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徹底調査第3弾 放射能汚染MAP 子供が危ない!「首都圏レジャースポット」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/13544
2011年07月30日(土) フライデー :現代ビジネス
プール、遊園地、動物園、水族館・・・ 52ヵ所を本誌が調べ歩いた
「子供は野の花が咲き昆虫の住む場所を土と見、大人は土地と捉えるのです」
福島県郡山市出身の詩人、故・佐藤浩氏の言葉だ。夏本番を前にプールや遊園地へと子供たちの気持ちは逸っているが、親たちは福島第一原発事故によって汚染された土地のことを度外視することはできない。京都大学原子炉実験所の元講師、小林圭二氏が言う。
「政府が子供の年間被曝限度量を1ミリシーベルトから20ミリシーベルトに引き上げたことは記憶に新しいが、根拠のない非科学的な数値です。子供は小さければ小さいほど、より放射線に対する健康リスクが高まります。5歳の子より、3歳の子のほうが細胞分裂が活発に行われているからです。
放射線によってダメージを負った細胞が加速度的に増えていき、白血病や甲状腺がんなどの原因になってしまう。どんな低線量でも人工の放射線は浴びないに越したことはなく、大人より子供のほうが放射線に脆弱なのです」
本誌は前号、前々号と東京近郊の観光地136ヵ所の放射線量を独自調査し、多くの反響を得た。そこで今回はプールや遊園地、動物園など、特に子供に人気の高い首都圏のレジャースポット52ヵ所を徹底調査した。
前回同様、ロシア政府公認のガイガーカウンター『SOEKS』を用い、地表1mの高さで、5回連続して計測を行い、正確を期すためその平均値を求めた。なお、本誌は識者への取材から、『毎時0.16マイクロシーベルト』を危険水域と設定している。この数値を踏まえて調査結果を見ると、いかに福島第一原発が、子供たちの遊び場を汚してしまったかに愕然とするだろう。
晴天の行楽日和となった3連休中日の7月17日、茨城県鹿嶋市のカシマサッカースタジアムを訪れると、鹿島アントラーズとベガルタ仙台の試合の観戦に来た観客たちでごった返していた。地元の中高生や、親に手を引かれた子供たちが続々とスタジアムに吸い込まれていくなか、ガイガーカウンターの電源を入れると、毎時0.40マイクロシーベルトの数値が表示された(以下、マイクロシーベルトの数値はすべて毎時)。
5回連続して計ると平均値は0.29マイクロシーベルトまで下がったが、これが高い数値であることは言うまでもない。スタジアムから約300m離れた鹿島サッカースタジアム駅前の歩道橋で計測すると、数値は少し下がって0.18マイクロシーベルトだった。鹿嶋市から北に約20kmの距離に位置するアクアワールド大洗水族館(大洗町)は、0.22マイクロシーベルト、広大な敷地内に娯楽施設が点在する日立かみね公園の遊園地では0.29マイクロシーベルトと、福島第一から直線距離で約80kmの距離にある同地域では、軒並み高い数値が計測された。
■最も高かったのは那須の牧場
栃木県那須郡のレジャースポットでは、複数のポイントでガイガーカウンターが「HIGH」という警告を表示した。
子供たちから絶大な人気を集める「となりのトトロのぬいぐるみ展」を開催していた那須テディベア・ミュージアム(那須町)で測定すると、一時0.53マイクロシーベルトを計測し、ガイガーカウンターのバックライトが、平常時の緑色から異常を告げる黄色に変わった。
平均では0.36マイクロシーベルトだったが、那須テディベア・ミュージアムから約5km離れた南ヶ丘牧場(那須町)では、最大で0.71マイクロシーベルト、平均0.57マイクロシーベルトという今回の調査で最も高い数値が出た。
入場料、駐車料が無料ということもあり、家族連れに人気の高い観光牧場だが、残念ながらホットスポットの傘の下にあると言わざるを得ないだろう。ご存知の通り、汚染源から遠く離れていても、風向きや天候、地形によって周囲より高濃度に汚染される地域をホットスポットと呼ぶ。
メルトダウンが起きたとされる3月中旬は福島第一原発付近では北寄りの風が吹いたため、その影響で那須がホットスポットになった可能性は、さまざまな専門家が指摘している。
本誌が独自調査! 子供のレジャースポットの毎時放射線量 :クリック拡大
http://gendai.ismedia.jp/mwimgs/c/d/-/img_cde9d2e91cda13404f3f08417401fcb8914568.jpg
表で示した関東地方、一都六県のレジャースポットの放射線量を見れば、千葉市動物公園が0.20マイクロシーベルトに対し、よこはま動物園ズーラシアが0.14マイクロシーベルトなど、福島第一から距離が遠いほど放射線量が減ることが見て取れるが、気になる東京都のレジャースポットはどうか。
来場者のほとんどが家族連れだった大型水族館、エプソン品川アクアスタジアム(港区)は0.10マイクロシーベルトと比較的低い数値が出た。葛西臨海公園・水族園(江戸川区)は0.14マイクロシーベルトとやや高かったが、江東区の職業体験型テーマパーク、キッザニア東京は0.09マイクロシーベルトと今回の調査で最も低い数値が出た。直線距離で10kmも離れていないのに、なぜこれほど開きがあるかは首を傾げるしかない。
またサンリオピューロランド(多摩市)は0.13マイクロシーベルト、東京ドームシティアトラクションズ(文京区)は0.12マイクロシーベルトと、いずれも深刻と思われる数値は計測されなかったが、お台場海浜公園に面した都市型ショッピングモール、デックス東京ビーチ(港区)では、0.24マイクロシーベルトと不気味に高い数値が計測された。
外で遊ぶ機会が増えるこれからの季節、放射線から子供を守るのは、すべての親に課された責任だ。本誌の調査がその一助になることを願っている。
「フライデー」2011年8月5日号より
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