原子力安全・保安院：世論工作、浜岡原発シンポやらせ要請　国民の不信拡大必至
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20110729dde041040005000c.html
毎日新聞　2011年7月29日　東京夕刊

　電力会社だけでなく経済産業省原子力安全・保安院までが「世論工作」に手を染めていた−−。中部電力浜岡原発４号機（静岡県御前崎市）のプルサーマル計画を巡る０７年の政府主催シンポジウムで、保安院による中部電への賛成派動員指示が発覚した。九州電力の「やらせメール」問題に続く「原子力村」の不祥事。中立の立場で安全規制を担う保安院だけに、国民の原子力への不信拡大は避けられず、原発再稼働の大きな障害となるのは必至だ。【まとめ・井上英介】

　中部電が保安院の依頼で一度は作成したやらせ質問文案は同社に残っていた。プルサーマルのコストや化石燃料があと何年もつのかなどを尋ねる内容だった。名古屋市の中部電本店で２９日会見した同社の寺田修一法務部長は「プルサーマルに賛成または中立の質問を求められた」と話し、国による意見操作であるとの認識を示した。

　「非常にけしからん話だ」。原子力安全委員会の委員長代理を過去務めた住田健二・大阪大名誉教授（原子炉物理学）は憤慨する。「世論誘導は原子力業界の常識だったのかもしれないが、電力会社がやるならまだしも、中立的立場をとるべき規制機関が世論誘導を促すのはあってはならない」と批判した。その上で「シンポジウムは原子力のあり方を国民が考える場なのに『そんな無理までしていたのか』と国民は感じるだろう。原発再稼働に大きなマイナスになるのは確実だ」と憂慮する。

　浜岡原発が立地する地元・静岡でも困惑の声が上がる。同県の小林佐登志危機管理監は「保安院が特定意見を地元の人に表明するよう中部電に依頼したのは問題」と指摘。一方で「それを中部電が最終的に拒否したことは常識が守られたと評価したい」と述べた。

　御前崎市役所原子力政策室の鈴木雅美室長も「保安院の依頼には違和感を感じる」。ただ、中部電が社員らを動員した点については「空席があれば地元の社員らが自主的に参加するのは構わないのではないか。この種の説明会では反対意見が目立つ傾向にあり、それが地元の総意のように受け取られかねないことも事実」と話した。

　浜岡原発運転差し止め訴訟事務局次長の塚本千代子さんは「驚きもしない。前から分かっていたこと。シンポに出ると、いつも地元の漁協や農協の人が発言して原発推進意見を述べるが、あれも頼まれていたのだと思う。シンポ自体が国や中部電が市民に対して説明したというアリバイを作るためのものでパフォーマンスでしかない」と断じた。

　　　　　　　　　◇

保安院、中部電力に「やらせ質問」依頼
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4788254.html
29日13:40　TBS

　中部電力の浜岡原子力発電所でのプルサーマル実施に向けて、国が４年前に行ったシンポジウムで、原子力安全・保安院が中部電力に対し、地元住民に質問させるよう依頼していたことが分かりました。

　「保安院から本店の原子力部グループ長に対し、質問を作成し、地元の方に質問してもらうよう依頼することという口頭依頼があった」（中部電力　寺田修一法務部長）

　中部電力によりますと、シンポジウム開催前の２００７年７月、原子力安全・保安院から中電に対し、参加者を集めることやプルサーマル反対派の意見に偏らないよう質問を作成し、地元住民に質問させるよう依頼があったということです。

　これに対し、中電は社員や関連企業に呼びかけ、およそ１５０人がシンポジウムに参加しましたが、住民に特定の意見を表明してもらうことはコンプライアンス上問題があるとして、依頼を断りました。
　 　

コメント
01. 2011年7月29日 19:08:37: DprNjXc3KE ＞シンポに出ると、いつも地元の漁協や農協の人が発言して原発推進意見を述べる 常に原発利権の最初の受け取り手である漁協・農協は、４０年以上の間、この国第一の原発推進エンジンとして機能してきた。 山口県上関町でも、上関漁協が常に集団的暴力で祝島に立ちふさがってきたし、 福島でも漁協・農協連は、原発推進派の保守系政治家と首長・知事の集票マシーンとして存在し続けてきた。 その結果の責任を逃れることはできないし、決して一方的被害者などではないことは、明らかだ。
02. ginchan 2011年7月29日 19:30:41: XVSFXZ21x3XwE : 2scd09wXEo 原子力安全・保安院の世論工作は国民に対しての詐害行為であり、司直での捜査があってしかるべき。第三者委員会の調査などでは懲りないでしょう木っ端役人は。 原発推進派の保守系政治家と首長・知事および保安院の告発があって当たり前。
03. 2011年7月29日 20:08:12: pIB4mOaVSs だれも責任とらんやろな。
04. 2011年7月29日 23:38:54: rWmc8odQao 岩上安身氏 「ほんっとくだらない電力不足デマ。今日の電気は今日のもの。明日の電力は明日自らがわずらう。皆さん、ピーク時以外の節電をやめましょう。」 http://twitter.com/#!/iwakamiyasumi/status/96941650512846848 こんな胸が張れない仕事をして、楽しいのだろうか原子力村の住民は。 バカバカしい人生。
05. 2011年7月29日 23:50:05: EszHBBNJY2 電気は余裕だな。 http://www.tepco.co.jp/forecast/index-j.html 今日の発電は5000万キロワットで800万キロワットも発電能力を落としている。 使用は、ＭＡＸ時間で3800万kw もっと節電して東電を潰そうぜ。 まだ揚水発電などもあるし、民間発電も購入できる。 原発全機停止でも全然余裕だわ。
06. 2011年7月30日 00:26:02: oWbillhalg とにかく保安院や原子力委員会や原子力文化振興財団など、不正工作が仕事の連中はすべてブタ箱にぶち込むしかない。

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