが試される時です。
どなたかの名言「希望を持とう。絶望や諦めは奴らを利するだけだ」は胸をうちます。

08. 2011年9月05日 15:00:10: ieWTAudjoA
07です。足りませんでした。真面目に仕事する人は冷や飯を食べさせられているんでしたね。もしくは・・・ですね。

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